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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 347

「シェフたちが作ったスープとかを配膳前の保温装置の前に運んでいるから、今のうちかも!」


キーと音を立てて氷室のドアを開けると、冷えた風が頬を撫でた。

 あまりの寒さに、ラレーヌがチャチャたちのいる私の服の中に飛び込んで来たけど、広い氷室の中は薄暗くて良く見えない。


「ライト‥‥寒っ!」


 さめざめとした白い光が辺りを照らし出し、手前に野菜の棚やピクルスなどの保存棚があり、反対側の棚に卵があるのが分かる。

 奥に進むと、しっかりした扉があった。


「この奥はもっと極寒だね」

「ラレーヌとチャチャやハンゾウ長老が心配だけど‥‥」

『案ずるな、我が保護しておこう』


 ラピスの提案で寒さに弱い精霊たちを保護してもらうことになった。

 保護と言う提案だったけど、一体どうやってするのだろうと思っていたら、私自身が温かくなった。


「ラピス、氷室の中の温度に影響しない?」

『大丈夫だ。ヒマリに二重の結界を張って、中と外の温度が交わらない様にしている』

「まるで魔法瓶の様な仕様ね。結界ってそう言った使い方も出来るのね」


 勉強になるなと感心しながら、結界の可能性を考えてしまいそうになる意識を止めた。

 ファルが扉を開けて入った後に続くと、肉が天井から幾つも吊るされている。左の棚の木箱に魚が並んで凍っている。

 冷気が充満しているので、この近くの地下に囚われているのではないかと、下に降りる階段や隠し扉を探してみた。


「うー寒い、ヒマリは良く耐えられるね‥‥」


 そうだった。私はラピスの結界に守られているからだった。


「ラピス、ファルにも結界張れる?」

『仕方あるまい』

「えっ?何?寒くなくなった?ヒマリ、何かした?」

「ごめんね、ファル。ラレーヌたちが寒さに弱いから、私のコートの中に入ってもらっていたんだけど、この氷室が寒すぎて、ラピスに保護してもらったの」

「それを私にもかけてくれたのかい?」

「気付くのが遅れちゃって、風邪ひいてない?」


 大丈夫だよと笑っているので、先ほどの悲壮な感じは無い。本当に体感温度が違うのか、テキパキと杖で壁を叩いて音を確認している。


「ここに入り口は無さそうだけど、青の精霊ドラゴンはどう言ってる?」


 ラピスに氷土竜の気配を探って貰ったら、この氷室よりも館の中央の地下辺りから氷室に冷気が流れ込んでいると教えてくれた。


「うわ、先に聞いてから入れば良かったな」

「ううん、此処に来たから、この氷室に流れ込む氷土竜の冷気を感じたみたい」

「館の中心の地下だと、入り口が何処にあるか探すのに時間がかかるかもね」


 ファルは大きな溜息を吐いているけど、私には心当たりがあった。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。



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