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社畜はスローライフの仕方がわからない  作者: 真白 歩宙


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キメラの雷鳥さがし 346

 私はギデン子爵の目的について考えてみた。


 氷は解けてしまうから調度品には向いていない。料理の飾りとして?

 貴族らしいけど、もっと自慢できるような事に使うとか?


 そこまで考えて、風炎鳥の王子を思い出した。

 呪われた杭を羽に打ち付けられて、憤怒の炎の高温の炎を彫金や鋳物、武器の生成に使われていた。


「まさか、氷室とか?」

「ええっ?食材を冷やす為に?」

「それもあるけど、今は初夏なのにこの屋敷って冷えてない?」

「屋敷を冷やす為に氷土竜を?どんだけ非道なんだよ!」

「確定ではないけど、ラピスに精霊の気配を見てもらってから探そう」


 ラピスに聞いたら、弱弱しい気配が下から感じると言われた。

 その表現に一抹の不安が過ったけど、地下に降りる部屋や階段を探すことにした。


「地下に降りるなら1階からだと思うけど、その前に氷室って言うなら、調理場の肉とか貯蔵している所なんじゃない?」


 ファルの提案に全員頷いて、ラレーヌの転移術で食堂に隣接する調理場までやって来た。

全員姿は隠ぺいや隠密スキルで見えないものの、私やファルは空を飛べないのでぶつかれば術が解けてしまう。忙しそうに動き回るシェフたちの合間を縫って、奥の氷室がある場所まで行くのは至難の業だ。


「参ったな、気を付けて行くしか‥‥」

『チャチャ、私の一部を氷室のドア横に置いて来てくれる?』

『そうね、ヒマリは料理が出来るからシェフの動きが分かって避けれるけど、ファルはあの腕前じゃ無理ね!』


 いつもの毒舌をファルにかまして、ラレーヌから受け取った小枝を持って飛び立ったチャチャ。不思議な事に咥えた小枝までもが隠ぺいスキルで見えなくなっている。


 シェフの行き交う中を縫うように飛んで氷室のドアの前の棚飾りに分からない様に差し込んだ。


「凄いチャチャ!でも食堂で騎士と兵士が酔いつぶれているのが分かっているのに、どうしてこんなに忙しそうなのかしら?」

「それは、交代制で食事を摂っているからだよ。そのうち、酔いつぶれた者を運び出すために厨房から出て来る筈だから‥‥あ、ごめん」

「あはは、チャチャには内緒にしておいてあげる」


 そう言いつつ、ラレーヌに合図して全員が氷室の前に移動した。

 チャチャの直ぐ傍に降り立ったファルが、目を合わせないでソワソワして挙動不審だ。

あれでは私が黙っていても、自ら何かしましたと自白している様なものだと思うけど。


『氷室の中って寒いんでしょ?』

「そうね。お肉とか生の物が傷まないようにしているから、物凄く寒いと思うよ。チャチャもハンゾウ長老も私の服の中に隠れていて」


 フードのボタンを外して首元のドレープになっている部分に誘うと、2人とも入って来てくれた。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

読んで頂けることが、執筆活動の励みになります。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。

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