国際連合敵性来攻生物対策理事会
収束が見えない世界の危機に対処するため、国際連合事務総長は緊急理事会を開催し、賛成多数により、敵性来攻生物対策委員会を発展的に解消することを可決した。新たに敵性来攻生物対策理事会が組織され、従来の単なる下位組織のひとつから、主要な国際問題を取り扱う組織として生まれかわり、主要な活動を引き継ぐことになった。組織変更に伴って関連する危機の平和回復について主要な責任を有することになり、また同時に、決定を強制する権限を持つようになった。
敵性来攻生物理事会の主な課題は、寄生菌に関するものであったが、人類を存続させる方法について、既に着手している計画を含めていくつかの案を提示し、可能な限りすべての案について実施することが決定された。
・その一、危機情報の世界的な共有はするが、対策は各国の判断にゆだねる
・その二、同盟国の連携による集団的な防衛を実施する
・その三、国際連合主導による世界的な防衛を実施する
・その四、国体維持に必要な政府組織を安全地域に移動する
・その五、感染がおよんでいない地域一帯を完全に隔離して安全地帯を確保する
どの案についても、一長一短があり、詳細は非公開とされた。このため、国連事務総長からこれらの案に参画する人たちに表立ってメッセージを伝えることができず、言葉尻の中に思いを隠して、重要な宣言が全世界に向けて発信された。
「人類社会のすべての構成員に、このようなことをお伝えすることになり、誠に残念であります。譲ることのできない生きる権利が、外来の生物の出現によって脅かされ、世界における正義および平和が踏みにじられています。これら野蛮行為をもたらし、恐怖および死によって人類に挑戦しようとする生物に対し、全世界がひとつとなり、人類生存に向けて一致団結することが肝要です。
国際連合の諸国民は、国際連合憲章における目的及び原則についての信念を再確認し、国際の平和及び安全を維持すること、そのために平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊を鎮圧すること、そのために有効な集団的措置をとることを決意しました。
終わりを見せない天候の異変は、前述する正義および平和問題に加え、新たな世界的な問題が発生しうることは、たとえば世界各地で食糧をめぐり危機的状況が生じる可能性についても言及せざるを得なく、係る危機に対して根本的な問題である生存権に関して、政府として個人としてはどう対処すべきか、グローバルな視点を持ち行動する必要があります。
よって、ここに、国際連合総会は、社会の各個人及び各機関が、この世界宣言を常に念頭に置きながら、加盟国自身の人民の間にも、また、加盟国の管轄下にある地域の人民の間にも、これらの平和と安全が普遍的かつ効果的な尊守を国内的及び国際的な措置によって確保することに努力するように、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の願いとして、この世界宣言を公布します」




