国際連合緊急特別総会
国際連合常任理事国であるフランス共和国、イギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)政府、さらにアメリカ合衆国の要請により、非常任理事国も加わった9カ国の賛成投票を受け、国際連合事務総長は、国際連合緊急特別総会を開催した。そして、その決議によって、ドラゴンなどの敵性来攻生物による動物行動学的移入行為を平和を破壊する侵略行動であると認定し、全地上から排除するための行動が採択されていた。
これは人類の生活圏から敵性来攻生物を引き離すための分離行動や、移動統制などによる平和と安全の回復を目的とした非軍事的行動ではなく、西欧当該地域における国際連合加盟国群による明白な報復軍事行動である。
国際連合の決議に基づいた「軍事的制裁」活動ではあるが、国際連合憲章第7条の手続きを経た「国連軍」ではない。実体は北大西洋条約機構軍を中心に組織され、軍事行動はフランス共和国が直接指揮をとったため、国際連合の統制下に置かれたものではなかったからである。このため、多国籍軍と呼ばれるべきものであった。
北大西洋条約機構主体の多国籍軍の設置が容易であったのは、全世界にとって敵性来攻生物という共通の敵に対する軍事的行動であり、民族的にも、宗教的にも、経済的にも擁護する国や地域がなく、多くの命と財産を奪った者への正当な報復であると考えられたからである。
日本国政府は国際連合の採択を受け、敵性来攻生物対処法を成立させ、欧州に派遣していた輸送艦〈おおすみ〉と陸上派遣部隊に、日本人の護衛行動に関して、敵性来攻生物の排除を目的とした理由であれば無制限の武器使用を許可することとなった。




