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なかよしの設計図は作成中です。  作者: 鍵しっぽハンター
第四章 トリの枝道でうたう ―― その声は、誰かの心にとどいている

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第三話 コザクラインコがべったりすぎる件



コザクラインコは、アフリカ生まれのインコだ。「ラブバード」という別名を持つ。つがいへの愛着が非常に強く、一度仲良くなった相手のそばをほとんど離れない。一人になると不安になるタイプで、仲良くなった相手にはどこへでもついていく。


コザクラインコは、今週からセキセイインコのことが大好きだった。




「セキセイインコ! おはよう!」


「おはよう」


「今日の朝ごはんは?」


「まだ食べてない」


「一緒に食べよう!」


「いいよ」


「どの木の実が好き?」


「あの丸いやつ」


「じゃあ一緒にとりに行こう!」


「いいよ」


朝ごはんを一緒に食べた。昼になった。


「セキセイインコ、昼ごはんは?」


「まだ」


「一緒に食べよう!」


「いいよ」


夕方になった。


「セキセイインコ、どこ行くの?」


「少し一人で飛びたい」


「一緒に飛ぼう!」


「…………」


セキセイインコが止まった。コザクラインコがきらきらした目で見ている。


そのとき、ホーランドロップが枝道の外れに来た。


ウサギ草原から来た。なんとなく立ち寄っていた。ホーランドロップはそういうタイミングで来る。


「コザクラインコ、ちょっといい?」とホーランドロップが言った。


「え、でもセキセイインコと」


「相談があって」


コザクラインコはセキセイインコとホーランドロップを交互に見た。


「……少しだけ」


「ありがとう」


セキセイインコはほっとした顔をしながら、申し訳なさそうにしながら、飛んでいった。




コザクラインコはホーランドロップの前に降りた。


「相談って何?」


「うん」とホーランドロップはたれた耳をぱたぱたさせながら言った。「コザクラインコに聞きたかったことがあって」


「わたしに?」


「一人になるのが怖い?」


コザクラインコは少し黙った。


「……怖い、というか。不安になる。だれかと一緒にいると落ち着く。一人になると、何かが足りない感じがする」


ホーランドロップはじっと聞いていた。


「一緒にいたい気持ちはいいことだと思う」とホーランドロップは言った。「でも、一緒にいる相手が少し疲れてしまうことがあるかもしれない」


「……疲れてた? セキセイインコが」


「疲れてたかどうかはわからない。でも「少し一人で飛びたい」って言ったよね」


コザクラインコはうつむいた。羽がすこし体に引き締まった。


「……気づかなかった」


「気づかなかっただけだよ。悪いことじゃない」


「でもずっとくっついてたら、嫌がられる?」


「嫌がられるとは思わない。ただ、少しだけ間を作ると、また会ったときに嬉しい気持ちが大きくなる、ということはあるかも」


コザクラインコはしばらく考えた。


「……間を作る」


「無理にじゃなくていい。ちょっとだけ、違う子と話してみる、くらいで」


コザクラインコはホーランドロップを見た。


「ホーランドロップって、よく話を聞いてくれるね」


「好きだから」


「相談があるって言ってたけど、わたしのことが相談だったの?」


「そう」


「それって相談じゃなくて、心配してくれてたってこと?」


ホーランドロップはたれた耳をぱたりと揺らした。


「どっちでもいい」


コザクラインコは羽を少しだけ膨らませた。


夕方、セキセイインコが戻ってきた。


「コザクラインコ、さっきはごめんね」


「ごめんは、わたしのほうだよ。くっつきすぎた」


「そんなことない」


「あった」


「……少しだけ」


「知ってた」とコザクラインコが言った。


「知ってたの?」


「今日、ホーランドロップに教えてもらった」


「また来ていい?」とコザクラインコが言った。


「いいよ。でも、たまに一人になりたいときは言う」


「うん。そのときは、別の子のところへ行く」


「そうして」


コザクラインコの羽がほんの少し、ふくらんだ。


満足した感じのする、小さな動きだった。


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