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なかよしの設計図は作成中です。  作者: 鍵しっぽハンター
第三章 ウサギ草原のふしぎな話 ―― 信じてほしいことが、ある

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第七話 ウサギ草原の備蓄祭り

その年の秋、備蓄小屋がついにあふれた。




ナキウサギは、北アメリカや中央アジアの山岳地帯に生きる、ウサギの仲間だ。見た目はウサギより小さく、耳が丸くて短い。冬眠せずに冬を越す。そのために秋になると一生懸命に草を集めて、乾かして、備蓄する。これが本能で、やめられない。集めすぎることが多い。




「あふれた」とナキウサギが言った。


「毎年あふれてる」とネザーランドドワーフが言った。「整理が必要だ」


「そう。でも一匹じゃ無理だ」


「みんなに声をかけよう」


そういうわけで、備蓄祭りが始まった。


みんなで草を運んで、分けて、積む。その間にいろんな話をする。


今年の草はどこがよかった。あそこの草は少し苦い。ジャックラビットが去年「おいしくない」と言ったやつがまだある。


アンゴラは運ぶ途中で一回転んだ。みんなが来た。ついでにその場で休憩になった。


レックスは草の束に鼻を近づけながら「この感触はわりといい」と言った。だれも意味がわからなかった。


ライオンヘッドはたてがみに草が引っかかって、レックスに前足でとってもらった。


フレミッシュジャイアントが大量に運んだので、はかどった。




夕方、整理が終わった。


備蓄小屋に草が美しく積み上がって、在庫ボードが更新された。ナキウサギが満足そうに眺めている。


みんなが草原に集まって、秋の夕空を見ていた。


スマトラ縞ウサギがホーランドロップに言った。


「ねえ、今日なんか楽しかった」


「そう?」


「備蓄の整理って楽しくないかなと思ってたけど」


「みんなといるから楽しいんでしょ」


スマトラ縞ウサギは少し考えた。


「そうかもしれない」


ホーランドロップはたれた耳をぱたぱたさせた。


「うん。たぶんそうだよ」




備蓄祭りが全部終わって、ナキウサギが最後に小屋の中を確認した。


草がきれいに積まれている。在庫ボードも更新した。今年の備蓄は十分だ。


それから、奥のほうに鼻先を伸ばした。


いつもの場所に、一枚の葉っぱがある。


自分では入れていない。でも毎年ある。どこから来たのか、ナキウサギにはわからない。


緑の、きれいな葉っぱだ。


どこかから、だれかが入れているのだ。だれなのかは知らない。でも毎年あるから、だれかがここを知っていて、ここへ来ていることはわかる。


ナキウサギは葉っぱをそっとたどるように鼻先を近づけて、また元の場所に戻した。


来年もあるといい、と思った。




その夜、草原のみんなが空を見上げた。


星が出ていた。


ジャックラビットの大きな耳がぴくりと動いた。


「……また聞こえる。遠くから、歌声が」


「どの方向?」とユキウサギが聞いた。


「あっちのほう」


ジャックラビットが耳をそちらに向けた。


草原からは遠い方角だ。トリの枝道の方向だろうか。


「きれいな声だな」とアンゴラが言った。


「うん」とジャックラビットが言った。


みんながしばらく静かになった。


風が来た。草が揺れた。


遠くから、かすかに、その声が届いた。




その頃、トリの枝道では――


カナリアが枝の上に止まって、夜空を見ながら歌っていた。


だれかに届けようとして歌っているわけじゃない。ただ、夜の空気が気持ちよくて、声が出たくなった。それだけだ。


でもその声は、草原まで届いていた。


カナリアは知らない。


知らないまま、今夜も歌い続けた。


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