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なかよしの設計図は作成中です。  作者: 鍵しっぽハンター
第三章 ウサギ草原のふしぎな話 ―― 信じてほしいことが、ある

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第五話 スマトラ縞ウサギの縞、ついに証明される

スマトラ縞ウサギは、インドネシアのスマトラ島に生きる野生のウサギだ。世界でほとんど知られていない、非常に珍しい種だ。いちばんの特徴は、縞模様があることだ。茶色の体に、黒い縞が走っている。ウサギに縞模様があるというのは、実はとても珍しいことで、縞模様を持つウサギはこの世界でほぼいない。


ウサギ草原のスマトラ縞ウサギは、自分の縞模様がとても好きだ。


ただ、だれも信じてくれない。




「縞模様がある」とスマトラ縞ウサギが言うたびに、みんなが「うん、模様はあるね」と言う。


「縞だよ」と言うと、「まあ、そう見えなくもないね」と言われる。


「ウサギで縞があるのはすごく珍しいんだよ」と言うと、「そうなんだ」とあいまいな顔をされる。


信じていないわけじゃない。でもみんな、縞がめずらしいということが、実感できない。


ネザーランドドワーフだけが、ちゃんとノートに記録してくれていた。「スマトラ縞ウサギの縞模様:確認済み。縞模様を持つウサギは世界的に非常に珍しい。本物であることに疑いなし」と、きちんと書いてあった。それを鼻先でそっとたどって読んだとき、スマトラ縞ウサギは少し救われた気がした。




その日の午後、ネザーランドドワーフがスマトラ縞ウサギのところへ来た。


いつもより表情が違う。几帳面で落ち着いているネザーランドドワーフが、すこし違う感じがした。


「スマトラ縞ウサギ、ちょっといいか」


「なに?」


「きまり帳を調べていたら、昔の記録が出てきた」


ネザーランドドワーフはノートを開いた。古いページだ。


鼻先でゆっくりページをめくって、一か所で止まった。


文字が少し褪せている。目を細めて追った。


「この国にきまりが作られた頃の記録なんだけど、そこに書いてあった。「ウサギ草原には縞模様のウサギがいる。珍しい模様だが、本物だ」って」


スマトラ縞ウサギは、動かなかった。


「……昔の記録に?」


「うん。つまり、ずっとここに縞模様のウサギがいたってこと。おまえが来る前から、記録が残ってた」


スマトラ縞ウサギは、そのページをじっと見た。


ぼろぼろになった紙に、確かにそう書いてある。


「だから」とネザーランドドワーフが続けた。「縞は本物で、珍しくて、昔からこの草原にいた。それは確かだ。今日から、もっとはっきり言っていい」


スマトラ縞ウサギは、しばらく何も言えなかった。


目がじわっとした。


「……泣くなよ」とネザーランドドワーフが少し困った顔で言った。


「泣いてない」


「目が潤んでる」


「泣いてない!」


フレミッシュジャイアントが遠くから「どうしたの?!」と駆けてきた。


「なんでもない」とネザーランドドワーフが言った。


「でもスマトラ縞ウサギが……」


「なんでもない」


フレミッシュジャイアントは心配そうな顔をしたまま、でもそれ以上は何も言わなかった。


スマトラ縞ウサギは目をそらして、草原を見た。


「……ありがとう」


「記録は正確であるべきだ」とネザーランドドワーフは言った。「だから記録した。それだけだ」


「それだけ、か」


「そう。ただ、正確な記録が誰かの役に立つなら、記録者として嬉しいとは思う」


スマトラ縞ウサギは少し笑った。


その日の夕方、草原のみんなを集めてネザーランドドワーフが言った。


「スマトラ縞ウサギの縞模様について、正式に記録を読み上げる」


みんながぽかんとした顔で集まった。


ネザーランドドワーフは古い記録と自分のノートの記録を、順番に読み上げた。


「以上。縞模様は本物で、珍しくて、昔からここにある。これが事実だ」


だれも何も言わなかった。


しばらくして、アンゴラが言った。


「……きれいな縞だよね」


「うん」とホーランドロップが言った。


「おれは前から本物だと思ってた」とジャックラビットが言った。


「言ってくれればよかったのに」とスマトラ縞ウサギが言った。


「言えばよかった」とジャックラビットが言った。


スマトラ縞ウサギは草原を見渡した。みんながいる。自分の縞模様を見ている。


ずっと気にしていたのに、こんなに普通のことだった。


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