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第7話 王都アポロメルタン裏グルメ集! 5

「はーい!ラビちゃんお待ちー!チーズたっぷりデミグラス・オム・チーズペンネ!カウンター置いとくよ!チップ!テリマヨチキンステーキとペペロンチーノ、カウンター!!」

 わたしとチップはカウンターに見に行って、特にわたしは感動した。

「すごい!すごいよお母さん!!もはや、お店だよ!!」

「そいつは嬉しいこと言うねぇ!ラビちゃんが食べて気に入ったら、チップに言っとくれ!夜中にレシピ書いとくから!」

「ありがとうございましたー!」

 チップのお母さんは、皆の女将さん。まだまだ忙しいものね。

 わたし達は、自分の皿を持って来て、席についた。

「うまぁー!!チーズとたまごが口の中で溶けるう!デミグラスが濃厚!!デミグラスのピーマンもおいしーし、しかも中身はチーズペンネ……贅沢過ぎない!?」

 チップもわたしのチーズたっぷりデミグラス・オム・チーズペンネを眺めた。

「変わり種じゃーあるが、うまそーに出来てんな。」

「チップのペペロンチーノもめちゃめちゃいい香りするんだけど?それもレシピもらってよー!」

「んにゃ。りょーかい。ペペロンチーノはお袋のが一番うめぇかんなー。」

 わたし達のやり取りに、門下生の方々が笑いながら尋ねた。

「良い食べっぷりだね、ラビさん!さすが三代目のお墨付き!!」

「えぇ?チップ、わたしのこと大食いだか何だか言ってたわけ?」

「本当に美味しそうに食べる人だって、感心してましたよ!」

「よせやい!」

 なぬ〜?褒めるならわたしに直に言いなさいよね。

「ところで、門下生さん。チップって三代目なの?気になってたんだけど、なんで王都に名門盗賊(シーフ)の家があるの?」

「あぁ。三代目の実家は、家だけどギルドだよ。名門盗賊(シーフ)ギルドだ。初代は、勇者パーティで第三代魔王を倒して帰還した、伝説の盗賊(シーフ)さ。その時、魔族に盗まれた赤竜の眼を、魔王から盗み返し、王家に献上した。それで、盗賊(シーフ)だけど貴族爵位もあって、名誉市民として王都に迎えられたんだよ。」

「ドぇー!?そんなに名家!?チップのおじいちゃん魔王倒してるの!?しかも、赤竜の眼!?」

「そんで、俺たちの師匠の二代目は一人っ子。二代目の子供たちは、年齢順に、長女、次女、三代目、三女、次男。三代目は大兄弟な訳。弟だけど下の子達がいて、責任感があるんだ。」

 なるほど。真ん中の子ならではかあ。

「ハハッ。三代目は貴族って言ってもやっぱ盗賊(シーフ)だから、変に気取らないだろ?そんで、三代目が連れて来たあの人!魔王軍と共闘した伝説の盗賊団ラウムのお(かしら)!!このお頭が若かりしみぎり、見事に王家の赤竜の眼を盗んだってんで、二代目が今クロウさんにメロメロなわけ!盗賊(シーフ)は善でも悪でもあるクラス、どちらにも魅力を感じるのさ!」

 ほえぇ。それがチップの言ってた、クロウの拉致監禁ね?

「クロウ、ちゃんと食べてるかしら……?」

「俺は兄貴がちゃんと寝れてんのか心配だぜ。親父もああ見えて、夢見る盗賊(シーフ)だかんなあ〜。」

 わたし達、目配せして、言った。

「クロウなら、本気で嫌ならキレるよね。」

「だな。クロウの兄貴は自立した男だ。いざとなりゃ、兄貴は教会に逃げるよな。」

僧侶(プリースト)だもん。匿ってくれる。」

 わたし達は納得し、落ち着いた。

「飯食ったら、ラゴゥとモコに会いにいくか?」

「そだね。お隣さんだもんね。」

 わたし達は、お昼ご飯を終えると、いそいそとチップの屋敷を出た。お母さんに挨拶したかったけど、ものすごく忙しそうで、やっぱりお母さんが先に言ったように、チップに美味しかったことを伝えて、夜中にチップからお母さんに話してもらうことにしたの。


 ・チーズたっぷりデミグラス・オム・チーズペンネ

(1人前)


 玉子 2個

 マヨネーズ 大さじ2

 塩コショウ 適量


 オリーブオイル 適量


 マッシュルーム 3個

 玉ねぎ 半玉

 ピーマン 1つ

 デミグラスソース(ハインツがおすすめ)

 赤ワイン 100ml


 チーズ(お好みのチーズ)

 ↑今回は、チェダーチーズスライス3枚を使うよ!使うチーズによって、ペンネのレシピは変えようね。

 ペンネ 茹で時間8分のもの 50g

 水 300CC

 ベーコン 30g

 オリーブオイル 大さじ1

 顆粒コンソメ 小さじ2分の1

 牛乳 50CC

 無塩バター 薄めに1切れ

 黒胡椒 適量

 はちみつ 適量


 ピザ用のナチュラルチーズ たっぷり使うよ!


 ミニトマト 3つ

 パセリ 適量


 ベーコンを1cmに切る。

 フライパンにオリーブオイルを熱し、ベーコン投下。ベーコンに焼き色がついたら、バットに取り出す。

 フライパンに水、コンソメ、塩ひとつまみをいれて沸騰したら、ペンネとバターを投下。強火で5分は茹でる。

 茹でてる間にチェダーチーズをちぎっておく。

 5分経ったら牛乳を入れ、2分。

 直前にベーコンを戻す。

 ペンネがアルデンテに茹で上がったら弱火にし、チェダーチーズを入れ、混ぜる。

 チェダーチーズが溶けたら仕上げバターを入れて混ぜる。汁気を飛ばす。

 はちみつ、黒胡椒を混ぜたら、チーズペンネは完成。

 耐熱皿にのせる。


 お椀に玉子を溶いて、マヨネーズ大さじ2、塩コショウして、混ぜる。

 別のフライパンにオリーブオイルを敷き、熱してきたら、玉子を投下。

 オムライスの玉子の要領で、平たく広げて焼く。

 半熟めか、しっかり焼きかは、お好みで。

 完成したら、チーズペンネの上にのせる。


 フライパンを濡らしたキッチンペーパーなどで拭いておく。


 フライパンでデミグラスソースを作る。

 まず、マッシュルームをスライスし、玉ねぎをスライス。

 ピーマンを縦切りして種を取り、横スライス。

 フライパンにオリーブオイルを敷いて、具を炒める。

 火が通ったら、デミグラスソースを投入。赤ワインも投下。

 グツグツしてきたら、火を止める。


 耐熱皿に、チーズペンネを敷き、玉子焼きをかぶせ、デミグラスソースをかける。

 一番上からナチュラルチーズをかける。たっぷり。


 オーブンを予熱しておく。

 オーブンを200度にし、10分焼く。


 ミニトマトを添えて、最後にパセリをふる。

 できあがり。


 ・チップの好物!

 辛いペペロンチーノ、ニンニクとトウガラシ多めで温泉卵乗せ

(1人前)


 ニンニク 大きいのを 4粒

 輪切りトウガラシ しっかり、ふたつまみ (辛いのが苦手な人は、女性の指でちょいつまみ)

 顆粒コンソメ 小さじ1

 塩 ひとつまみ

 オリーブオイル 大さじ1

 仕上げオリーブオイル 大さじ1

 パスタ 1・4cm 100g

 水 350CC

 パセリ 適量

 温泉たまご 1つ


 ニンニクを薄くスライスし、フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、ニンニクを投下。

 ニンニクからいい香りがして、色づいて音がしたらOK。

 水、コンソメ、塩を入れ、沸騰したらパスタとトウガラシを入れ、強火で5分茹でる。

 汁気は飛ばす。

 火を止めて、パセリを振り、仕上げオリーブオイルを和える。


 お皿にのせたら、真上にくぼみをつくり、温泉卵をのせて、完成。


 そんな訳で、わたし達はラゴゥの屋敷へ。

「ごめんくださーい」

 使用人さん、すぐ来て、一目で対応した。

「チップ様?ラゴゥ坊ちゃん!チップ様が来てらっしゃいますよ!!」

 ラゴゥが階段から降りてきた。

 モコちゃんを抱えた状態だ。

 貴族のジュストコール、ジャボを付けたラゴゥは、まるで王子様だ。

 住む世界が違いすぎる。

「ラビ!ニャビどうしてる?昨晩、ニャビちゃんと寝れたかな?俺、気になって眠れなくってさぁ。」

 あぁ。中身は変わってない、お人好しお父さんのラゴゥね。ちょっと安心した。

「いつもはラゴゥが寝かしつけてるから、わたしうっかりニャビ置いてっちゃって、しっかり者のマリアンヌさんに叱られました。ほんと、やらかしたわ。」

「やっぱり。離れ離れも心配だから、俺の家でニャビ預かろうか?女中って言っても、ニャビには無理があるんだし……」

「うーん。それがね、ニャビは一番上手くやってるのよ……覚えもいいし、ニャビ本人に、仕事に抵抗が無いっていうか。なんか、宮廷ってすごい窮屈なところでしょ?ニャビがいるだけで、なんとか緊張を乗り越えてきた感じよ。マリアンヌさんまでもが。」

 ラゴゥ、わかったみたい。

「言われてみたら、そうだなぁ。ニャビがいなくなったら、エスメラルダやカイヤさんも困っちゃうか。ニャビが頑張ってるなら、俺も我慢しないと……。ちなみに、マリアンヌさんって?」

「えーと、なんだったかなぁ、旦那さんの名前」

 チップが尋ねた。

「まさか、ポンパドゥール侯爵夫人か?おまい、侯爵夫人を名前で呼んでんの?無礼過ぎだろがい。」

「えっ?でも、カイヤさんだってマリアンヌさんて呼んでるよ!」

 ラゴゥとチップは目を合わせ、苦い顔で解説した。

「ん〜。俺としては、あんまり教えたくない話なんだけどさ。」

「今教えんと、こいつ何度もやらかすぞ。言ったれ、ラゴゥ。」

「えーと。このフランク=バジリコ王国には、ピラミッド式に偉い人が決まってて、下の人は、偉い人に従う。村や冒険者には、関係ない話なんだけど、王都では社会の仕組みがあるんだ。現状、ピラミッドの頂点は王家のトップ、エスメラルダ。次点でプリンセス・カイヤさん。その下に、聖職者達。次に、大臣や貴族がいて、マリアンヌさんは貴族で一番偉い公爵の次に偉い、侯爵家の夫人ね。そして、貴族から結構離れた下に、平民のラビがくる。だから、カイヤさんが呼び捨てなのは、ポンパドゥール侯爵夫人への寵愛になるけど、ラビが呼び捨てなのは、なかなか……」

「言ったれって。」

「……無礼者!貴方はクビですわ!て、言われても、おかしくないことなんだよ。」

 わたし、初めて思い知った。

 格差社会……そうなんだ。

 エスメラルダから引き離されるような気持ちがあったけど、それは、当たり前なのだ。

 エスメラルダは女王様。わたしは平民。

 カイヤさんもお姫様。

 そもそも、マリアンヌさんにわたし、なんでタメ口聞いたりしてたのよ。

 マリアンヌさんがわたしを呼び捨てにしても、わたしからはアウトじゃないの。

「階級ピラミッド、よくわかった。気をつける。マリアンヌさん、呼び捨て許してくれてた。心広いのね……。」

 ラゴゥ、時計を見て告げた。

「話の途中だけどごめん、俺そろそろ軍服に着替えて城に行かなきゃ。エスメラルダと大臣達の会議に、形だけエスメラルダの警備として付き添わないとなんだ。近衛だからさ。」

 え。

 えぇ。

「ラゴゥ!今何時!?」

「まさか、おまい」

「二時半だけど?」

 うっわ〜〜〜〜!!

「やらかした!わたし二時には戻ってエスメラルダの着付けだった!!今からでもお城に帰るね!!」

Copyright(C)2026 燎 空綺羅

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