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死合

 諸君らは誇り高き戦士である。


 そんなことを、軍の偉い高官は演説していたっけ。それもいつの事だったか。たしか三ヶ月前。そう、たった三ヶ月前のことであっただろう。


 ある兵士が短剣を敵に振り下ろしながらそんなことを思い出した。敵兵は口からドロリとしたどす黒い血を吐き出して、自分の胸に突き刺さされた短剣を力なく押し戻そうとしていた。


 兵士は短剣の握り直してこれをさらに押し込む。敵兵は糸が切れた人形のようにこと切れた。兵士は立ち上がって塹壕の外を見回した。他に敵が隠れているかもしれない。彼の精神はきわめて静謐で落ち着き払っている。故郷では役立たず扱いを受けて蔑まされてきた彼は兵士として有能であることを自覚していた。


 彼は思った。

 自分は誇り高き戦士などではない。

 しかし、彼は彼の人生で最も充実したときを味わっていた。

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