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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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ギルド入社試験会場8 現れた英雄


戦況は徐々に傾いていた


「クソ…… 防御班がやられた」


ドラコが森に隠れ 現状を把握する


ーー精鋭はまだ生きている 狙撃班はやられた

今残っているのはその精鋭含め俺とカーソンの六人

そして衛生班とライト達の数人……

逃げてしまおうか…… いや……

こっちにはカーソンがいる 今まで幾度も死線を乗り越えた英雄がいるんだ

大丈夫な筈……


「身体怪化・蛇鳥バジリスク


コンドルは空を滑空し 助走をつけてハヌマンに突進した


右翼白銀の鉄腕アイアン・ラリアット!!」


右の翼が白銀へと変色し ハヌマンの首に狙いを定め疾風の如き速さで直撃する

手応えを感じそのまま上空へと迂回する


「効いたぜ鳥野郎」


「!!」


コンドルが右を見ると 翼を掴んでいるハヌマンがいた

敵はコンドルの背に乗り 腕を上に引くと地上に殴り落とす


「っ……!!」


コンドルは地面に叩きつけられ その場で気絶した


「ヌルいね~~ これがギルドの実力か?」


降りてきたハヌマンは空を見上げて気持ち良く叫んだ


「カーソン!! 逃げた方が良い!!」


ドラコがカーソンのもとに血相を変えて駆け寄った


「いや……」 


カーソンは敵から目を離さず決死の覚悟でドラコの肩を掴む


「ここでやらなければならない 敵は多分最高上位ランクの獲物

ギルド側もこれを見越して舞台を選んだんだろうな

これを超えなければギルドなんざ入れねぇぜドラコ」


「カーソン……」


彼は残ってる四人に伝える


「連携してやるぞ! 遅れを取るな!!」


チタン・ジュガロ・ベルバルトの顔つきは変わり 各々気合いを入れる


「ウホゥ!!!」


カーソンとドラコの背後からサル寅が迫って来た


「クソ…… 忘れてたぜ……」


「カーソン!!」


ドラコはハヌマンに背を向け サル寅に立ち向かう


「そっちは任せる 怪物は俺に任せろ!!」


「無茶だ!! 引き返せ!!」


「アンタには数えきれない勇気を貰った 信じてくれ」


「っ……」


カーソンは頬を叩き 初めて気付かされた

冒険していてしっくり来ていなかった物

世界を駆け回る上での楽しさ以前に 自由を感じていた

身寄りの無い彼には失うものが無かった筈だった だが違う

アタランテやドラコ達 血族では無い俺を想ってくれている人達がいることを


今目の前にいるのは敵 仲間が傷ついている

無意識では無く 意識的に気付けた


「今がその時 仲間を死んでも守る!!」


「「「 おぅ!! 」」」


四人はハヌマンに接近して連携技を披露する


「チタン!」


ジュガロは地面から複数のツルを生み出してハヌマンに絡み付く


「グリン・ロック!!」


ツルはハヌマンを締め上げ 完全に拘束する


「今だ!!」


チタンは有りっ丈の魔力を使い 手を前に出すと


天地圧制スコーレア・グラード!!!」


ハヌマンの周りに急激な重力場が出現し 本人諸共辺りの地面を押し潰した


「ジュガロ!! ベルバルト!! 一気に畳み掛けるぞ!!」


三人はハヌマンを囲むように移動し チタンの魔力が尽きるのと同時に一斉に技を繰り出す


ジュガロ「グリン・ランス!!」 


ベルバルト「人魚劇・火焔放射(スカーレット・フォール!!」


カーソン「夜明けの風エリク・バレット!!」


黄・赤・青 個性を活かした三属性の大技が決まる

辺りには煙が蔓延し 手応えを感じていた四人は息を切らしていた


「やったか……」


「あぁ間違いない 一方的にゴリ押しだ」


確信したその時だった カーソンがジュガロを見やると

ジュガロの胸には人の腕が煙の中から貫き その手はゆっくりと抜かれた


「おい……」


カーソンは駆け寄ろうとした だがそのカーソンにまで魔の手が忍び寄る


「え……」


カーソンの視界がぼやける


「あ…… あっ……」


首を絞められ 意識が遠のくカーソンの目には次々と地獄が見せられた


「た…… 助け……」


ベルバルトの胴体が二つに裂かれ チタンの心臓が外に飛び散る

挙句の果てにはサル寅がドラコの首をボールのように遊んでいた


「あっ…… あぁぁぁぁぁぁぁ

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「なんだこいつ まだ息があるのかぁ?」


「……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ」


「うるせぇな……」


ハヌマンが膝を上げた


ーーやめろ…… やめてくれ…… 


カーソンは遊ばれてるドラコの首を見ながら力の限り心で叫んだ


ーー遊ぶんじゃねぇ!!!!


目の前に見えるは地獄 サル寅が憎い そのサル寅が吹き飛んだ

薄れゆく意識の中 彼は見えた 英雄を

自分は英雄などでは無かった 彼こそが そう彼こそが




「まだ仲間がいたのか……」


鋭い目でハヌマンはその男を睨む


「これ…… お前がやったのか?」


目の前に立つのは ドラコの首をそっと地面に置くニクロの姿だった


「態々死にに来るとは…… なぁ!?」


ハヌマンは強靭な脚力で地面を蹴り 真正面からニクロに襲い掛かる


「死ねぇぇぇ!!!!」


鋭い爪がニクロの目に近づいた時 ハヌマンはニクロを捉えた筈だった

しかしニクロは一瞬の動きにも怯まず その攻撃を避ける


「ここまでやったら 俺はもうお前を許せねぇ」


「!?」


ハヌマンは目の前にいた筈のニクロが横にいることに驚く そして何もかも手遅れだった

ニクロは手に魔力を込め 腕をゆっくり後ろに引くと


ーー守核による魔力を最大限に集中し 一気に繰り出す大技

海賊の島で無意識に出した格上を圧倒するあの一撃を思い出せ


拳はハヌマンの腹にめり込み その場から一気に宙へと吹き飛ばす


「あがぁぁぁぁぁぁっ!!」


口から血を吹き出し 身体の組織が崩壊しながらも身動きが取れず

ニクロのもとへと急降下して行く そして彼はハヌマンの落下地点に手を翳した


「黄・青・黒・白 四色合わせて黒雷 超越荷電粒子砲〝ロキトル〟」


手の平から放たれる黒い雷の光線が ハヌマンを含む周囲に広がり焼け野原へと化した

遠くへと吹っ飛ぶハヌマンはあまりのダメージにより気絶した


「これは結構魔力を使うな…… だが戦える!!」


ニクロは拳を握り締め 自信を身に付けた



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