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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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ギルド入社試験会場6 密林の支配者


 現在滞在状況


島の東側の密林にてニクロが西に進行中

ほぼ同地点から南にホットとドルが海岸に向け移動中

束縛から解かれた先住民のワルムも同じく南に移動中

同族のラングールは西へと移動

北の山頂より 二方向へ別れて革命軍が南東・南西へと進軍中

西側の渓流よりヴェルがとある人影を追跡中

そして その人影が向かう先は




「仕掛けた罠の付近に人の気配を確認」


木で造られた手作りの家から出てきた男がカーソンのもとへと駆け寄る


「革命反士か?」


「いやそこまでは…… でも人間じゃない 動きで判る」


男の言葉にその場にいた全員がさっきと違うオーラを醸し出した

その緊張感はライト・ダルタ・イリアの三人にも伝わる


「敵なんですか?」


無難にイリアが聞く

アタランテは火を消しながら率直に言った


「姿を見れば分かる」


その目は既に闘争心の準備に切り替わっている


「俺達が様子を見に行ってくる」


カーソンの前に立ったのは二人組の男性だった



「あくまで偵察だ 危険を察しったらすぐに戻ってこい 迎え撃つ!!」



「それ俺達に言ってんのか? ……まぁ任せとけって」


「敏感と俊敏なら俺達は誰にも負けねぇ」


そう言って二人は敵の反応があった森の奥へと走って行った


「頼もしいねぇ!! 本来敵同士の筈なのに」


アタランテが銃を装填しながらカーソンに言った


「あぁ…… これだけ仲間が集まるのも奇跡だな」


カーソンは武器を片手に特定の人物を呼んだ


「コンドル ヅュガロ チタン ベルバルト

君達はこの中で主力だ いざという時に離れた場所で待機しといてくれ」


四人は頷き 拠点の範囲いっぱいに各々定位置に着く


「他は各々特技を活かして防御・回復・遠距離・接近戦と 自分に合う配置に着け!!」


カーソンの指示は滞りなく事を進め 僅か数分で陣形が完了した


ーーこの短時間で…… なんて人だ


ライトは思わず近くの受験者に尋ねる


「カーソンさんって何者?」


「知らないの? 業界の中じゃ有名だよ」


「業界?」


受験者はカーソンの方を見て憧れの眼差しを向けていた


「世界に認定されている世界七大珍品に認定されている以前の危険な分野に挑み

まだ見ぬ未知の物を探し続ける〝秘宝探検家シークレットコレクター

それが〝幸を運ぶカーソン〟ことレイフ・カーソンだ」


「秘宝探検家……」


そんな会話をしている二人にカーソンが近付いて来て勢い良く肩を叩く


「痛っぅ……!! 何するんですか!?」


「そんなことじゃギルドの社員なんて到底務まらんぞルーキー!!」


「うぅ……」


「ちなみにお前の隣にいる受験者は俺と肩を並べる冒険家

ドラコ・フランシスだ 覚えとけよ」


「え?」


「ちょっとカーソンさん! 肩を並べるとか…… まだまだですよ」


「冒険家・探検家 どっちも空白と仮説から始まるロマンがある

もうちょっと前向いて行かねぇと身が持たねぇぞ!」


「敬意は払わせて頂きます」


二人の会話にただただライトは聞くだけ そして既に数分過ぎる


「しかし遅いな……」


仲間の一人が先ほど出て行った二人が帰らないのを心配していた


「確かに……」


その場にいる誰もが不安を煽るその時だった




三十分前 


「ここら辺で良いだろう……」


「あぁ いくら共闘と謂えど そう簡単に能力見せるわけには行かねぇからな」


二人は魔力を集中させ 魔蛍を引き寄せた


「身体獣化・狼人ウルヴァリン


「身体獣化・蛇人カルヴァリン


毛が全身を覆い 骨格が獣に 手が爪に変化する

もう片方は鱗が全身に現れ 足が合わさり尻尾に 目が鋭く暗闇に光る

黄の魔法と二世代魔法を複合して超越した新世代魔法の一種

身体獣化ビーストフォルム


獣と化した二人にとって森は庭と同等

しかも各々別種なりの特化した五感を研ぎ澄まし

身を隠しながら敵を知る隠密には相当向いている

その筈だった


「人間がいるな…… 姿が見えない…… 上手いな」


すぐそこまで来ていた人影が 近距離にいる獣と化した二人の気配を感じ取る

それは少し後ろにて尾行していたヴェルも同じ


ーー中の上 気配を消すのは俺の方が上

隠れてる二人は死んだな……


人影は準備運動するなり その動きは一瞬だった


ーー!!?


狼男はその目で一瞬だが相手の動きを見た

そして場所を突き止めた瞬間を捉えたが 口を開く間も与えてはくれなかった


「え……?」


彼の視界が徐々に傾き 一定回った後そこから徐々に暗くなっていった


「嘘だろ……」


蛇男の目の前には 猿の姿をした化け物と首が無い狼男の身体だけ

化け物は不敵な笑みでこちらを見つめている


「見つけたぁ」



ーーっ!!!!



蛇男は脳より先に本能でその場から離れ 遠く遠くへと木々を駆け巡る


「ハァハァ……」


彼は必死で枝に火を熾す 狼煙を空へと立ち昇らせて仲間に知らせた


ーー危険信号!! 共闘の慈悲で知らせてやる!!

そこからすぐに逃げろ!!


狼煙を熾したのは幸か不幸か 煙は近くにいれば誰でも発見する


「っ………」


蛇男はソレを目にした時 死を悟る


「近くにいるな……」


化け物は鼻で嗅ぎながら ライト達の方へ徐々に近づく

それを見ていたヴェルは冷静に対処した


ーー勝てない


そう思うしかなかった 次元が違う

ヴェルは化け物の追跡を止め 後ろに引き返そうとした


「まだ一人いたな」


「!!」


ヴェルの前にはあのラングールが

存在に気付いたのか 蛇男の首を持って来た化け物も合流する


「ラングール? 何でお前がここに」


「仕留め切れてねぇじゃんかよハヌマン」


挟み撃ちにされたヴェルを真ん中にして啀み合う二匹


ーー逃げ切れるか……?


ヴェルは一か八かその選択を実行しようとして足を動かす

しかし気付いた こいつらは自分から目を離していない

暗殺家業で一番身に沁みている言葉を思い出す


〝 自分より強い相手が目の前に現れたら潔く死を悟れ

勝てると思うな そこが暗殺者の寿命だ 〟



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