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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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隣国ヴァジュラ4 魔蛍の種類


翌朝

オグルは五人を叩き起し さっそく修行の最終段階を教えた

眠気とダルさを隠せない五人は漏れなく拳骨を食らう


「オマらは纏蛍と魔装を覚えた

しかし魔蛍操作の基礎としてはもう一つ身に付けなければならないものがある」


「おぉ!!」


五人は既に何が始まるのか察してはいたが それを一番剥き出しにしていたのはライトだった


「そう……! 察しの通り〝魔式蛍術〟 つまり魔法じゃな」


ライトが興奮を抑えきれない中 五人は少し離れてオグルの指示のもと準備を始めた


「それじゃぁ各々魔蛍を集め 纏蛍をする直前で止めろ」


言われた通り五人は魔蛍を集めるだけ集めてオーラに変えずに留めた

周りにはそれぞれ違う色の魔蛍が浮いている


「あまり気にしたこと無かったけど…… いろんな色があるんだね」


イリアがフワフワ浮く魔蛍を手で優しく突つきながら呟く


「この色の違いこそが 今から説明する魔法を会得する上での重要な意味を表わすからな」


オグルは家の壁に貼り付けていた黒板に書き始めた


「魔法には種類がある 属性と言ってもいいが

自分に一番相性の良い種類の魔法を覚えるのが一番の近道じゃ」


オグルはどんどん話を進め 黒板にとある構成図を描いた


〝 魔蛍の力を借りて自然現象を起こす魔法

赤の魔蛍 炎と熱を生みだすことが出来る

青の魔蛍 水と風を生みだすことが出来る  

黄の魔蛍 限られた生物の成長またはそれら自身を操ることが出来る

白の魔蛍 あらゆる元素を用いている

     またその一つ一つの元素を持つ白い魔蛍が存在する その数未知数

黒の魔蛍 闇を司る禁術が多い 研究段階でその実態は明確では無いが

     その多くの魔法の中では相手を拘束する形の魔法が多くみられる 〟   


「まぁ基礎の段階ではこんなところじゃの」


「先生! 白の魔法と黒の魔法についてまったく解りません!」


ダルタの質問にオグルは腕を組んで答えた


「まだまだ知られていない魔蛍がいることに加え

超越した魔蛍 そして配合した魔蛍が存在しておるからじゃよ」


オグルは説明しながらダルタに指を差す


「ダルタが身に纏っている桃色の魔蛍は主に治癒力を得意とする魔法が使える

これら黒板に書かれている以外の魔蛍を〝二世代魔蛍〟と言うのじゃ」


先生の教えに頷くダルタ 隣から恐る恐るイリアは聞く


「あの…… ヴェル君のってもしかして…… 黒魔法ですか??」


イリアの発言にダルタも驚いた顔をしてみせた

そこにオグルの喝が入る


「無知だからこそ恐怖が生まれるのは仕方がないが

そうやってすぐ相手を化け物みたいに捉えるな」


オグルの叱咤に二人はすぐに謝罪した


「……別にいいよ」


ヴェルは黒い魔蛍を眺めながら気にも止めていない


「確かに〝堕天した魔蛍〟などと噂されることもある……

黒魔法は世間では恐れられてるのは間違いではない

じゃがそれは力を軽視して 良からぬ者の使い方が起こした結果

けして災いを引き起こす魔蛍では無いことも理解して欲しい」


三人がオグルの話を聞いてる中 次にライトが気に食わぬ顔で質問した


「ニクロの周りには色んな魔蛍が集まってるけど 何なんだ??」


「これに関してはワシも少なからず驚いておる

違う色…… 一般的には白い魔蛍が多く見られるもんだが不思議じゃのう……」


「…………」


ライトはニクロから目を逸らして軽く舌打ちするが

ニクロはそんなことを気にせずにオグルに話し掛ける


「説明は分かった それでどうすればいいんだ?」


「実際に修行に入るのは午後 それまでに家にある魔蛍の本でも読んで

少しでも知識を身につけておくんだな」


オグルの受講は終わり ライト達はさっそく本を読みに家に入った

ニクロも入ろうとした時 ヴェルから初めて話し掛けられる


「ちょっといいか?」


「?!」


ヴェルはニクロを連れて森の奥へ


「なんだよ急に」


森を抜けた木の無い広い場所に着けば ヴェルはニクロの方を振り返り


「俺はヴェル・メゾーラ」


「知ってるよ」


「メゾーラの一族は何十年も前から暗殺家業をしている 知ってるか?」


「いいや…… でも話って自己紹介か?」


「いいや違うな」


ヴェルは上着を脱ぎ捨てて上半身裸で構えた


「な……?! なんだ?」


ニクロは驚きを隠せず ヴェルはそんな時間もくれてやらずにその場から姿を消す


「…………」


ニクロは何かの声を聞き 

背後から来るヴェルの蹴りを寸止めの距離で躱した


「やはりな……」


「い…… いきなり何すんだ!!」


「いいから戦え!!」


ヴェルは次の戦闘態勢に入り 右手を後ろに引く


「〝破音〟!!」


押し出された右手からは衝撃波が放たれ

ニクロを含む辺り一帯の木々を吹き飛ばした


「フゥ……」


ヴェルが手応えを感じると横から蹴りを貰った


「うぐぅ……!」


ヴェルは後ろに下がって前方を見る そこにはニクロが無傷で立っていたのだ


ーー当たった筈なのに……


「そっちがその気なら容赦はしねぇ 俺は今死ぬ訳にはいかないからな!!」


ニクロはオーラを覆って構える


「避けたのか…… 生身であれを受けて立てる筈もないしな……」


ヴェルも構え直し 二人は睨み合う

風が強く吹いた瞬間に彼等は隙を見せない動きで互いを撹乱する


木を駆け巡り 一瞬の隙も与えない

ヴェルは常に奴の居場所を把握しながら動き

経験則に基づいて次第に距離を縮めて行った


ーーいける!


ニクロの頭上に現れ 一気に回し蹴りで決めた


「よし……!」


しかしニクロの頭は透け その直後に残像だと気付かされた


ーー残像を作れるのか……? あいつが!?


ヴェルが戸惑っているその背後からニクロが現れて


「不意打ちするような奴には負けたくない」


ニクロはヴェルの首を両腕で固めて動きを封じた


「グッ……!!」


しかしヴェルは次の一手として両爪を尖らせていた 

そんな両者の決闘を無理矢理終わらせる男が割り込んできて


「ガキ同士で殺し合いみたいな喧嘩してんじゃねぇよ!」


突如その人影は二人の首を鷲掴みにし遠くへとぶん投げた


「くそっ……!! 誰だ!!」


ニクロが立ち上がろうとしたとき

顔を挙げたニクロの前には銃口が向けられている


「俺か? 俺はホット 銃の名手〝マスター〟ホットだ

覚えておけよクソガキぃ?!」



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