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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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地下闘技場 ルランという存在


ガルバーク帝国にある有名観光スポット【ディアス闘技場】

しかしそれに並ぶ闘技場がこの国にもある


「しかし…… どれだけあるんだこの地下は?」


「フロアだけならたった六つ しかし今向かっておりますその最下階は

選手達が見せる魔蛍操作の醍醐味 〝魔法〟の熟練者が集まる場所でございます故

ステージが特殊なガラス張りに囲われていますので予めご了承ください」


案内人の指示通りに 下に降りる箱型の特殊な機械に乗る人物はただ黙って従っている


「しかし初めてこの【領界プラグマ】に来て驚いたぞ……」


「何がですか?」


「オーガ国王だよ 一人で一国の戦力と聞いていたが話が違うではないか!」


「はて……?」


案内人は首を傾げて客を見る


「惚けるな! とやかく言うのではないがこの国だけでも相当な兵がいるではないか!!」


客の言葉に案内人は思わずクスクスと笑う様を見せた


「私はただの案内人ですので分かりかねませんが おそらくお客様の勘違いでしょう」


「何だと?!」


「先に聞いている思いますが

この国には地下闘技場とギルドといった二つの魔法職の施設があります

経営者…… つまりオーナーはオーガ様に当たりますね」


「だから優秀な兵を飼育しているのではないのか?」


「…………」


案内人はまたクスクスと笑っている様が 相手への無知さ加減を刺激して苛立たせる


「貴様!! 一国の王であるこの私に恥を掻かせる気かぁ!?」


それを聞いた案内人は人間とは思えない目で睨み返す


「一国の王と言えど ここで少しでも妙なことをすれば後悔するのは貴方を含めて……

もしかすれば国全体を亡くしかねませんよ?」


その冷たい言葉に恐怖を覚える 王様は黙りこくってしまった


「フフ…… 申し訳ございません

ですがここにいる腕の立つ者達は 皆が皆オーガ様の軍門に降っている訳ではございません」


王様は震えながらも話を聞く


「こことギルドという場所は一言で言えば職場

闘技場で勝ち続ければ報酬が入る ギルドで依頼を達成出来れば報酬が入る

ただそれだけですし やるもやらぬもその人次第

大変なのはいつ死んでもおかしくない仕事ってだけですね……」


「そうか…… なるほどな……」


そうこうしてる内に特殊な機械は最下階に着き 扉がゆっくりと開いた

その瞬間に思わず耳を塞ぎたくなる歓声が響き渡る


「では ごゆっくりお楽しみ下さいませ」


案内人は機械から降りず そのまま扉が閉まってまた上へと昇っていってしまった


「どういう仕組みだ まぁ魔法か……」


王様は前に進むと受付がある場所へと向かい


AA(セカンドアンペア)にようこそ! 誰にいくら賭けますか?」


受付の人がニコリと笑顔でオッズの書かれたボードを王様に見せた


「いや…… ただ観戦に来ただけじゃ……」


手を横に振る王様を 受付の人は笑顔一つ変えずにずっとこちらを見ている


「っ……」


ーーさっきの案内人といい ここはヤバいな


王様は咄嗟に選手リストに目を通し 適当に名前を言った


「あ~~…… この〝ルラン〟と言う選手に1,0000ルピアで!!」


惜しむことの無い金額で指名し 受付の人は券を発行して王様に渡す


「今日はツイてますねお客様! ルラン選手は滅多に地下闘技場に顔を出さないんですよ?!」


「そ そうか……」


王様は急いで奥に向かいなんとか客席に座れた


「こんな事なら…… 城を抜け出さずに家臣を連れて来るべきだった」


王様が恐怖で縮こまっている間に 次なる試合が始まる空気を醸し出す


『レディ~~~す・ア~~~~~ンど・ジェントルめ~~ん!

今宵も血を魔法で流すバトルがやってまいりましたぁ!!

今回も1対1のデスマッチ!! 片方が完全にぃ~~?? 死ぬぅ~~!!!!』


王様の鼓膜が破れるくらいのブーイングが辺りに響き渡る


『大変失礼しました さて気になる選手の登場

もう耳に入っておられる方もいると思いますがさっそく登場して貰いましょう』


司会者が後ろに下がると 対になる片方の扉から一人の男が現れて


4F(フォーフロア)から上がってきた 命知らずのこの男ドル・マーフィー!!!!』


王様も周りに合わせて大声を出そうと思ったが 

さっきとはえらい違く 歓声を送る者は数えるほどしかいなかった


『ンッン~~…… さてお次は皆さんお待ちかね

現人気ランキングNO.1!!!! ルーーーラン!!!!』


その名前が出れば 先ほどの騒音が再びフロア全体に響き渡る

それと同時に向かい合わせから無表情で出てくる男と一緒にリングの上に上がった



ーーあれがルランか



「三年前 俺から椅子を奪った気分はどうだ?」


「ククク…… 必至だね~~ そんな焦ってんの?」


その言葉にドルの頭に血が上った


「今日こそお前を倒してやる」


ドル・マーフィーは全身に纏蛍を巡らせて一気に間合いを詰めに行く


「噂で訊いたんだけど君ぃ…… あのオーガに一発で伸びたらしいじゃない?」


「!?」


「挙句の果てにガルバークの例の事件を起こした青年に一方的にやられたとか??

……ごめんね 良い噂が耳に届かなくて」


「この……」


自慢の拳を連続で畳み掛けるが ルランに軽々と躱されていく

それに付け加えてルランによる言葉の攻撃は止まない


「そうそう 確かこの試合で負けたら二度とこのステージに現れないって公に言ったらしいね?」


「っ……!」


観客席から笑い声が聞こえる中

ドルは全力で移動速度を上げ ルランの腹部を押し上げて宙へと浮かせた


「可哀想だね~~ もう会えなくなるんだぁ」


宙で哀れむルランを無視し 自分の右拳に力を溜める


「いちいち人をイラつかせる奴だ!! 俺はドル・マーフィー!!

どんなに敵わない相手だろうが喧嘩を吹っ掛ける!! それが俺のキャラだぜぇ!!」


ドルは落下するルランに 溜めた拳で殴り掛かった


「苦難の壁を破ってこその俺だぁ!!!!」


ドルの拳がルランの頬に当たる直前だった

ルランはそれを躱し ドルの顔に拳を減り込ませる

顔は地面に着いた途端 顔を中心に辺り一面にヒビが入り

ルラン自身の気迫が観客席を挟むガラスにまで振動を送った


『ドル・マーフィーダウン!! 勝者ぁルラン~~!!!!』


少々恐怖を感じた観客達も一気に歓声の渦を作り上げ

ルランは欠伸をしながら帰って行く


ーーハァ…… 早くAAA(ファイナルアンペア)に格上げされないかな~~

まぁ無理か ギルドにでも行こ


ルランは退屈そうな顔で奥の真っ暗な通路へと消えた



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