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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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海賊の島11 友の名は


「アイディー!! しっかりしろ!!」


ニクロが側でアイディーの身体を摩り 必死に声を呼び掛けていた


「ん…… ぅぅ……」


アイディーは生きていたものの 気絶を免れないほどの重傷を負っている


「あの野郎……」


「さっき会った時と違って えらく口悪くなったんじゃない?」


近くにいたマッドがニクロを見ながら話し掛けるが


「俺はあの化け物を倒しに行く アイディーを頼んだ」


それを聞いたマッドは急に爆笑し出した


「本気で勝てるとでも思ってんの?」


「アイツらには色々と恨みがある 死んだ奴らの仇打ちを今するんだ」


ニクロは先程の衝撃で低くなった山の頂上から助走して跳ぼうとする

しかしマッドは瞬時に肩を掴み 彼を後ろにぶん投げた


「な…… 何すんだよ!!」


「君を死なせないって決めたんだ…… 悪く思うな」


「何だと?!」


「魔蛍操作を覚えたんだろ? 俺の後ろを通って見ろよ」


「こんの……」


ニクロは魔蛍をオーラ状に変えて体中に纏い そして構えた


ーー改めてすごいな……

しかも普通に鍛えても見られない滑らかな纏蛍している まぁ躱せばいい話だけど




一方でラウルVSアルべトス&ゲヘナ


「神級魔法!!」


アルべトスは空中にいるラウルの背後を取り 一気に攻撃を仕掛ける


「甘い……」


ラウルは即座に背後に気付き 液体状の溶岩をアルべトスに飛ばした


「……強欲なる欲望(マモール・クラウ)


迫り来る溶岩を浴びた中で アルべトスはその溶岩を神器に吸収していた


「何?」


「余所見はいかんよ~~」


地上ではあの巨大な溶岩の柱を片手で持ちながら余裕な表情のゲヘナがいた


「お返しだ!!」


その柱をラウル目掛けて本気の力で飛ばす


「くっ……!!」



ーー俺まで当たるな



ラウルは急いでその場を離れようとしたがアルべトスがラウルの身体を掴み

飛んでくる柱へと投げ飛ばした


「何?!」


「吸収した物は俺の力へと変わる……」


その勢いに逆らえないラウルは柱と衝突した


「ラウル!!」


遠くで見ていたマッドがニクロから目線を逸らしてしまった


「!?」


マッドが目線を戻せば 構えていたニクロがその場から消えている


「クソ! 何処行った?!」


マッドがニクロの居場所を知ったときには既に手遅れだった


「うぉぉぉぉぉぉ!!」


ニクロは山を下りてるのではなく 宙を蹴って一直線にゲヘナのもとへと駆ける


「??」


もちろんゲヘナもニクロの存在に気付いた


「奴隷が…… まだ俺に刃向かうのか?」


ゲヘナは体勢を立て直し ニクロを目印に猛進する


「ホビー!! 爺ぃ!! 皆!! 俺が今仇を取る!!」


二人の間合いが瞬く間に縮まる中 ニクロの拳に魔蛍が集まってきていた


「死ねぇ!! 奴隷ぇ!!!!」


「うぉぉぉああああああああああああ!!!!」


ニクロの拳とゲヘナの肘が衝突し 辺りに凄まじい衝撃が走る


ーーこの俺と互角だと!!?


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ニクロは腕を振り切り ゲヘナを海の方へと吹っ飛ばした

いくつもの建物を貫通させてゲヘナは海へと沈む

空高く登る海水の飛沫と共にニクロはその場に倒れた


「まさかゲヘナが…… 力で負けた?」


「次はお前だな」


アルべトスの遥上空

太陽の光に照らされたラウルのさらに上には島一つ押し潰す程の溶岩

もはや隕石と呼べる高次元の魔法が創造されていた


「化け物が……」


「お前より強い化け物だ…… 両親と…… そして仲間の仇」


ラウルが超巨大な溶岩石を落とそうとしたその時


「そこまでだ!!」


海上の船より ウィリアムが叫びを上げる


「やれ…… マルクス」


「はい船長…… しばらくの間お元気で……!!」


マルクスが海に浮かぶ甲板に手を当てたとき それを見た誰もが察した


「マズい!!!」


アルべトスが巨大な溶岩を目の前にして マルクスの方へと急ぎ飛んだ


「アイツは確か…… 魔法都市由来の高度な転送魔法を使う……」


ラウルもマルクスが何をするのかは大凡おおよそ察していた それはマッドも同じで



ーーしかも甲板には魔法陣 どれくらいの範囲の者を転送させるつもりだ?!!



「いけるかマルクス?」


「条件は〝人間〟 場所は〝無差別〟 これが精一杯だが確実です」


マルクスは辺りの魔法陣と呼応した



「転送!!」



その瞬間一人一人の身体が光り出し 次々とその場から姿を消していく


「クソ…… ニクロ!!」


ニクロを担いでいたマッドが先に消えたので ニクロはその場に落とされた


「うっ…… アイ……ディー……」


やがてニクロの姿も消え この島及び近海に浮かぶ船を含め 誰一人として人間はいなくなった




数日後 海賊の島を見つけたルシファード教会の援軍は奇妙な光景を見た

争った形跡があるのに死体一つすら発見されない

アルべトスとゲヘナ率いるルシファードの一団全員が行方不明

また海賊は全員海の底に沈んだものと処理されたが今も尚捜索中である


噂は流れ その海賊の島周辺を〝魔の海域〟と怖れられた




ニクロは長い夢を見ていた アイディーと二人で海賊をやる夢

その後ろにはホビーや老人を先頭に奴隷だった皆と楽しく航海しているそんな夢

しかし次々と皆は消えていく

魘されるように起きたニクロは 知らぬ景色の浜辺に引き上げられていた


「うっ…… アイディー…… アイ…… ディー……」


ニクロは必死でアイディーの名前を呼んだ後 力尽きて気絶した


すると 遠くから一人の男がやって来る

男は気絶するニクロを担ぐなり 栄える国の方へと歩いて行く


この出会いが ニクロの新たな冒険の幕開けとなるのだ



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