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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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海賊の島5 海に浮かぶ恐怖


あちこちに爆発音が鳴り響く中

ニクロは危険を顧みずアイディーを探していた


ーークソ…… どこだアイディー……!!


ニクロが港近くの建物の密集地を走ってると

襲って来る奴隷を斬り刻んでいるあの女海賊二人がいた


「ハァハァ…… 次から次へと……」


「アン!! これじゃキリがない 船も心配だし突っ切ろうよ?!」


「部下に負傷者がいる…… ボニー!! あなたが先に行って先導して!!」


アンは襲い掛かる奴隷を斬り進みながら道を開けた


「必ず合流するよボニー」


「アン……」


ボニーは動ける部下を連れて船まで走る


「……にしてもウジャウジャとゴミ虫みたいだね~~ アンタ達?」


息切れしながらも必死に襲って来る奴隷達

絶望と恐怖を兼ね揃えた死んだ目の集団をアンは片っ端から突き刺していく

その時後ろにいる負傷した船員が辛くも立ち上がり 弱々しい声でアンに言った


「船長…… あなたも先に…… 俺のことは見捨てて下さい」


「馬鹿言ってんじゃないよ!!」


アンは剣を左に持ち替え 短剣を鞘から抜く


「「「「「 うおぉぉぉぉぉ!!!! 」」」」」


無我夢中に襲って来る奴隷にアンは正々堂々と立ち向かったその時


「ぐぉぁぁああああ!!」


後ろから奴隷が次々と斬り吹き飛ばされた


「アンタに助けられる覚えは無いよ? イングラン」


「んなわけねぇだろ!!」


イングランは大剣を振り上げ

その焼け垂れた肉体で敵を残虐なまでに斬り刻む


「大事な船員は全部失った!! こいつらの所為でな!!!!」


「じゃあウチに来るかい?」


アンは軽い冗談を言ったが イングランには全く耳に届いていなかった

数分も経てば辺りは血の海になっており その中心にイングラン達だけが立っていた


「気が済んだかい?」


船員を連れ 建物の上に避難するアンの声にイングランはようやく耳を貸す


「お前の船も 既に沈んでるかもしんねぇぞ?」


「何言ってんの? こんな時もあろうかとちゃんとボニーの魔法で船をコーティング

つまり魔装で耐久性がアップしてるからそう簡単に壊れないわ」


「チッ…… それよりあそこにもう一匹るんだが」


「あぁあの子でしょ? 隠れてないで出てくれば良いのに」



「…………」



ニクロが恐る恐る出て来ると その後ろから走って来たアイディーに押し飛ばされた


「皆さん!! 良かった…… 船を裏に避難させてください

一点に集中してこの包囲網を突破します!!」


「そうするしかないわね…… イングラン アンタはどうすんの?」


「このまま黙って逃げるわけねぇだろ 同肪の仇…… あの船全部沈めてくる!!」


一人突っ走るイングランをアンが止めようとしたとき

目の前の海の惨劇に その場にいた四人全員が思わず目を見開く


「ウソだろ……」


「……アイディー あれ何?」


目の前には巨大な顔を並べた巨人の群れが海を渡って来ていた


「おいおい…… 何体いんだよ」


イングランも思わず足を止めて巨人の列を見入ってしまう


「ボニー!! 皆!! 逃げてぇぇぇ!!!!」


アンが何度叫ぼうとも船には届かない




港近くのアンの船では


「砲撃用意!!」


「ボニーさん逃げましょう!! あの数は無理ですって!!」


「私の魔法をナメんなよ ある程度の攻撃ならビクともしない 中に入ってれば大丈夫よ」


ボニーは船員に危機感の欠片も無い無邪気な笑顔を見せ 船の強化に努める


「砲弾を入れた者から次々と撃て!!」


砲撃は近くにいた巨人目掛けて命中した しかし煙が晴れると同時に絶望する


「まるで効いてない」


「ヴォォオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


巨人は叫び声と共にその姿は陸に近付くにつれてその巨大な全身を露わにする

全長約20m 船員全員が見上げる巨人に対して恐怖でしかない


「に…… 逃げろぉぉ!!!」


船員は次々と船を降り 島の奥へと逃げ出した


「お前達!! 戻って来い!!」


「敵いっこないっすよ!! ボニーさん!!」


船員が説得するも ボニーはその船員を殴り飛ばした


「私は…… この船と船員(クルー)を守る アンとの約束だから!!」


巨人は目の前で拳を振り上げた


ーー来るなら来い巨人!!


「ボニー!!!! 逃げてぇぇぇ!!!!」


アンの目の前でボニーの乗っている船があっさりと 巨人の拳によって押し潰され全壊した


「ア…… アン…… 姉さん……」


ボニーは船内で無残にも目を瞑った


巨人はそんなことも知らず 奴隷として必死に船を粉々にする


「ボニー……」


アンはその場に項垂れる


「巨人まで連れて来るとは どんだけやることが違うんだ七大国の勢力は……」


「取り敢えずイングランさん ニクロと私はアンさんを担いで行くから先に避難して」


アイディーがアンのところに行くと アンは何やらブツブツと呟いている


「アンさん……?」


「ぶっ殺してやる…… ぶっ殺してやる……」


突然アンは剣と短剣を拾って立ち上がる

アイディーはその彼女の目から流れる涙に何も言えなかった


「いいねぇアン!! その目が見たかったぜ!!」


大剣を振り回しながら奮起するイングランと共に巨人の方へと走り出した


「二人共!! 無茶です!!」


アイディーが止める暇も無く 二人が突き進む姿にニクロは少しだけ高揚していた



「あれが…… 海賊……」



刈り取る無愛の茨(ラヴァーウィップ)!!」


烈火の大剣(フレア・バスター)!!」


アンの短剣は長い茨に形を変え イングランの大剣は炎を纏う


「あれが魔法……」


「そうだ…… ニクロ!! 一先ず俺達は避難しよう」


「アイツらはどうすんだ!?」


「聞かないさ 自分の意志を曲げないそれが海賊だ」


ニクロとアイディーがそのまま後ろを振り向くと そこにはクロガネがいた


「フフフ…… アハハハハハ!!!」


「クロガネ……!? 何でここに…… 早く避難しろ」


「はぁ!? 何言ってんの?? 俺達だけは見逃す契約になってるから大丈夫だよ?」


「何を言って……」


ニクロが唖然としていると 急にアイディーはニクロの前に立ちはだかり剣を構える


「まさか…… お前ぇ!!!?」


「フフフ…… 意外と楽な仕事で十分楽しめたぜぇ?!」



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