海賊の島1 10人の海賊達
特別な海流に乗らなければ辿り着けない島
ここは数年前から複数の海賊の縄張りとなっていた
島の山中には海賊が作り上げた町があるという
その先を進むと特別な人物 つまり海賊の船長しか入れない秘密の部屋があった
「ここだ入れ」
数名の海賊はその部屋へと招かれた
そこには見たことがあるような大物の海賊達が一つの大きなテーブルを囲んで座っている
「来たなゴロツキ!! お前等みたいなクソガキが本来立ち入るとこじゃぁないんだぞ?」
「うるっさいよイングラン!! 声がデカいだけで有名な海賊のクセして!!」
「あぁ!! なんだと!?」
「落ち着きなってアン!! うるさいのは分かるけど……」
テーブルを挟んでいがみ合う一人の海賊と二人の女海賊
そして他はだんまりしている六人の海賊達
「よく来てくれたな クロガネ海賊団!!」
突如奥の扉から声が聞こえるなりその場の空気が静かになる
「よく勧誘して来てくれたなアイディー」
「六番船指揮者として当然です」
奥から現れたのは巨漢の体形に長い髭を生やした大男だった
アイディーはその大男に忠誠を示し 隣にいる海賊を紹介する
「改めて新たに同盟を組んでくれた噂の超新星〝鬼鉄〟のクロガネとその一味だ」
クロガネはそのまま黙っていたが後ろにいるメタラスが頭を掴んで無理やりお辞儀させた
「何すんだ…… メタラス」
「こんなとこにまで来て全員敵に回す気か?」
「…………」
「ワハハハハ!! 優秀な部下を持っているな……
では本題に入る前に同盟のメンバーを紹介しよう マルクス!」
マルクスと呼ばれる男はテーブルの奥に立ち 一人一人を愛想良く話し始めた
「まず奥に座るこちらは ハーグホック海賊団
船長〝商船狩り〟アリーゴ・イングラン 懸賞金1,8000ルピア
そして向かい合わせの二人は ワンビュースナディア海賊団
船長〝豪遊魔性〟アン・メアリー 懸賞金1,4500ルピア
副船長〝百色気性〟ボニー・リード 懸賞金9500ルピア
次に……」
「あ! 俺の名前はいいから~~」
マルクスが話しているところに割って入ってくるイングランの隣に座る男
「一応信頼を得る為の一つ 名前くらい教えても良いだろう?」
「お言葉ですがウィリアム船長殿 名前を知られるのも命取りですよ?」
「……つまりお前は まだこの中の誰一人信用してないということか?」
「そういうことですね」
ウィリアムがその男の話を聞くなり 悲しそうな顔を見せた
「では他の者を紹介してやれ」
「……わかりました」
マルクスはその男の紹介を飛ばして次の海賊の名前を言おうとしたとき
「あ! やっぱり紹介しても良いぜ!」
「面倒くせぇ奴だなてめぇは!!」
まだ名前が出ていない船長の内の一人が奴目掛けて酒を投げつけた
「…………」
酒をモロに浴びた男は少しの間を置いたかと思いきや
瞬時に剣を抜き 酒を投げた男の首目掛けて突き刺した
ーー…………
二人の間に入り 一直線に走る剣を手で止めるマルクス
「!!」
マルクスの手のひらに剣が貫通していたがマルクスは顔色を変えず
振り回した男の剣をそっと納め 定位置に戻った
「「 ………… 」」
二人は気に食わぬ顔をしていたが すぐに大人しくなる
「さすがだなマルクス」
「ありがとうございます では紹介を続行します…… していいですねマッドさん?」
「……どうぞ~~」
「えぇと…… 名前が先に出てしまいましたが 改めてこちらがマッド海賊団
船長〝黒旗〟マッド・チェイサー 懸賞金2,2000ルピア
次にいがみ合っていたもう片方は 蔡拳王会〝水軍〟
棟梁 蔡 懸賞金1,7800ルピア
そして残り四名
〝道化師〟ゲージィ・クラウン 懸賞金1,4400ルピア
〝ギャング闇氷〟グリル・タンク 懸賞金2,0000ルピア
〝不老不倶の外道〟センジュ・〝オロチ〟・カケル 懸賞金7400ルピア
〝雷喰〟アライブ・バンベッカー 懸賞金1,5000ルピア
そして我らがドラモンド大艦隊提督
〝トルトゥーガ〟エドワード・ウィリアム 懸賞金2,8000ルピア 以上です」
「覚えたかね超新星?!」
「……あぁ」
クロガネ率いる後ろにいる船員達は真っ青な表情で統一しており
まともに話そうなんて考える奴は一人もいやしなかった
ーーここら辺じゃぁ懸賞金アベレージは約1,7000ルピア
格が違う…… 考えが甘かった 俺の目の前には相当ヤバい連中が揃っている
クロガネが黙り込んでいると後ろから手を挙げる一人の男がいた
「あの…… ここいる人って皆強い奴らばかりなのか?」
「「「「「 !!!! 」」」」」
テーブルを囲んで座る全員が反応した この状況でしかも下っ端が話そうとするなど
「誰だ…… 前に出て来い」
蔡が手を挙げた奴を前に呼んだ そしてそいつは前に出て来た
「テメェ…… 名は?」
「ニクロだ」
「そうか……」
イングランは席から立ち上がるなりニクロの方へと向かって歩いていく
そしていきなりニクロの脇腹を蹴り飛ばした
「うっ!」
ニクロは隣の壁まで吹き飛び 壁に強打して床で悶え苦しんでいた
ーー前にも見た光景だな……
ただ見ていたクロガネ達を横切って イングランはニクロの髪を持ち上げる
「誰に向かって舐めた口聞いてんだ あぁ!!?」
「うっ…… あぁ……!!」
手出し出来ないニクロにイングランはもう一発殴ろうとした瞬間だった
「止めろ……」
イングランの腕を掴んだのはアイディーだ
「こんなゴロツキを庇うのかぁ? ドラモンド六番船指揮者様はよぉ?!」
アイディーは腕を強く握り 間を置いたイングランは殺気を沈めて渋々ニクロを離す
「こいつは特別なんで 手出し無用で頼む」
ニクロを起き上がらせ 自分の背後になるよう移動させて守った




