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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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無法の俗領島2 狡猾無慈悲のゴロツキ


長い髪を靡かせながら走るアイディーは港へと向かっていた

よく見ると他にも何人かの野次馬が 一斉に港に走って行くのが目に入ってくる


「海賊ゲーム! 面白いものが見れるかなぁ!?」


アイディーは感情を抑えきれずニヤニヤしながら港に走った




芥の集会場南の港


「名を聞こう」


勝負を吹っかけた男は地図を持ってる男に名を聞く


「俺はブルーチェスだ! チェスと呼んでくれ」


そういうとチェスは相手の男に手を差し伸べた


「ルールは知ってるようだなチェス……」


「両者のゲーム承諾の証である握手など 当り前に知ってるわ!!」


二人を前にニクロは隣にいる海賊に聞いた


「海賊ゲームって何だ?」


「はぁ!?」


隣の海賊はゲラゲラと手で頭を押さえながら笑った


「海賊同士のモノとモノを賭けたゲーム……

まぁお前みたいなガキとは無縁の大人のゲームだ!!」


「…………」


ニクロは久々のイラつきを覚えたが すぐに二人の方へと視線を戻す


「俺はクロガネだ よろしく」


クロガネが手を差し伸ばした瞬間の出来事だった

チェスは目を見開き 顔からは大量の汗が湧き出てくる


「なっ…!! なんだと……」


クロガネの後ろからは五十を超える輩がぞろぞろと集まって来る だがそれだけで終わらない


「後ろを振り向いてみな?」


チェスは驚く顔を維持しながら恐る恐る振り返ると

その振り返る先に仲間になった筈の船員全員がチェスの隣を横切ったのだ


「お前等……」


「クククッ…… さぁ七十人vs一人……

始めようか? 海賊の攻守奪還戦(ヒューマン・バスカード)!!!」


クロガネは豹変した不気味な笑みをチェスに見せた


「あっ…… ク…… クソ!!」


チェスは我に返ったのか クロガネの手を解いて剣を抜く


「こんなイカサマ誰が乗るかよ!!」


「おいおい…… イカサマなんてやってないだろ?

握手する前にこちらの人数を確認しないお前が悪い」


「ふ…… ふざけんじゃねぇぇぇ!!!」


同時刻にアイディーは港に着いた

それはその場にいる誰もがゾッとする凄惨な光景の始まりだった


「え……?」


アイディーは少し遠くにいながらもその光景に驚きの表情を見せる


「な……」


チェスは剣を振り下ろし 確かに相手の胸を斜めに斬り裂く手応えを感じたが


「あれが…… 魔法……」


周りの海賊達が見る先には 切り口から出る筈の血では無く溶けた鉄の様なものが流れている

そして当のクロガネ本人はケラケラと笑っていた


「あれは…… 何なんだ?」


「魔法さ……」


「!?」


ニクロは隣にいる人の良さそうな海賊の方を振り向く


二クロ「魔法!?」


海賊「あんなゴロツキになぜ体得出来たのかって程の珍しい魔法だが

他にあんな得体の知れねぇ身体 説明できるかよ……」


クロガネ「フフフ…… 手を出したな?

穏便にお前から奪い取ってやろうとしたのによぉ」


「ぐ…… うぅぅ……」


その場から動けないチェスの顔に クロガネの魔の手が近付く


「ゲームのルールに背いた罰だ 暗闇の中で悶え苦しみながら懺悔してな!!」


手からは灰色の液体が徐々にチェスの顔に纏わりつ付く


「うごぉ…… やめ……」 


やがて液体は顔を全て覆った

息が出来ないのか チェスの首から下はバタバタと藻掻く動作をしていたが

時間を置く毎にその元気は無くなっていった


数分後 痙攣した身体を液体ごと地面に落として

クロガネは何事も無かったように地図を拾い上げて部下のいる方へと帰っていく


「クロガネ……」


ニクロは彼の姿から目を離すことは出来なかった

恐怖からなのか そんな状態が解けないまま隣の海賊に聞く


「アイツは何者なんだ?」


「この町に来る海賊の中じゃ知らねぇ奴はいねぇ……

ゴロツキでも関わっちゃいけねぇってのもこの町の〝暗黙の了解〟の一つだ

付いた異名は狡猾無慈悲〝鬼鉄(キテレツ)のクロガネ〟」


「キテレツ?!」


「頭がキレて文字通り鬼のような奴だからその名が通ったらしいぜ」


「…………」


ーーあれが爺ぃが言ってた鬼か…… 初めて見た


「よ! ニクロ!!」


「お前はアイディー!」


ニクロの背後からアイディーが寄って来て


「お前はアイツ知ってるのか?」


「まぁね…… この島にはよく来るし 知らない方がおかしいぜ」


「……そうか そういえばアイツらは海賊じゃないのか?」


「そうだと思うよ」


「船貸して貰えるか頼んでみる」


「え??」


ニクロは町の方へと一直線に歩き出した


「ちょちょ……!! 待て待て待て!! 本気か!?」


「本気だ! 早いとここの島から出たい」


「島から出て何処行くんだ?!」


「…………」


ニクロは足を止めた アイディーは追いついてニクロの顔を見て悟った


「お前…… どっから来たんだ?!」


「なんで?」


「お前の顔を見れば分かるよ 並の生き方はして来なかったみたいだね……」


「…………」


ニクロは近くの樽に座って空を見上げながら言った


「海賊ってさぁ…… 自由なの?」


「……?? まぁそりゃぁね!! 何物にも縛られないし自由にやりたいことが出来るな!!!」


「……俺の友達にもさ 海賊を見たことは無いけどそれに憧れていた奴がいたよ

そんでお前と同じこと言ってた」


「……そうなんだ」


「結局そいつは 自由を勝ち取る前に死んじまったがな……」


「…………」


ニクロとアイディーは共に黙り込んでしまった

数分が経ってニクロは立ち上がる


「んじゃ俺は船を貰ってくる 海賊よりゴロツキの方がまだマシだろ?」


「俺も行くよ」


「はぁ?」


驚くニクロの頭をアイディーは突然落ちてた木の枝を拾って叩いた


「んなっ!!?」


「お前さ 俺の二つ目の質問に最後まで答えなかったな」


「…………」


「この際どうでもいいが 分かったことはお前は常識と礼儀を知らない

どうしようもない馬鹿だってことだ」


「っ……」


「俺がそいつらと交渉してやるから 分かったな?」


「別に助けなんか……」


「…………」


アイディーはもう一発殴った


「痛てぇって言ってんだろ!!!」


「いいから行くぞ!!」



ーー何なんだ…… こいつは……



アイディーが先頭切って進み その後ろをニクロが付いて行く

二人はクロガネのアジトへと向かった


「そう言えばアイディー アイツの居る場所知ってんの?」


「じょ…… 情報収集からに決まってんだろ!!」


少しずつ向かっている 筈



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