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それぞれの旅立ち1 極微な和解


ーールーナイトは死に この国は少なからず救われた

しかし数々の問題は残っている

大会は勿論中止になり ルドレインもといドレイルの過去の過ちも露呈する

僕の見せた魔法で全国民に知られてしまったからね……

あとは俺達の存在 革命反士ってとこっすかね?


「な~~にやってんだテメェはぁ!!?」


「皆さん待望のクロサギナレーションっすよ~~?」


「力は未完だった 早くズらかるぞ!!」


「はいはい……」



「待て……」



颯爽と絨毯に乗って島を離れようとするジャミラとモルブエの背後に一人の男が立っていた


「あぁ?? 誰だてめぇ?」


「この事件の元凶を易々と逃がす訳にもいくまい」


その男は愛用の銃剣を構えた


「炎豪の誓いを奉り 制約と盟約を守る烈火闘神よ 我が身に纏え!! アレス!!!」


神衣を纏い 銃剣が斧型の神器へと変わる


「神級魔法……!!」


「ちょちょちょ…… ちょっと!! ヤバいですよあれ!!」


慌てるモルブエを押し退けてジャミラが前へと出た


「上等だ!! かかってこい!!」


ジャミラは片手に黒い魔蛍を集め 大きく腕を引き

一瞬の間から二人の技が放たれる


「ブラッティ・ライトガン!!」


右手の圧縮された黒いエネルギー弾が 神衣を纏う男に飛ばされた


「先輩!? あんなんで倒せるんすか!?」


「猫騙しだ!! 今のうちに逃げるぞ!!」


飛んでくる黒い物体に物怖じせず 逃げる二人の距離に軽々届く巨大な斧は生み出される


戦闘神の巨大斧(アレスフォード・サイガ)!!!!」


ジャミラに狙いを定めた斧は徐々に巨大に拡がり やがて海を真っ二つに裂いた


「クソォ!! モルブエ!!」


「はいぃ~~!!」


一寸の差で斧の下にいたモルブエが得体の知れない魔法を発動し 一瞬にして二人の姿は消えた


「チッ」


「ホント…… 革命反士のことになると顔が怖いなゼル」


「ハァ…… 傷の方はいいのか? ゴルクレット」


「あぁ 列車は出せるのか?」


「さすが…… 仕事熱心でよろしい!!」


普通の姿へと戻ったゼッペルは やり切れない思いを残してWCTへと戻った




闘技場での大会 ルーナイトの復讐といった波乱万丈な一日から約三日後

王宮の大浴場ではラウル・ボルマー・マッド・ヴァース・ケルトの五人がお湯に浸かっていた


マッド「ハァァ~…… 二日連続で大浴場に入れるとはついてる~~!!」


ボルマー「お前海賊だろ?! なんで王宮に入れんだ?」


マッド「国を救ってくれたから目を瞑ってくれるんだってさ」


ボルマー「だったら手下達も入らせてやれよ……」


マッド「参加したの俺だけだし~~

イカつい連中までゾロゾロと入られたら王宮の人ビビるでしょ?」


ボルマー「ケッ……!」


ヴァース「君達さ…… 風呂入ってるんだからもうちょい静かに出来ないの?

こっちは最後の最後まで戦ってヘトヘトなんだよ?」


マッドとボルマーが言い争ってる隣では

ヴァースとラウルが壁に凭れながら入っていた


「…………」


「戦が終わったのに何思いつめた顔してんのラウル?」


「いや…… 別に……」


ラウルの浮かない顔に疑問を持つヴァースだが その間を断つかのようにケルトが突然口を開いた


「ヴァース殿 ラウル殿 そしてサベル マッド殿も 今回の一件改めて礼を言わせて貰う」


ケルトは風呂から上がり 床に頭を着けて深い土下座でお礼を表した


「やめろよみっともねぇ」


「いや…… 事実私達が着いた頃には何もかも終わっていた」


「…………」


「私達はこの国の者でありながら最後まで何も出来なかった……」


ケルトの言葉に ボルマーは何も言い返せなかった


「自分を否定ばかりするな…… ケルト」


浴場の入り口からドレイルとヴィーラが同席する


「ドレイル……」


「…………」


二人の間に沈黙が流れる


ラウル「何あの二人?」


マッド「ラウルは記憶見てないのかい?」


ボルマー「こいつあん時は気失ってたからな」


ラウル「え?え? 何?」


マッド「実はね……」


マッドはラウルの耳元で記憶の映像の内容を話した


「…………」


ラウルは風呂から上がり ドレイルに向けて思いっ切り殴り掛かる


「おい! ラウル!」


「アイツを止めろ!!」


ラウルの急な行動に誰も反応出来ず ドレイルの頬に拳が入った


「うっ……!!」


ドレイルは後ろに飛ばされてラウルも前に転ぶ


「どうしたんだラウルの奴は?! まさかまたあん時の!?」


「いや…… この前とは雰囲気が違う筈だが……」


ラウルは立ち上がり またドレイルの方へと歩き出す

そこにヴィーラがラウルとドレイルの間に割って入る


「やめなさいラウル君!!」


「お兄さんもあの男に地獄見せられたんじゃないの?」


「……!?」


ラウルはヴィーラを素通りしようとするが 彼は肩を掴んで必死に引き留めた


「「「「 ………… 」」」」


その光景を風呂に入っている三人と そしてケルトもまた様子見の体勢

そんな中でドレイルが立ち上がればラウルのそばまで歩いた


「君は…… ルーナイトのなんだね?」


ドレイルのいきなりの言葉にその場にいる全員が驚く


「どういうことですか?」


ヴィーラの質問に耳を貸さず ドレイルはラウルをジッと見つめる


「友達」


「……そうか」


ラウルの返答を受け取ると ドレイルは床に膝と頭を擦り付けて謝罪した


「いけませんぞ王!! 王たる貴方が床に頭を着けるなど……」


近くにいた家臣が全力で止めに入るが


「いいんだ! それにこれはケルト・ボルマー・ヴィーラ お前達にも向けてやっている」


「「「 ………… 」」」


「今ここで私を殺しても構わない

だがもし命まで取らないと言ってくれるのであるならば

このドレイル・ルド・イレフにこの国を守る〝努め〟を貫き通させて欲しい!!」


「……頭を上げろ」


ケルトがドレイルの前に立った


「ケルト……」


そして突然ケルトはドレイルの頭にチョップを入れる



「「「 ?!!! 」」」



「な……?!」


「フン…… 勘違いするなよ お前の事は一生許すことはない」


「…………」


ケルトは独り言のように言葉を発しながら風呂に浸かり直す


「お前がどこまで反省しているのかは分からんが…… たまには王の墓参りにでも行ってこい」


「ケルト……」


ドレイルの涙は床に流れるお湯と同化した

全てをお湯に流すことは出来ないが 時の流れに彼らも立ち止まる事を許されず

払拭出来ない過去を背負ってまた 一歩ずつ進むのである



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