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始まりの国8 謝罪と制裁


「……よく見ろ」


「…………?」


ルーナイトに向けてラウルは太刀を突き出した


「お前の母さんが今ここにいる 見えないか?」


「……!」


ルーナイトの心が一瞬揺れたように見て取れたが

ラウルの前で何かを掴むような動作をするルーナイトは悲しげな表情で持ち直す


「どこにもいないじゃないか…… 馬鹿にしやがってぇ!!!!」


黒い波動がラウルを巻き込み 遠くの建物ごと破壊した


「……もう(ひかり)が見えないんだな」


砂煙から徐々に顔を出すラウルは哀れんでいた

周りにいる全員 あのオーガまでもが無傷のラウルの姿に驚く


「ホント謎だらけ 興味がそそられるよ」


闘技場から観察していたマッドもまた 驚きながらも少し高揚している




広場では負傷している者達や戦闘の準備をする者達が待機している


「これで応急処置は完了だが 片腕が駄目になってる妖雷さんを戦場に出すのは厳しいでしょう」


「むぅ……」


「動ける人達はどれくらいいますかね……」


手当てをしている趙炎を後ろからずっと見ている妖龍と妖刹

隣にはヴァース そしてその後ろにボルマー・ミルク・ヴィーラ・負傷したヒズチ

少し離れた場所にはガタルゴとそれを看病するチャゴ


「三人は動けませんね……」 


「俺達には…… 倒せねぇんだよ……」


「!?」


不意に発したボルマーの言葉に ヴィーラとミルクは強く反応する


「だってよ…… 次元が…… 違い過ぎるぜ……

神の力もねぇ俺達が行っても正直足手まといだ」


あまりにも弱気なことを言ったので二人はドン引く


「似合ねぇよ? 筋肉バカ」


「確かに」


多少の笑みを浮かべた二人に対して 妖龍は怒鳴り散らした


「自国が大変なときによく笑ってられるなぁ?!」


妖龍の怒声にヴィーラは軽く返す


「ホントおかしなものです 隠されてた記憶が一気に戻ったので気がおかしくなったんですね」


「……んでどうする? ラウルと怪物みたいな国王は今戦っているぞ?」


ミルクが割り込んで現状を軽く突き付け


「俺らもさっきの戦いで魔力を予想以上に消耗したからね

会長とヴァース殿くらいしかいませんね」


妖刹は妖雷から目を離し 妖龍とヴァースを見た


「俺は独自で身に付けた魔法だけあってあの怪物には勝てない

この中で勝てるのは今動ける そして神の力を使役する貴方方二人だけです」


「いやぁ俺も強い魔法何回も使っちゃったからねぇ…… 今行っても倒せるかどうか……」


「俺は行く このままでは火女桜の名が汚れに汚れる」


そう言って一人で闘技場の出口へと歩いていった


「私も戦う!」


闘技場に現れた一人の剣闘士


「モルガナ!」


ボルマーは不意にモルガナのもとへ走った


「何? あいつら知り合いだったの?」


「そうみたいですね……」


ミルクと趙炎は唖然としながら二人を見ていた そんな二人にヴィーラが説明する


「サべ…… いやボルマーさんはモルガナ様の叔父にあたりますね」


「「 え!!? 」」


二人はヴィーラを見た後 二人を再度確認した


「叔父までになるとさすがに顔までは似ないのか……?」


「それはちょっと失礼ですよミルクさん」




「モルガナ……」


「おじさん…… 過去の記憶を見たよ」


「…………」


「ありがとう…… ケルトおじさんは?」


「……すまなかった 兄貴や義姉さんを守れなくて」


「え……」


ボルマーは地べたに膝と頭を付けて


「俺は……!! お前の家族を誰一人……」


それを聞いていたモルガナは そっと肩に手を添える


モルガナ「その話は後にしてよおじさん!! 今は国を守らなきゃ!!」


ボルマー「モルガナ……」


ケルト「お前よりもずっと立派だな…… そう思うだろサベル?」


二人の前にケルトも現れる


モルガナ「ケルトおじさん!!」


ケルト「なんだボルマー? 俺達じゃ次元が違うとか言ってたなぁ……?

王の倅とは思えない言い訳だが?」


ボルマー「うっ……!!」


ケルトは目線を逸らし ヴィーラの方へと足を運ぶ


「父上……」


「ヴィーラ…… ずっと一人にしてすまなかったな アビアは無事か?」


「はい……」


「そうか…… 今までよくぞ よくぞ国を…… 娘を守ってくれた……」


「父上…… 父上……」


涙を拭いながらヴィーラは何度も自分の父親の名を呼ぶ


「ボルマーさん! 行きましょう!!」


「……あぁ 自分の国は自分で守るんだ」


ボルマー達は団結となってルーナイトのもとへ走り出した


ミルク「さぁて…… 俺はどうしよっかな~~」


趙炎「俺は妖雷さんを見てなければいけないので……」

ヴァースさんはどうするんです??」


ヴァース「俺も行かなきゃ 国の代表で来てるんだしね」


妖刹「ここは趙炎に任せるぞ! 俺も行く」


ヴァースと妖刹が現場に行くことを決心するがミルクは揺らいでいた


ーーこのまま逃げてもいいんじゃね? なんか報酬も出なさそうだし

てか依頼の規定範囲外の事をやらされてるよな?


ミルクはいつもならここで楽な方を選ぶのだが


「少しでも手柄を作っといた方が良いか…… 母さんに電気流されたくないしな~~」


彼女も渋々ルーナイトのいる方へと向かった




市街地南


「お前は…… なんなんだ!?」


「お前から頼まれたんだよ…… 母親からもお前自身からもな」


ラウルの言っていることは当然意味が分からない 湧いてくるのは怒りしかなく


「トーラ・ロストゥルー!!」


手のひらを上に掲げ その先から超巨大な雷の剣を精錬した


「なんて大きさだ……」


ラウルの後ろで倒れていたドレイルがふと呟く

それとは逆に近くで見ていたオーガは興奮を止められないでいた


「いいねいいね!! こんな力は久しぶりに見たわぁ!!」


宙を移動してルーナイトの正面まで飛ぶ


「邪魔をするな!!」


太刀に帯びた光がラウルの両足に流れた途端 その異常な脚力でオーガのいる空中まで跳んだ


「まだ俺に逆らうか?」


「従ったつもりは無い!!!!」


「よかろう!!!!」


オーガは拳を後ろに引いた ラウルは太刀を使わず蹴りの体勢に入る


「破波津膨創 豪拳!!」


大砲の如き放たれた拳をラウルは光の纏った脚で正面から受け止める


「何なんだこの力はぁ!!!! 溜んねぇなおい!!!!」


フルパワーの一撃を 死に物狂いで受け止めるラウルは既に次の攻撃へと入っていた


「 聖我流 愛業(なりわざ) 」


オーガの胸に太刀をそっと触る感じで静かに当てた瞬間


「 御母の叱(イヴ・ジャジメン) 」


瞬く間にオーガは大陸を越えて海の果てまで吹き飛ばされた



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