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始まりの国6 集結


海岸沿い付近

国の多くが避難している場所を颯爽と突っ走る一人の少女


「ハァ……ハァ……!」


ーーラウル…… 待ってて


「メモルさん! 一体どこへ……?」


謎の男が必死で呼び止めようとするその時 大柄の大男にメモルの身体がぶつかる


「あ…… すみません!」


「あぁ?」


大男がメモルの肩を掴み 怒鳴り散らして来た


「こっちは大会中止になって機嫌悪りぃんだ!! ちょっとこっちで話しようかぁ?!」


「……通して下さい」


メモルは冷静な目で大柄な男の目を見る


「あんだとぉぉぅっ!!」


「おい……! 八つ当たりはよせって……」


仲間の一人が引き止めるが まるで聞く耳を持とうとしない大男の態度はさらに悪化する


「おいもう一遍言ってみろ……?」


「通して下さい! 私は行かなければならないんです!」


その瞬間を気付く者もいなかったが メモルの眼光が空白く輝いて周囲に冷たい風が吹かしていた

大柄の男達はそれに気付いていない


「……そうか」


腰の剣を抜き メモルの眉間に刃先を突き出す

仲間は飽きれて目線を逸らし 構ってられないと背を向けていた


「……ガキだからって口の利き方を教えてやる」


振り下ろされる剣がメモルの頭上寸止めのところで大男の顔面に拳が入った


「うがぁぁあぁぁぁぁぁ!!」


メモルの前には地面にのた打ち回る鼻を押さながら悶えている男が


「……!!」


「お前の前向きさに背中を押された」


「え……?」


メモルの隣にはあのオーガにやられたドル・マーフィーが


「何しやがんだてめぇ!!」


後ろにいた大男の仲間達も戦闘態勢に入るが次々と吹き飛ばされていく


サドン「俺が直に人を斬りたくなったのは久しぶりの計算外のことだぇ」


マルナタ「闘技場ではアンタに唆された事が今でも悔やまれる」


ヴィルチェ「あぁまったくだ……」



「おい見ろ……!! ドル・マーフィーが喧嘩おっぱじめたと思いきや

サドンや闘技場の剣闘士マルナタとヴィルチェも加勢し始めたぞ!?」



ドル達のもとにはいつの間にか数名の選手が集まっていた


ドル「情けねぇ話だ 大会にも勝てず 得体の知れない怪物まで出て来やがって……

それで俺達は何もできねぇ…… 逃げろってか? 七大国がそこまで上なのか? いや違ぇだろ!!」


マルナタ「これはチャンスだ…… まだあいつらも怪物を倒しちゃいねぇ!!」


ヴィルチェ「手柄を分捕れば逆転出来るなぁ」


サドン「確かに計算で敗北してしまっては国に帰っても降格されるだけだぇ……」


四人はやる気を昂らせていた メモルにとって理由はわからなかったが何故か嬉しかった


「ということで嬢ちゃん! 闘技場行くんだろ!? 護衛してやるぜぇこのAAの覇者様がな!!」


「ちょっと待てーー!!!」


背後から大会で一度は見た屈強な選手達が 雁首揃えてメモルの後ろから現れた


「あの怪物の首を取るのは俺だ!!」


「ワシに()まっとろうがい!!」


「王こそが大将の首を獲る役目じゃわ!!」


「大将って言うかただのバけモンだけど?!!」


「未知の怪物を狩ってこそ 冒険者の武勇!!」


ダン・カーリー クリスチャン ガオン・ストロンガー

アライヴ ゴードン&ワラビレ ザンパイやマクガイなど

大会の有力選手を筆頭に三百を越える選手が集まった


「アンタらもか……」


「……よっしゃ!! じゃぁ敗者復活戦にでもいきますかぁ??

勝つのはこの…… AA覇者のドル・マーフィーに決まってるけどな!!」


そう言い捨ててドルは電粒の如く闘技場に一番手で向かった

それを見た戦士達が一斉に叫び声を上げ 後を追う


「「「「「 負けるかぁぁぁぁぁ!!!! 」」」」」


次々と駆け出す者達を見てメモルにも元気が湧いて仕方なかった


「私も急がないと!!」


「護衛するとか言って 真っ先に置いて行きましたね」


「あっ!!」


メモルが見た先には謎の男とゼルが歩いて来るのが見える


「車掌さん!!」


「私が貴女を護衛しましょう この人から頼まれたので……」


後ろにいる謎の男は溜息を吐いて


「メモルさん……」


「え…… はい……」


謎の男はメモルに近付いて優しく語り掛ける


「この戦いが終わった後 お話があるので必ず耳を傾けて下さいね

貴女のその魔力についても兼ねてですから……」


謎の男はそう言うと その場から風に流されるように消えていった


「ゼルさん あの人は一体……」


「私にも分かりません さぁラウル君が待っているのでしょ?」


「はい!!」




闘技場内部


「…………」


ルーナイトは手の平をラウルに翳す


「うぉぉぉぉぁぁぁあああああ!!!」


ラウルは太刀を構え ルーナイトに向けて一気に跳んだ


「レザイド・エゴール・ハイゴレ!!」


聖我流(せいがりゅう)横山波斬り(おうざんばぎり)!!!」


雷を纏った無数の触手をラウルは勢いを落とさずに次々と斬り進み

一気にルーナイトとの間合いを詰めた


「お前宛てに!! 届けモンだっ!!」


光を纏った太刀がルーナイトの頭上に降り掛かる


「よくやったガキィ!! 破波津膨創(シーブ・フーマ) 豪拳!!!!」


オーガの一殴りが彼の視界全てを破壊する


「……っ!!!」


「くっ……!!!」


それを遠くから見ていた全員が思った


ーー次元が違う


踏ん張っていたオーガは大きく息を吐き出す その場は綺麗になった悲惨な光景

闘技場を貫き 街中の建物を巻き込む衝撃波は海に達し 超爆発を引き起こす


「ウゥ……」


直撃は避けたものの左腕が焼け爛れ 負傷するラウルに近付いて来たオーガ


「世間知らずの餓鬼が…… あまり大人に舐めた口を聞くなよ」


「…………」


ラウルは感覚は無かったが 無意識に怯えていた 

今まで人間とは思えない人間を見たのは初めてだったからだ




市街地 東部

オーガの一撃が飛んだ衝撃波の一線から少しズレた方向

ドルを先頭にした選手達が闘技場を目指し走っていた


「何だったんだ…… 今の……?」


選手の一人ガオンが崩れた建物に進路を変える


「おーい何やってんだ? 俺が先にぶん殴っちゃうぞ~~?」


砂煙は次第に沈み 黒ずんだ一人の人間が横たわっていた


「おい!! こいつは……」


ガオンが皆を呼び止めようとしたその時

その人間から生える黒い触手がガオンの胸部を貫いた



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