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10年前ガルバーク帝国5 正しい王


「親父!!」


三人の前に現れたのはサベルだった


「誰だい…… 君は?」


「大臣!!」


サベルはすぐに二人を抱えてその場から逃げようとする


「僕が逃がすとでも??」


ルランは手中に集めたエネルギーの塊をそのままサベルに発射する


「アゥッ……!!!!」


青紫の塊はサベルの右腕を貫通

その拍子に担いでいたケルトがそのまま地面に落下した


「っ…… 熱っ……」


「サベル!! 王を助けることだけ考えろ!!」


「うるせぇ…… 口を閉じてろ!!」


担いでいたモーガンを頭と左肩で支え 瞬時にケルトの身体をを左手で掴んだ

二人を左部分で担いでそれでも逃げようと考えるサベル


「お~~ がんばるね!!」


「?!!」


サベルが頭上を見上げると そこにはルランがニヤニヤと宙に浮きながら鑑賞していた

そして躊躇なく手をサベル達に向けられる


「……や~めた」


しかしルランは急に手を下ろして地面に降り立つ

サベルを見向きもせず 燃え盛る国の方へと去って行ったのだ


「ハァ…… ハァ…………」


ーー何なんだ……?


国から離れた草原 そこでモーガンとケルトを仰向けに寝かした


「モルガナ……」


モーガンの隣には スヤスヤと寝ているモルガナが


「サベル……」


腰を下ろてし休息を取るサベルの隣でモーガンが弱々しく口を開く


「親父……」


俯くサベルにモーガンは一方的に聞いた


「私は間違っていたのか……?」


ーー!!?


「アンタの言う間違いは…… 間違ってたか分かんねぇけど それは……」


「……」


「間違ってたのは…… 俺みたいな奴を言うんだ」


燃え盛る国を見つめながら 涙を流すサベル


「兄貴に差を付けられて…… 捻くれて…… 不器用にストレス作って……

挙句の果てには闘技場で鬱憤を解消する日々

いつのまにか国を考えない不良王子に成り下がっていた

……こんな事態になって!! ……兄貴も ……義姉(ねぇ)さんも救えなかった!!」


悔しさを抑えきれないサベルは 左拳を地面に叩きつける

そんな感傷に浸る中 衰弱し切ったモーガンの震える手がサベルの頭に振れられる


「だがお前は…… モルガナを守ってくれた お前の優しさは見れた」


「っ……」


「正直こんなに話したのは久しぶりだ…… 

心の何処かでお前のことを上辺だけ理解していただけで

全く解っていなかったのかもな……

もしかすると今回の事態はそれが原因か……」


「そんなことはない!!」


ケルトが起き上がり モーガンに怒鳴る


「貴方様は誰よりも国を考えているお方だった……」


「……いや 国を含め 世界の将来まで考える事で欲張り過ぎていたのかもな

こんな一国の王が少々調子に乗ったのかもしれん」


「そんなことは……」


自分を責めるモーガンにケルトは掛ける言葉も少なくなる

そんな彼の命は刻々と縮まっていた


「ゲホッ…… ハァハァ…… サベル!!!!」


「!?」


「モルガナを…… 頼んだぞ……」


「……あぁ」


「ケルト…… お前も二人を支えてやってくれ」


「分かっております……」


「それともう一つ…… 〝奴〟に伝言を頼む」


「奴とは……?」


モーガンの口から発した言葉に ケルトは耳を疑う


「王よ……!! なぜ!!?」


「…………」


モーガンは空気を沢山吸い 大声で叫んだ


「人生悔い有り!! 然れど仕方なし!!」


「……こんなときに何言ってんだよ」


泣きながら笑うサベルにモーガンも笑い返した


「私はあの世でユサンとグレインと共に気長にお前らを見守るとしよう……

お前はモルガナを泣かせるなよ」


「ああ…… やってみる……」


「さい…… ごにはやはり…… 親の感情になるもんだな……

私は…… 王には…… 向いてなかっ…… たんだろう…… な……」


この言葉を最期に モーガンは息を引き取った




数十日後


「なんとか復興に進展が出てきたなぁ……」


「まったく迷惑な王だよな~~……ったく!! 国の面汚しが!!」




事件当日 モーガンの死から数時間後


あの事件の中 突如現れた放火魔達

そのあと救世主のように現れたドレイルが放火魔の駆逐と町への消火活動を指揮した

それが町の人達にとって絶望の中に見える唯一の光だった

消化が終わり 避難所にいる国民全員に土下座をするドレイル


「今回の件…… この私ドレイルの失態であります 誠に申し訳ございませんでした!!」


「どういうことなのですか……?! ドレイルさん」


「我が国の王 モーガン王は…… 国を捨てたのです!!」


ドレイルの一声に国民は度肝を抜かれた

その後もモーガン王が国を裏切り魔法都市に移住したこと

町に放火魔を送らせたのがモーガンの指示であること

ありもしないでっち上げは

地獄の現状を目の当たりにした国民には信用以外の一握りの疑惑も感じさせない


「ガンルイス王家 さらにモーガン派に擦り寄った家臣含めていなくなった今

今後この国は我々が立て直そうと思う」


ドレイルを先頭に並ぶ残った家臣達は 国民から見れば英雄

徐々に拍手と声援 神を崇めるが如く崩れるようにその場に座り込む国民達は

次々とドレイルに祈るように両手を合わせた


「ドレイルこそ 我が国の王だぁぁ!!!!」


「あぁ…… ドレイル様!!」


「「 ドレイル!! ドレイル!! ドレイル!! 」」


国民の熱い視線にドレイルは笑顔で答えながらも どこか勝ち誇った表情が胸の内に秘めており


ーー俺はこの国を この国だけを思いやれる王になります

貴方に代わって必ず導いて見せますよ 



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