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10年前ガルバーク帝国3 まだ見ぬ世界を求めて


「久しぶりじゃな…… この国も」


港に並ぶ数十隻のガレオン船

船着き場では兵に囲まれながら出て来る一人だけ存在感が違う男が

目の前に待ち伏せるモーガンに挨拶をする


「お待ちしておりました スレイシャガル国国王〝グランヴァシエル様〟」


「……さぁ案内してくれ」


モーガンが手を広げてグランを招き入れようとしたとき

突然グランの前に一人の兵が現れ 自分に刃先を向けた



「きっ…… 貴様!! 何のつもりだ!?」



「よせスカイラ…… 敵じゃない」


「……」


スカイラの肩を掴んで説得をするもう一人の兵士


「ありがとのヴァース

すまんのう…… この時代故に他の領域の連中を敵と疑う若者が多くてな」


「いえいえ…… さぁこちらです」


グランはモーガンに案内されて会議室へと向かう

家来が会議室の扉を開き 二人の王は長い机を挟んで互いに顔を合わせるように座った

王の背後には家臣と兵が見守る中 催しは始まる


「さっそくですが 先日送らせた鎖国との外交の件についてどう思われましたかな?」


モーガンの質問にグランは間を取ってゆっくり口を開き


「お主が聞きたいのは ワシらがそっちに付くか付かぬかのそれだけでは無いのかの?」


「……」


「確かに今は口を開けば戦が起こる戦国時代は終わり 一時の平和が保たれている

じゃが…… ワシらのような大国が中心となり100以上の国が我等側にいる状態の世の中

たったの数カ国が手を組んで勝手な事を起こせば間違いなく敵を作る

そこで一番話の判りそうな我が国スレイシャガルに覚悟を決めて今回の件を送りつけた

そんなとこじゃろ?」


「……さすが 敵いませぬなグラン王」


モーガンは額に汗を流しながら 席を立ち深く謝罪した


「謝らんでも良い」


グランも席を立ち モーガンの所へと足を踏み入れ優しく肩を掴んだ


「モーガン王よ ワシはお主と同じ考えをしているのかもしれんのぉ……

確かに一時の平和じゃが安定までしてる訳ではおらん

鎖国と呼んでそのままにしておいていいわけが無い! しかし…… そう簡単にいかんのだよ」


グランはゆっくりと席に戻り 片手で頭を抱えた


「どうかされたんですか?」


「魔法都市と日の国 どちらも類を見ない文明が必ずあると私達は 七大国は断言した

しかし二国は外国を強く毛嫌いしていてな 結局今まで手を組むこと叶わんのんだ」


「……」


「どこかで見捨てていたのかもしれんな……

文化の広め合いをさせることで忙しく 貿易ルートを創るのもそう簡単では無かった

交易さえしなければ奴らも襲っては来ない だから鎖国などと言って放って置いたのかもしれん」


「……では まだ諦めてはいないのですね!?」


「……まぁ それはそうなんじゃが」


モーがンはグランの前で頭を下げる


「外交との接触の許可を下さい 我が国が必ずや成功を遂げて見せます」


「…………」


彼は悩みに悩んだが最終的には


「よし…… 認めよう

じゃがやるからには必ず良い報告が耳に入るように頼むぞ」


「……感謝します!!」




スレイシャガルの者達が帰郷し十日後


「モーガン王!!」 


五隻の船を引き連れてディゴイル王がガルバーク帝国に来訪した


「よく来てくれた!! 我が友よ……!!」


モーガンは自ら手を差し出し握手を交わす


「して出航は?! わが国も喜んで兵を出します」


「伝達は既に会合に出た全各国に送った

あとは協力してくれる国がどれだけ出てくれるかだが……」


「もしもの時は我らだけでいい 共にさらなる開国を目指そう!!」


二人の考えは儚くも的中し 他の国はあからさまに裏切るかのように連絡が途絶える

集まったのは二人を入れて僅か四カ国だけだ


「しかし…… まさか貴方が協力してくれるとは思わなかった」


「ふん勘違いするな…… 成功した暁には莫大な利益を考えての情では無く欲に過ぎん!!」


満面の笑みを見せるモーガンの前に居たのは会議で反対派にいた筈の王だった


「忘れるなよ!! 我が国が協力するのは兵だけだ 私が同行するとは言っておらんからな!!」


「ワハハ!! 分かっとるよ…… 充分心強い…… 外国へは私とディゴイルが行く」


そう言ってディゴイルと肩を組んで


「出発は明朝!! もしもの時の為に他国の王族の方々はこのガルバーク帝国で待機して貰う」




そして翌朝

空も快晴でまるで天が国の発展に手を差し伸べるかの日の出が登った

船は十五隻用意され モーガンとディゴイルを囲んで進水式が行われる


「では国を任せるぞ ユサン!!」


「父様…… どうかご無事で」


ユサンはモーガンの手を両手で優しく包んだ その手は温かくも微かに震えていて


「お爺さま~~!!」


「……モルガナ」


モルガナが泣きじゃくりながらモーガンに抱きついた


「モルガナと遊ぶ約束したのに~~!!!!」


「すまんのぉモルガナ…… 帰ってきたら必ず遊んでやるぞ!!」


「ホント!?」


「あぁ!! ホントじゃ」


モルガナの頭を愛でるモーガンの 隣にいるディゴイルにも小さな少年がやって来る


「パパ……」


「ルーナイト…… 私が留守の間は母さんのことよろしく頼むぞ?」


「……はい」



「さっ! 二人とも! 王が留守の間はヴィーラにイッパイ遊んで貰え!!」



王の後ろから 同行するケルトが息子と思われる者を無理やり連れてきた


「父上…… 手が痛いです」


「弱気な事を言うんじゃない!!

お前は私が留守の間 モルガナ様とルーナイト様 そして妹のアビアのことも頼んだぞ!!」


「……はい」


それぞれが家族との別れを済ませて船へと乗り込む王様二人


「少し待ってくれ」


モーガンは慌ててドレイルの元に向かった


「どうされました?」


「お前に別れを告げずに行くわけなかろう」


息切れを振り切り 高笑いするモーガンにドレイルは呆れた顔をした


「ユサンはまだ若い…… もしもの時は支えになってやってくれ」


モーガンはドレイルの肩を掴み 真剣な眼差しで頼み事を残し


「承知しております

ご命令問わず命尽きるまで守り通します」


ドレイルの言葉に安心したモーガンは船へと乗り込み大声で叫んだ


「では魔法都市!! カタストロフィアに向け出航!!!!」


「錨を上げろぉぉ!!」


次々と船は動き出し水平線を越えて行く


人々は見送りを終えるとそれぞれの生活へとまた戻る

ドレイルもまた戻ろうした時 さり気なく海の方を振り返り



「必ずこの国を守ります…… 貴方に代わってこれからも……」



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