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ディアス闘技場Cブロック3 七大国の実力


「どうなっちゃってんのよ……」


砂煙から姿を見せたのは海賊マッド


「なんだなんだ? 急に倒れちゃってぇ……」


胡座をかいていたヴァースも焦りまではしないものの 次々と倒れていく選手に微かに動揺していた


「……」


サドンの作った陣の近くに居たシャハルも 多くの傷を負いながらもその場に立っている


「クッゥゥ…… ルーナイト!! よくも裏切ったな!!?」


背後を突かれたサドンの掠れた声を聞いて それを嘲笑(あざわら)いで返している青年


「ん~~? どうせ最後は君が優勝するように裏で色んな奴を買収してたんでしょ?」


ルーナイトは刺したレイピアを舐めながら カミハテで倒れない三人に視線を移した


『おおっとぉ!!? Cブロックで何が起きたのか分からないがぁ

いつの間にやら残り四人と…… いやまだいたぁぁ!!!』


ディッツの目先に映るもう一人の影は


『あれは!!?』


剣を地面に刺してやっと立っている選手が一人


『謎の剣闘士!! モーガンだぁぁ!!』


予想外の生き残りに観客席がざわつきと共に歓声が起きる


ーーふ~~ん あんな爺ぃがねぇ……


ルーナイトは即座にモーガンの方へと地面を蹴り上げ レイピアを突き刺した


「生き残ってなんだけど弱い奴見てると最初に潰したくなるんだよね~~!」


笑いながら次から次へと突き刺す事を止めないルーナイト それを受け流すモーガン


「仮面被ってちゃぁまともに勝てないでしょ…… 外しなよおじ~ちゃん!」


「!!?」


モーガンは一太刀を見落とし 正面からモロに腹部へレイピアが刺さってしまった


「……っ!!」


体勢を崩したモーガンの横っ首をルーナイトは追い打ちで蹴りを入れ

モーガンを一瞬で再起不能にした ピクピクと痙攣しているが起き上がることは無い


「酷いねぇ……」


マッドがその様をジッと見ている

その言葉が耳に入ったのかルーナイトがユラリと

まるで獲物に狙いを定めたかのような そんな彼の目は喜んでいた


堕国(だこく)の元王子

下手に国と関わった末にどこぞの排他的国家と共に襲撃に遭った悲劇の国で有名だよね!

ルーナイト元お・う・じ・さ・ま!」


煽る様に挑発するマッドの背後からはヴァースが

片手にシャハルの後ろ首を鷲掴みしながら近づいてきた


「ナルメア もう出てきていいぞ!」


広場より上空から風を操り 適度な速度で降下してくるナルメア

モガルシュカのカミハテの範囲を予測したマッドの助言により

発動前に天高く飛んだナルメアは カミハテの範囲外と見なされてその術を受けずに済んだのだ


身体硬直・石化(コンフト・ローブ)!!」


上空より唱えたナルメアの呪文はその者の手より灰色の粉末のようなものが拡散する

その粉末はルーナイト目掛けて全身に浴びせられる


「こ…… れは…… 一体……」


ルーナイトの体がまるで石のようにその粉末は関節を通り次第に動かなくなっていく


「……ア…… ガ…… お…… のれぇ…… ぇぇ……」


完全に石化したルーナイトは全身灰色の 彫られた石像の様になってしまった


「ヒュ~~! 予想以上の威力だね」


作戦を企てたマッドですら冷や汗を掻いている状態

そんなマッドの心情とは裏返しに ヴァースが二人を見ている


「さてとマッド君 残り三人となったが協定を組んだ以上なんともやり辛くなったね……」


「私は…… もういい……」


ナルメアの発言に二人は首を傾げる


「もういいって…… 協定組んでやり辛くなってくれたことは嬉しいけどさ……

せっかく生き残ったんだから優勝目指さないの??」


「私は…… さっきので全て魔力を消費したから…… どっちにしろ二人に勝てない」


ナルメアの下を向いた態度に二人は困っていたその時




ーー僕は…… ただ…… パパとママと……

国を幸せに…… したかった…… ただそれだけなんだ!!  

なのに…… なのにぃ……!! 絶対に許さない 許さない! 許さない!! 許さない!!!

ガルバーク帝国!!!!!


突如として石化したルーナイトの身体から黒いオーラ状の物質が

石化した居たる箇所の隙間から流出し吹き荒れる


「……!? これは」


ヴァースは石化したルーナイトを前に構え直した


「重力の前に全て跪け」


「オレノ…… ハイ…… ゴ レ ヨ……」 


天地圧制(スコーレア・グラード)!!!!」


ヴァースの右手が上から振り下ろされると同時に

マッドの見える範囲の視界一面全てを押し潰す重力場が生まれる

重力はルーナイトを押し潰すどころか辺りの地面をも巻き込み

超巨大なへこみが一瞬にして作り出されていた


「…………まさに怪物」


深く息を吐くヴァースの目は一瞬総督と呼ばれるに相応しいそんなオーラを漂わせた

しかしそんな当人はほんの一瞬 構えを崩してからはいつものノホホンな態度に戻る


「さて…… じゃぁ決着をつけようか! でもその前に」


ヴァースはナルメアの腹部に両手で強く押した


「っ!? ゴフッ……」


ナルメアは訳が分からず血を吐き その場で意識が飛ぶ


「まぁ生き残れるのは一人ですし 妥当な考えですね」


「さぁ 決着を付けよう!」


二人は構え Cブロックの王者を決める闘いが始まった


ーー……と言ってもアレを見せられた後じゃぁ この軍総督には勝てないなと思っちゃうよ誰でも

態々(わざわざ)相手の戦意を喪失させる為に見せしめにしたようなもんだ……

となるとやることは……


マッドは剣を左から右に持ち構えて剣先をヴァースに向けた そして無鉄砲にも突っ走り始める


「君らしくないな~~ ただ突っ込むって柄だとは思ってなかったよ」


「フッ…… やり方があるんすよ……!!」


マッドは片手で斬り下ろす ヴァースはそれを軽く避け


「最後まで生き残ったから少し楽しみにしてたのにな」


ヴァースは隙を作ったマッドの腕を掴み ひと思いに地面に叩きつけた


「……っ!!」


そのままマッドは地面に擦りつけられ 追い打ちをかけるかのように


深宴(グラビド)……!!」


先ほどルーナイトに使った技とは程遠く規模が小さいが

人一人分のスペースが入れる程度の穴が開くと共にマッドが押し潰されてしまった


『決着がついたようです!! Cブロック勝者は~~ やはり強い! ヴァース・グラビドル!!!!』


大歓声とは裏腹にヴァースは石化したルーナイトの落ちた穴を

変な違和感と不気味さを持ち合わせながら見つめていた



Cブロック勝者 ヴァース・グラビドル




時間は少し戻り 大会開始直後の特別観客席


「おろ? もう試合は始まったんか?」


「これは王 既に始まってます 一体どこへ……?」


特別席の目立つ豪華な椅子に座る 王と呼ばれる男性


「いやちょっと外国との会議でな……

しかし中盤から見ては何が何だか…… なんじゃあの透明な壁は?」


王は多少愉快な発言で適当にその場にいる兵に挨拶を交わしていたが 既に試合に目を奪われていた


「ほほぅ…… うちの奴隷…… いや部下は頑張っちょるかの~~??」


「……現在 ボルマーだけがリタイアなさっております」


「フン!! やはり期待外れじゃったか」


王は人を見下すかのような目で 瀕死状態のボルマーを見ては鼻で笑う


ーー御苦労だったな鉄砲玉 さて有望な二番隊隊長は……

……ん? ……んん?? ……んんん???! ……あいつは!!!?


「どうかされましたか王よ?」


突然顔色が変わった王に対し 隣にいる兵隊長らしき人物が顔色を窺っていた


「い…… いやぁ 何でもない……」


「……?」


ーーあの刃が裏返しの剣を持ってる奴は……

いやそんな筈は無い…… あいつはあの時殺した…… 筈……

しかしあの剣術は…… まさか……



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