ディアス闘技場Bブロック2 ギャングVS武道
『さぁ!! 残り人数五十を軽々と切り 強者だけが生き残ってきました!』
次々と選手が倒れていく中 他の選手とは異なる武器を持った奴がいる
『おおっとぉ!? なんとディアス闘技場に泥を塗る気かぁ?!
ルールに反し銃を所持している輩がいます!! あいつは…… まさか!!?』
「フフッ…… 点検は受けたぜ? なんで試合出れたんだろうな?」
「貴様!! 銃など持ち込みやがってふざけてるのかぁ?!」
選手の一人がズカズカと前に出てきたその時だ
「っ!!! ……? ぎゃあぁぁぁ!!」
銃を所持する選手に 野次を投げる別の選手の腹部に突如激痛が走った
「ハハハ!! 俺の前に立っちゃってよく狙って下さいって言ってのかなぁ?」
「こいつは…… Mホットだ」
「Mホット?!」
選手達と観客の一部がざわつき始める
「ホットって言やぁ 射撃の腕では右に出る者はいない最強無二のスナイパーじゃねぇか」
「そんな奴がなんで大会に……?!
その腕を大国の為に使うことで世界七大珍品異例の〝人間国宝〟として
七大国に選ばれた名手じゃねぇか!!」
「ただ引っかかる……
狙撃手が隠れるところも無い場所で実力が発揮されるのか?」
剣闘士同士が余裕で話していると煙に混じって一弾の鉛が跳んでくる
「ぅぁぁ!!!!」
「うっ!!!」
銃弾は二人の腹部にめり込み その当たった身体の箇所から赤い飛沫が辺りの地面を汚す
「〝対物狙撃銃〟なんて持ってきてねぇよ! 真っ向勝負なんだから短銃よぉ!!」
二丁の銃を両手に持って乱射するホットに別の選手が近付く
「ほぅ…… 銃持って強者気取りか?」
「何か悪いか?」
ホットが男に向かって銃を向け 引き金を引く瞬間
立っていた位置から身体が遠く離れ 気付いた頃には壁際に吹き飛ばされている
「あ…… え……?」
ホットは何が起きたかわからないままその場で気絶した
『出た~~~~!! 火女桜の若頭!! 雷を纏う武器を見たことがあるかぁぁぁぁ!?』
ホットを倒した妖雷の持つ棍には青白い雷が纏っている
しかしホットに一撃を入れる手段は素手だった
「よいしょっ!! ん~いいね~~! まさに芸術」
少し離れた場所では槍に氷を纏わせる選手
巨漢の海賊アライヴを全身氷漬けにしてただ嬉しそうに眺めている
『強い!! 強すぎるぞ火女桜!! 次期若頭に相応しい首領妖龍の部下達が…… んん!!?』
ディッツの見た先に観客人も注目し それと同時に絶句した
「景品はそう安くは無い 出直してこい!!」
妖龍は拳を振り上げ軽く地面にめり込ませる その衝撃は常人でも地面にヒビが入る強者もいよう
しかし彼は〝次元が違う〟としか言わざるを得ない
砂漠地帯の砂が妖龍を中心に反発するように辺りの選手と共に吹き飛んだ
『なんと辺りの敵二十以上は吹き飛んだ~!! 恐るべし破壊力
これが首領と呼ばれる男の力だぁぁぁ!!!』
「ゲホッゲホ!!」
「いつまでも逃げてんじゃねぇよ! ヘハハハ」
ボルマーは先ほどから戦場を逃げ回る 指名手配のアバルトを虫の息になるまで殴っていた
「そろそろ決着だからな 残る人数的に逃げてる姿もバレバレなんだよ!!」
「頼む…… 助けてくれ」
ゲラゲラ笑うボルマーに対しアバルトは小声で叫ぶ
「俺はラウルに会わなければならない」
「……?! おめぇ…… 何者だぁ??」
「余所見してて大丈夫か?」
そんな二人の間を裂くかのような長い棍がボルマーの背後から振り下ろされた
「ウッ!!? 体が…… 痺れ……」
ボルマーが棍を受け止めたタイミングで自身の身体に極度の電流が全身を巡る
『おおっとぉ!? ゴミのボルマーと妖雷が激突したぁぁ!!
そして妖刹とダン・カーリーが死闘を繰り広げる~~~ これは熱ぅぅぅい!!!』
「はぁ…… はぁ…… ハハ!! 得意の武術も愛武器がそれじゃぁな」
妖刹の冷気を纏う槍によって凍結された薙刀はいとも容易く
武器の残骸はカーリーの足元に散乱していた
「この刀には思い入れがあったが これも此奴の寿命……」
険しい顔で砕けた薙刀に深く一礼し 周りの武器を掻き漁る
「おいおい…… 他人の武器を使うのかよ?」
甲高く笑う妖刹を無視するかのように カーリーは背中に何本もの槍を背負う
「この者達もこんなとこに捨てられる為に生まれてきたのではなかろうにな……」
「はぁ!? これだから武道家はキチガイばっかなんだよ 物に語りかけるとか気色悪いぜぇ?」
妖刹は構え 槍に魔力を集める
「氷魔装!! 魂ある冷たい刃!!」
大胆に舞い踊り 槍を振るう数だけ刃先から凍った刃の塊がカーリーに向けて乱射された
「私も武道家の端くれ…… 流派を重んじる者に手加減はせぬ!!」
カーリーは集めた武器を妖刹目掛け 一見雑に投げ掛かる
しかしその投げた内二本の槍を手に取り 類い希な武術の数々を駆使した動きで
飛んでくる氷の刃を次々と足で弾いていく
「何!!?」
妖刹は負けじと刃を飛ばすも その凄まじい勢いで詰め寄ってくるカーリーには効かない
「魔の力に頼るのも良かろう それもそなたの実力
だが…… それは己の武術が未熟と自覚してるも同然」
カーリーは宙に浮く為に地面を踏み込み 空中に舞う武器の柄を妖刹に向けて蹴り飛ばした
「くっぅぅぅぅ!!!!」
妖刹は有りっ丈の魔力で 飛んでくる全ての武器を弾いたが
時既に遅くカーリーは自分の頭上にいた
「筋は良かったぞ だが私の方が自分の腕を認めていた ただそれだけの事だ……」
そう呟くと真上に翳していた足を振り落とし 妖刹の頭上に一気に踵落としを決めた
「カッ……ッ……」
妖刹は白目を向きながらそのまま後ろに倒れる
「妖刹!!? クソ!!」
妖雷はあと少しで倒せるボルマーを無視してカーリーの元へと走り出す
「ここ…… まで…… 甚振っておいて行っちまうのか?」
妖雷の足をボルマーが掴んだ
「テメェ……」
「逃がすかよ ヘハハ……」




