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革命軍本拠地(跡地) 第三者


時は数日前に遡る

ウミノタウロスの背に構える革命軍の本部は建物は勿論 人も全て吹き飛ばされていた


「すごっ! これだけ暴れても気にも留めねぇで歩き続けてやがる どういう生き物なんだこの牛?」


「物件選びなら得意だったそうですね ここのボスは」



「ガハァッ!! な…… 何しやがったアイツ?!」



壊滅状態の中 瓦礫から瀕死のジャミラが這い出て来る

故にこの事態を作った元凶であるヴィクター・ロードと裏切り者のエチャードは瞬時に注目した


「ほぉ…… さすが軍部内で馬鹿で有名だったお前は丈夫だな」


「ハァハァ…… 何がどうなっているんだエチャードさん!!」


「……何が起きたのかも分かっていない ……呆れる」


いつもなら何でも優しく教えてくれた彼が 今日に限って自分と向き合ってすらくれない

その見下した目はいつもの彼じゃないとジャミラは薄々悟る だが


「負傷者が出ている…… そいつは何者なんだ!! エチャードさん!!!」


「まだ私を信じるか」


懐から鉄製の小剣を数本取り出し ジャミラの五体目掛けて投げつけた


雷河の龍脈レザイド・リンク


「うぁぁああああ!!!!」


地を這って流れる電流はジャミラに突き刺さる小剣に流れ込み ジャミラ自身を感電させる


「ここはもう用済みですね 私は帰るべき場所へと帰ります」


「良いなぁ雷は…… かっこいい!」


「賢聖絶様の寛大なお褒めの言葉…… これ以上無い手土産になりました」


二人とは余所に痺れて動けないジャミラはそのやりとりを聞き取っていた

そして意識を無理矢理はっきりさせたと思いきや 体中から真っ黒い魔蛍が吹き出す


「まだ息があったのか……」


「てめぇの電撃で目が覚めたよ…… 騙してたのか…… エチャードぉぉぉぉぉ!!!!」



漆黒の纏蛍ブラッド・ローブ この〝時代〟の選ばれし者かぁ……」



ジャミラの身体から放電する黒い雷はエチャードの身体の自由を奪い

抵抗する間もなくその拳が顔面にめり込む


「ブラッティ・ライトォォォォォォ!!!!」


息を吐く暇も与えずジャミラは エチャードを島の外まで殴り飛ばした


「黒い魔蛍は憎悪と堕落を象徴した存在 闇を司るその力に好かれたお前は滅ぼしが必要だ」


「次はてめぇだ 主犯野郎!!」


物音に乗じてジャミラよりも遠い場所まで吹き飛ばされていたキニエも目を覚ます


「これは…… っ…… ジェルン!! ジェルン!!!?」


すぐ傍で出血しながら倒れていたジェルン キにエは周りの瓦礫を取っ払って抱き上げる

少女の呼吸を確認して安堵の溜息を漏らす彼女のもとにジャミラが走って来た


「ジェルンを連れて逃げろぉ! キニエ!!」


「ジャミラ……? それにあれって……」


キニエはすぐにジェルンを背負って近くの軍団員の懐を漁る


「あった…… ったく少し階級があるからって魔蛍琥珀を独占しやがって!!」


琥珀を地面に置き 急いで魔法陣を作る

そんな中ジャミラがこっちに吹き飛んで来た


「ジャミラ!!」


「クソ…… 何でアイツに拳が届かねぇんだ!?」



「せっかくのレアな能力も宝の持ち腐れだなぁ…… かなりお粗末とみる」



余裕かましてヘラヘラと歩いて来るヴィクター・ロードに二人は構えた


「闇纏・泥傀儡」


キニエの能力による地面から生まれし泥の人形を壁にして ジャミラはその前に立つ


「お前らの狙いは何なんだ?」


「……その前に 後ろにいるその子供をよく見せろ」


「はぁ?!」


気がつくと奴はキ二エの前に立っていた


「は…… 離れろ!!」


泥人形達が立ち向かうが先ほどと同じ風が生じ ジャミラ諸共巻き込んで吹き飛ばされてしまう


「この力の名は〝優しい風シルフ〟 ……ふむ やはりだ」


ヴィクター・ロードがジェルンの顔を色んな角度から覗いている

抱いているキニエはただただジェルンの身を案じることしか出来ない


「〝アイツ〟が知ったら喜ぶなぁ」


「この野郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


戻ってきたジャミラがその勢いで殴り掛かるが 同じ風で押し返されるループにハマった


「もうここには用は無いんだ…… お前の相手はつまらん」


確かにそう聞こえた それと共に迫り来る恐怖がキニエの表情を青ざめさせる


「ジャミラぁ!! もう逃げてぇぇ!!」


「ほらほら…… 彼女が心配しているぞ? こいつらを先に殺しちゃうぞ?」



「クッソぉぉぉぉぉぉ!!」



力を振り絞って立ち向かうが勝てる気がしない

だがポケットに手を突っ込んで風だけで応対する奴にジャミラは

とてつもないイラつきを感じていたのも事実だった


「不自由無く育ってきたような顔しやがって

てめぇみてぇな世の中舐めてる奴が一番嫌いなんだよぉ!!」


「うるせぇよ…… 余計なお世話だ」


ここで初めて奴に触れることが叶うジャミラだった

だが実際はヴィクター・ロード自ら彼の首を掴み 地面にめり込ませる


「うぁぁぁぁ……!!!!」


「貧困な場所に育った奴が強いのか? 縛られた環境をぶち壊した努力家が偉いのか?

ガチガチに固められて用意されていた平和な国に生まれた俺は……

その中で生きるしかないと悟ったら駄目人間なのかぁ?!」


頭を掴んで何回も地面に叩きつける

ジャミラの意識が飛ぼうがそこら辺に投げつけたり まるで物に当たる子供ような

今の奴のそれはただ鬱憤を解消していただけだった


「ふぅ…… あぁすっきり やっぱり俺最強だわ」


ズタボロのジャミラの身体を持ち上げ 片手を鋭い爪へと換える


「この世は弱肉強食という言葉に異論は無い ただお前は弱過ぎたよ」


腕を後ろに引き ジャミラに鋭利な爪が迫る


「ジャミラ……」


キニエはふとジェルンの重傷を確認し 急いで転送魔法を発動させる

しかしそれと同時に琥珀が壊される 吹き飛んだエチャードが戻って来たのだ


ーー……終わった


唯一生き残っているエチャードの正体などすぐに察っした 同時に死をも

まだ走って逃げられるキニエも諦めていないが

身体が動かないジャミラももう何も出来ないと解っていたそのとき

ヴィクター・ロードは手に温もりを感じた


「……懐かしい顔だな」


「本当にな」


奴の腕を掴んでいた男にエチャードすらも困惑していた

ヴィクター・ロードはジャミラを離し その男を正面にしてゆっくりと立ち上がる



「この時代に生まれていたのか…… 今何をしているんだお前?」



「センジュ・オロチ・カケルって通り名で海賊をしていた

お前が動いた情報を聞いてな…… 久しいなぁ千年前の友よ」



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