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ロストファビュラス主要国議事堂 西の庭園2 全員でサボる


「賑やかだったり沈んだり 何の会話をしているんだ?」


泉で集まっていた三人のもとにもう一人 綺麗な髪が輝く男が近付いて来た


「よっ! ゴートお疲れ!」


ジンはゴートに缶ジュースを一本ぶん投げる

受け取ったゴートは迷うこと無く蓋を開けて一気に飲み干した


「確かスレイシャガル国の人間国宝」


「ゴート・メゾ-ラだ よろしく」


マリと握手を交わすゴートに趙炎は気になることを口に出す


「あの…… メゾ-ラって」


「ミルクがラウルの話をしている中で度々お前の名前を出していた あの時は娘が世話になったな」


「やはり…… ミルク・メゾ-ラの…… お母さん?」


「お父さんだ 血統上女性のような容姿でよく間違われることが多々ある」


ゴートが上着を脱ぐと 美しきまでの細マッチョが色白く輝いていた


「男性が生まれるのは千年に一度だっけか?」


「十年に一度だよ 惚けるなジン」


ボケた顔で缶ジュースを飲んでいる彼にゴートは呆れてそれ以上は怒らない


「メゾ-ラって…… 〝賢族〟ですよね?」


「あぁそうだよ」


「大変失礼なのは承知の上ですが 賢族があまり表に出てくる印象が無いので驚いています」


「ハハ……!! そうだよね…… 差別から珍種狩りまで今の時代は正直生き辛いよ」


「……すみません 変なことを言って」


「いやいいんだよ 君の私を見る目は差別とかそういうのとは程遠い場所のとても良いモノだ」


ゴートは趙炎に手を差し伸べる


「改めてゴート・メゾ-ラだ よろしく!」


「っ…… こちらこそ!!」


その握手が大きな意味を持っていたことに趙炎はどこか気付いていた

それ故なのか 中々手を離すことが出来ず 周りにおかしな笑いが生じた後にようやく手を離せた


「俺も混ぜてもらおうかねぇ~!」


さらにもう一人 静かに歩いて来る男が


「よっ! ルンウェイお疲れ!」


同じ動作で缶ジュースをルンウェイに投げ渡す

するとジンは残った一本をまた別の方向へ投げた


「隠れてないでお前もこっち来いよ」


「わっ……! わわわ!!?」


花壇の花々の陰に潜んでいたのはヒャルだった


「ヒャルさん?!」


「見つかってしまいましたね……」


「こんなところで何を……」


「仕事が一段落したのでサボりです

そこへ趙炎様方がいらっしゃったので慌てて隠れたという経緯ですね」


「別に隠れなくても……」


「バレて怒られるのが嫌なんですもん!」


涼しい顔で子供っぽいヒャルに趙炎含めその場全員は笑うしかなかった


ジン「確かに息抜きは必要だわな 正直あんな空気の詰まる会議室にいてもストレスで死んじまう」


趙炎「えっ……! だから皆さん抜け出したんですか?」


ゴート「当たり前だよ…… 結局何もかも決めるのは王達だからね

本人欠席で無い限り俺達は行く価値も無いのさ」


ジンとゴートが首を激しく縦に振りながら趙炎に愚痴った


「確かに身体も鈍る」


ルンウェイも人知れず首を縦に振っていた


「しかし改めるとすごいメンツですね

光導功道ラオクンドーのルンウェイ様と殺し屋のゴート様

フィクサーのジン様に反乱軍のマリ・D・ロベスピエーロ」


「ここで殺し屋を口に出さないで欲しいんだがなぁ」


「俺もちゃんとフィクサー・オブ・トラベラーと呼んで欲しいな」



「フフフ…… これは失礼しました でもそれよりもすごいのは……」



ヒャルは趙炎の隣に座る


「貴方がこの場にいることですよ 若い兵士さん」


「それは私も重々承知しています」


「若者らしく知識欲旺盛なんですね」


「ヒャルさんもまだまだ若いじゃないですか……」


「私こう見えてもう三十路ですので」



ーーいえ まだまだ若いです



女性へのマナーに困惑して言葉を返せなかった


ジン「そうだぞ趙炎! 俺らと会話できる事自体そうあるもんじゃねぇんだからな!

もっと喜んで良いんだぞぉ!?」


趙炎「はぁ……」


ルンウェイ「というよりもこうして会って話すなんてのも数年振りだな」


ジン「お前はいつも会議を欠席をしているからな……

俺も気まずくて光導功道の総本山に遊びに行けねぇじゃねぇかよ」


ルンウェイ「と言いつつ連絡も無しに寄ってんじゃねぇかよ ついこの前な!」


ジン「大事な話があったんだぁしょうがねぇだろ! 宗家がグチグチ言ってんじゃねぇ!」


幼子の喧嘩の様な二人の取っ組み合いに平穏を感じる

そんな二人は放っておいてゴートは趙炎に気さくに話し掛けてくれる


「せっかくの機会だし 誰かに質問したって良いんだぞ趙炎」


「質問……… ですか」


両隣に座るヒャルとマリも自分が聞きたいのか 趙炎を鼓舞する


「確かにこんなチャンスは庶民じゃぁ滅多に訪れないな」


「そうですよ趙炎様!! 聞きましょう!! さぁ聞きましょう!!!」


趙炎が今会議に来た理由として 抱えているものは数多くある

だが今一番興味を持っていることがそれらを押し退けて口から出てしまった


「ジンさんの過去を知りたいです」


「んぁ?! 俺のか?!!」


一同は予想外故に固まった


「何でジンなんだ?」


「いぇ…… 今話す事ではないですが

会議にいる時と今の雰囲気がまるで違うなと思ったので興味があります」


ゴート「……強ちハズレじゃないけどな」


趙炎「えっ!」


ルンウェイ「ほらジン…… お前の昔話してやれ」


ジン「……そんなに俺の過去知りてぇのか?」


趙炎「はい!」


ジン「……ハァ」


彼はその場に座り 頭を掻いて照れを見せる

ゴートとルンウェイもその場に胡座をかき ルンウェイがふと趙炎にわざとらしく小声で呟く


「ジンの話は飽きねぇぞ」


「えっ……?」



「じゃぁまず…… 俺が生まれ育った故郷からの話だな」



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