ガルバーク帝国3 明日に向けて
ガルバーク帝国より西の海岸
大岩が密集し 海賊船を隠すには持って来いの場所だ
マッド・チェイサーの一味もそこに停泊していた
「ようこそケルマディック号へ」
三本のマストがあるキャラベル船にラウル達は招待された
「紹介するよ 我が船員達だ!」
そこには活気に溢れる人相悪い船員達が
荷物を運んだり 大砲を磨いたりしている
「よろしく……」
ラウルは緊張気味にペコっと頭を下げた
「じゃあ船長室に案内するよ」
マッドはドアを開けて奥へ入っていった
奥へ進むと小さな個室があり 地図と本でイッパイの部屋に辿り着く
「さて……と…… まずは魔蛍についてだな……」
マッドは自分のベッドに腰を下ろして姿勢を楽にした
「その前に同盟のことだが……」
数時間前 ディアス闘技場にて
「同盟!?」
ラウルはマッドから魔蛍操作を教えて貰う代わりに大会の同盟を要求された
「そ! よければ君も…… ボルマーって言ったかな?」
「はぁ?!! 本気か!?」
「大会は一人しか優勝できねぇぞ……?」
ヒズチを含めた二人の反論にマッドは鼻で笑い 同盟の理由を説明した
「他の奴らが孤立して闘うとでも思う?」
「「 ………!! 」」
二人の反論は一瞬で消え去る
ーーそう来るか……
ラウルもハッと気付いたようで下を向いた
「ね! あの七大国の方々まで精鋭を連れて来られたりしたら勝機はほぼ0に等しい」
「だけど数も減れば裏切りもお決まり だよね?」
ラウル達のいる場所から少し離れた所より またもや謎の剣闘士が現る
「……今度は誰だぁ」
ボルマーが頭を掻きながらダルそうに聞くと
「私はモルガナ…… 昼夜休まずここで剣闘士をしている!」
そう名乗る人物が笑顔で輪に入ってくる
「私も同盟を組む相手を探しているのだが
なんせ裏切りが付き物だからね 最後に闘い合うまで信用できる仲間が欲しいのさ」
モルガナは剣を床に刺し敵意の無いことを示す行動に出た
「疑問は何故俺達を選んだのか…… 俺達はまだ同盟すら組んでいない烏合の衆だ」
マッドはモルガナを不審に感じていた
「単に仲間内が好さそうな集まりだったから 理由はこれじゃ駄目かい?」
モルガナの絶えない笑顔にその場にいた四人は調子を狂わせられる
ボルマー「まず俺らが同盟組むかの問題だしな……」
ヒズチ「俺は正直どっちでもいい 単に五人が生き残るまで四人に手を出すなって事だろ?」
ラウル「まぁ…… 最終的に俺が勝つけど」
マッド「まだ色々問題があるんだけど……」
モルガナ「じゃあ 明日はよろしくね!」
そう言ってモルガナは手を振りながら闘技場の奥へと消える
「……え?! 決まったのかよ!!」
「何を今さら……」
「明日は絶対に優勝してやる!!」
「お前はさっきからうるせぇよ!! ガキ!!
魔蛍操作も出来ねぇ奴が出る大会じゃねぇんだよ!」
ギャーギャーと五月蠅い中 マッドだけは真剣な顔をして何やら考え事をしていた
時は戻り ケルマディック号船内
「同盟が何かしたのかい?」
「まだ問題があるっていうアンタの言葉気になっているんだけど……?」
ラウルは壁に剣を立て掛けて床に座った
因みにメモルはガルバークをウロチョロした末に眠くなったのでラウルの所に戻り
ここまでラウルがおんぶして来たのだった 今は別室で寝ているらしい
「問題は沢山あるが…… まぁ男四人は気にしないが あのモルガナっていう女だ」
「あのお兄さんがどうかしたのか? ……女?」
「なぜ俺達なのか?」
「人が良さそうに見えたから?」
「そこだよ…… 俺達は互いを警戒まではしてなかったが けして仲良くはしていなかった筈だ」
「と言うと?」
「言ってることは適当…… とも言えないがまぁ本人の言い方からして察したけどね
俺達の中に彼女の知り合いがいたかもしれない」
「問題があるのか?」
「予想だらけだから 何はともあれ同盟を組んだ以上気にしてもしょうがない」
「……」
「さて! 長話もここまでにして本題に入りましょうか?」
マッドは立ち上がって黒板をラウルの前に引っ張って来た
「まずは魔蛍の事からだね」
「お…… 押忍!!」
ラウルが拳を固めると同時に 魔蛍操作の修行が始まった




