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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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友が眠る場所6 電粒の如く


次々と薙ぎ倒すオーガの猛攻に歓声は止まない

途中で逃げ出す奴もいれば 魔約を使う連中まで出てきた


「ヌルい! ヌルいわ!」


実力そこそこの人間が魔約を使ったところでオーガの敵では無かったのだ


「ヌバババ!! 魔約は所詮ハイゴレが憑依する為の窓口を開くだけの業

戦闘力はその人間の潜在能力に見合って上昇するだけだ

ハイゴレの本当の怖さは神の力を吸収する事で初めて脅威となる」


「今回も含めて地下闘技場での守護神の使用は禁止 考えたな」


「闇社会の馬鹿共は死を顧みず魔約を使うから怖い」


オグルがガタルゴの思案に感心していた

その時にもオーガは着々と人数を減らし気が付けば数える程の人数しか残っていない


「結局こんなもんか……」


「貴方様が強過ぎるだけの事ですよ」


オーガの周りに集う 四人の戦士


「ギルドの連中か…… お手並み拝見」


オーガが構えると同時にその四戦士は動く


「グスタフ!! ガブリィ!!」


フリードの掛け声と共に二人は魔法陣を展開


粘沼ネンマ!!」


身体硬直・接着石化セメント・ローブ!!」


片方が色濃い泥を手から足場に撒き

もう片方が広場に溜る沼の接着力を増加させてオーガの動きを封じた


「…………」


物怖じしないオーガを対角線上にいる二人が魔力を高め


「行くぞ!! フェリックス!!」


「任せろ!!」


二人の魔力は構える剣へと流動し 互いの剣が光り輝く


「期待してるぜ」


オーガは微動だにせず ただ腕を組んで構える

そして二人の魔法が解き放たれた


怒号の剣・軍聖竜ファガン・グラム!!」


雷業の刀剣カリスパーダ!!」


剣から放たれる二属性の魔の刃がオーガに直撃


「やったか……」


「いや…… さすがに……」


グスタフとガブリィが油断したとき 目の前の煙が晴れた


「!?」


「傷一つ無いって……」


二人がその場に固まってしまい オーガの動きに遅れる


「え?」


一瞬でグスタフが向こうの壁に飛ばされ ガブリィの眼前まで迫る


ーーそんな…… 足場は……


吹き飛ばされる瞬間にガブリィは見た

一瞬の内に固められた沼を床ごと破壊されていたのを


「チッ…… フェリックス!! 距離を取れ!!」


「あぁ…… っ!!?」


フィリックスの目の前にガブリィの身体が吹き飛んできた

そのままフェリックスを巻き込んで壁に衝突し気を失ってしまう


「クソ……」


フリードはすぐにオーガの方に目線を戻して構えるが


「あとはテメェだけか…… 全員逃げてつまんねぇなぁ……」


「……そりゃぁそうでしょうね さすが〝天下の肉神〟と呼ばれる人だ」


委縮と恐怖で足の震えが止まらない ギルドの実力者の一撃ですら容易く

その王は倒れる数百人の参加者の上に君臨していた


「早く掛かってこい!! お前は楽しませてくれるんだろぅ?!」


「えぇ! こちらも引けないメンツというものがありますので!!」


フリードは剣に雷の魔装を施し オーガ目掛けて走り出す




「……邪魔だ」




突如横からフリードの顔面に拳がめり込む

前方のオーガにしか集中していなかったフリードにとってそれは 不意打ち以外の何物でもない


「!?」


「さぁ…… ラストバトルだオーガ!!」


二人の開戦直後に割って入った空気を読まない参加者に会場が響めく


「ドルさん!!」


「……居たのかよあの野郎」


オーガの前に立ちはだかるはドル・マーフィー


「急に現れたな どこにいた?」


「アンタとサシでやる為 絶円を使って端で観察させて貰った」


「ほぉ?」


そう言ってドルは溜めた魔力を解き放つ


身体強化・自然伝動アムール・トレイン 壱速ロギア!!」


ドルの身体から噴き出す蒸気と共に構えを取る


「ハハ…… 面白い!!」


オーガも構え 一気に床を蹴った

迫りくるオーガにドルは冷静に対処する


「遅い……」


ドルは右にバランスを崩し オーガの拳を躱し 懐に自分の拳を押し込んでその肉体を吹き飛ばす


「「「「「 うぉぉぉおおおおおおおおおお!!!! 」」」」」


観客の叫びと共にオーガは壁にぶち当たり その場に尻を着かせた


「ワンダウン…… 立てよ」


上から見下ろすドルを見てオーガはキレる


「ガキがぁぁぁぁ!!!!」


尻餅を着いた状態から跳び上がり ドルに畳み掛ける


弐速セカンドギア!!」


ドルも跳躍力を上げ オーガに立ち向かう


「死ねや!!」


オーガが拳を後ろに引き ドルが接近すると同時に拳を押し出す

しかしドルは一歩手前の床に足を着いてその攻撃を躱す

その加速したフットワークはオーガの顔面に蹴りを入れた


「ぐぅぅ……!!」


また吹き飛ぶかと誰もが思った

しかしオーガはその場でふんばって堪え

ドルの腹部に入れる蹴りはもはや刃物の如く刺した


「おぶぅ……」


今度はドルが追い込まれる 急所を外させた物の腹部にオーガの足が貫通する


「ワンダウン…… いや違うな 俺の一撃を喰らったんだ もう立てまい」


オーガの言う通りドルは起き上がれない程のダメージを負ってしまう


「うぅぅぅ……」


吐血を床に巻き散らせ それでもドルは立とうとする

痙攣する膝に手を置いて何とか奮起した


「逃げても良いんだぜ?」


「……参速サードギア


さらに蒸気を吹き出して肉体の強化へと努める

肌は赤く火照り すでに身体は拒否反応を求め始めた


「そこまでする意味があるのかねぇ……」


「武道派の…… 王が…… 理屈を求めるのか?」


激痛でやっと吐いたセリフにオーガは意表を突かれ 久方振りの共感者を見つけて喜ぶ


「情はもう掛けねぇ…… 全力で地に減り込ませてやるぞぉ!!!!」


二人は同時に駆け出し ドルの先制の一撃をオーガが腕ガードでそのまま押し返す

それをドルはいなし オーガが受け止めと交互に繰り返され

最終的に後ろを振り返らぬ連打の応酬が繰り広げられた

しかしオーガに徐々に押され 数発ドルの胸部に直撃する


「ハァ…… っ……!!」


息をするのも困難なドルに対し オーガはゆっくり近付いてくる


「容赦はしねぇぞ……? 次で息の根を止める」


オーガは肩を慣らしながら腕を上に大きく振り上げた


二クロ「ドルさん!!」


ホット「あのアホ…… さっさと逃げろよ!」


ダルタ「死んでしまう……」


ニクロ達は血相を変えて透明な壁まで走る

しかし慈悲も無くオーガの腕は振り下ろされた


「止めろぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ニクロの声はフロア全体に響き渡った



ーー死んだか…… そんな言葉 俺には似合わない なぁキスティア……



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