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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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友が眠る場所3 肩代り


数ヶ月後

ドルが人知れず皆が寝ている最中に家屋を離れ そっと何処かへ行こうとしていた


「本当に行くのか?」


「!?」


ドルが振り返ると そこには残った酒をダラしなく口にするホットが起きている


「……準備は万全 今日の俺様は誰にも負ける気はしねぇよ」


「ニクロの為か…… 少々他人に肩貸し過ぎじゃねーか?」


「……行ってくるぜ」


ドルは荷物を背負い 王都ヴァジュリアの方へと向かって行った


「……馬鹿が」




事の始まりは三ヶ月前 ちょうどニクロ達が帰還した一週間後の事

その人物は何の連絡も無く現れた


「もしも~~し」


その人物に返事する男がオグルの家の奥から歩いて来る

男はその人物を見るなり急に目付きが変わった


「てめぇは……」


「あら!! ドル・マーフィーじゃない!? まさかこんなとこで見るとは……」


「サクバサ……」


目の前でドアに凭れて腕組みしている人物はサクバサだった

ドルの大声により奥からぞろぞろと集まってくる


「お前は…… ファミリアフォードットの……」


オグル・アタランテ・カーソンの誰もが少し気まずそうで それとなく目線を反らす


「やっぱりもう世界中に届いているのね……」


「何だ? 何の話だ?」


重い空気の中 世間に興味の無いドルが一人だけ首を傾げる


「国の壊滅…… サクバサ…… お前は何故ここにいる?」


「国の壊滅!?」


カーソンの言葉にドルはやっと驚いた


「まぁ今はフリーってことよ…… ところでニクロって子いる?」


「ニクロは寝てる ちょっと色々あり過ぎて疲れが抜け切れてなくてな 悪いが起こせない」


「そう…… ならいいわ!!」


そう言ってサクバサは街の方へと帰って行った




静かな林道をのんびり歩くサクバサに近付く奇妙な影

サクバサは気付くなり 溜息を吐きながら振り返る


「何か用?」


サクバサの前にはドルがいた


「ニクロは元奴隷だろ? 何を企んでいる?」


「何も知らないクセに酷い言われようね……」


その言葉にドルは激怒し サクバサの胸ぐらを掴む


「何も知らねぇだと!? てめぇらの悪評なら馬鹿な俺の耳にも届いてらぁ!!」


ドルの怒号にサクバサは少々驚きながらも 平静を取り戻し微かな笑みを浮かべた


「その顔…… どこかで見たことあったわね…… ニクロとはただの買い手と売り手の関係よ」


サクバサは掴まれた腕を振り解き ドルと距離を取る


「買い手だと?」


「えぇ あの子が私の奴隷を全部買うなんて大それたことを言うからその時は笑ったけど

高額な値段にも承諾するもんだから 今思い出してもホント笑っちゃうわ!」


「いくらなんだ?」


「あなたに関係ある?」


人を子馬鹿にしたような目で見下すサクバサに対し ドルは真剣な表情で再度聞いた


「いくらだ?」


「……当初は150,0000ルピア こっちの都合で奴隷が増えたから200,0000ってとこね 

騙すつもりはなかったのよ?」


「そうか…… なら俺がその金を用意する」


ドルの発言にサクバサは驚きを隠せなかった


「丸が六つよ……? ちゃんと解かってモノ言ってんの?」


サクバサが再度確認を取ろうとしたとき ドルが一枚の紙を見せる


「……!?」


「これを見れば分かるだろ? 金は全部お前に入るようにする

それ以降もお前に一生遊べる額が入るんだ! 文句はねぇだろ?!」


「……フフ アハハハハハ!!!」


「何がおかしい?」


「その金額が絶対入る確率なんて0に等しいわ!!」


サクバサは腹を抱えて笑った しかしそんなサクバサを前にドルは地べたに頭を擦り付けた


「何のつもりよ?」


「頼む……」


「しかもこれ三ヶ月後じゃない…… 一応約束の期日は二ヶ月後なんだけど?」


「頼む!!」


地面を擦るようにドルは頭を上げず 何度も何度も頼み続けた

そしてサクバサの心も揺らぐ


「いいわ…… ホントに全額貰うから」


ドルはその言葉を聞くと サクバサに笑顔を見せどこかへと走って行ってしまった


「……なんで私の周り こんな暑苦しい奴等しかいないの?」


呆れ顔のサクバサも王都へと帰って行く

そのやりとりは木陰に隠れたホットも見ていたのだ




時は戻り 地下闘技場 受付会場


「ドル・マーフィーだ このイベントに参加したい」


ドルは受付係に紙を見せた


「かしこまりました 今大会は大変アバウトでありまして 特に正式な登録は要りません」


「どういうことだ?」


ドルが質問すると 担当者はクスクス笑いながら答えた


「内容を見てれば大体皆さん考慮して頂けるんですけどね 

では昼を過ぎた頃より始まりますので 検討を祈っております」


ドルは有耶無耶に受付されたことに不快と疑問を抱いていたが

さっそく山に籠り 時間まで力を高めていた

切り株に置いていた紙は風で空へと舞い上がる

その紙に書かれていたのは



〝 ライゴク王国国王オーガ・バルトノヴァを倒せる猛者はまとめて掛かってこい

  倒した者には賞金2,0000,0000ルピアを出そう 


開催地 地下闘技場AAAファイナルアンペア   

発案者 ガタルゴ氏 〟



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