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創設の放旅者 --ラウールヴァンデラード--  作者: 滝翔
2章 鎖が解くとき
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友が眠る場所1 古代の記録


ーー今回の一件から 約三ヶ月が経つ

ニクロは帰還直後意識を失い 一ヶ月後ようやく目を覚ました

疲労によるものなのか よくもそんな寝てられるものだなと目を覚ました時に皆で笑い合う

ギルドの試験の事だが恐ろしく何も無かったことになっていて

街中を歩いても参加者の安否を口にする者は一人もいない

むしろ最近起きた大きな事件の話題が絶えない

ギルドのそばを通る時は無意識に遠回りしてしまう 何故か身の危険を悟ってしまう

憧れだった場所が今では畏怖の対象だ


イリアは部屋で寝ている

起きて欲しいと願うが 起きないのが当たり前と思っていた方が冷静でいられた

一回は死を確定された人間が生きる保障を与えられたんだから文句は言えない

本当ニクロには驚かせされてばかりだった


ヴェルは相変わらず寝るか修行するか 絶対安静のニクロを誘ったりするから困る

実力を認めているのか分からないが相当彼を気に入ったらしい


カーソンさんとアタランテさんはここしばらくオグル先生の家に泊まっている 

ギルドのこともあるし 当分は身を隠していた方が良いんだろう 

二人については家事も熟せて先生も助かっていると言っている


あのホットって人は たまに顔を出すが家には入らない

オグル先生とは何かあったようだ


ドルって人もしばらく見ていない

この前〝ある人物〟がこの高台に来てから姿を滅多に現さなくなった


そして 俺は




オグルの家から入る林道を抜けると そこはかつてニクロやダルタ達が修行した場所

練習場に最適な広場だった その中心に立つ木の下に一人分の花束が九つ供えられている

そして目の前に座るダルタは手を合わせていた


ーーライト…… 皆元気にしてるよ


すると背後からニクロがアタランテに支えられて現れて


「いつもいるなダルタ」


「親友とは毎日会っても飽きないからな」


ニクロとアタランテも手を合わせる


「そういえばダルタ」


「?」


「言おうか言わないか 内容も一言だけだったから迷ったんだけどさ」


「なんだよ?」


「……信じて貰えないだろうけど俺 転送されている途中でライトに会ったんだ」


「ライトに!?」


ダルタとアタランテはニクロの方を見て驚く しかしダルタはすぐに冷静になって


「何か言い残してたのか?」


「〝じゃあな〟…… だってさ」


「フッ…… アイツらしい」


三人はライトの話で盛り上がり 日が暮れるまで本人がいる墓前で話し合った




時は少し遡ってオグルの家の地下室

カーソンは掃除を頼まれて本棚の整理をしていた


ーー呼んだ事の無い本もあるな…… 後でオグルさんに許可貰おう


埃を叩き終わった棚に 本を一冊一冊置いているとオグルがやって来て


「いやぁ悪いなぁ 何から何までやって貰って」


「いえいえ しかし本は数多く呼んでますがここには知らない本が結構ありますね」


カーソンが本棚を眺めていると オグルが一冊の本を抜き取ってみせて


「大体知らない本は予想がつく この本は知っているかな?」


「ジェームズ・マッドハウスの書いた本ですよね 代表作は〝無黒〟」


「あぁ物語は全て〝作者の妄想〟だとバレて これを最後に本を出さなくなった」


「私は結構好きだったんですけどね」


カーソンは無黒と書かれた本をオグルから渡されると 彼はまた違う本を取り出した


「〝緑に隠れた守人〟 〝鏡の世界〟 〝憑魔病〟

ここら辺は呼んだことは無いな? 」 


「そうですね…… でもこの本達は全部作者が書かれていませんね……」


カーソンの疑問にオグルは鼻で笑って答える


「これは全部この私 オグル氏が書いたからじゃよ!」


「な……!?」


笑うオグルにカーソンは呆気に取られた


「この本達は何をモチーフに?」


「昔の遺産からじゃよ」


「え? じゃあ貴方も冒険家だったんですか?」


「まぁ本業もあったからそう旅には出れんかったがな!!」


オグルはそう言って地下室から出て行った

カーソンは手元の本を棚に戻そうとしたときにある一冊の本に注目する


「〝AN WAR MEN〟……」


カーソンは意味が分からないタイトルの本を捲り 時間を忘れるほど熟読していた


〝 奴等は突如現れた 何も無いところから次々と現れて

 まだ生物として進化していない我等を まるで動物の様に飼い慣らし始める

 奴等は現時点で生物界の頂点に立ち この世界を次々と変えていった

 それから数百年が経って我等にも知識というものを育む 歴史的成長だ

 住処を木で造り 食物に火を通して食べやすい物まで作り出す

 しかし奴等は陰で笑っていた 

 我等を観賞用として天高くから見下ろし 笑いに笑い

 それが我等にとってどれだけ苦痛だったか

 何処に逃げようとも奴等は見ている

 諦めて我等はただ家畜として生きるしかなかった

 それから数万年が経ち 人類に光が降ってきた

 奴等の裏切り者達だった

 裏切り者が放った一言は〝今こそ人類が頂点という原点を取り戻す時〟

 裏切り者達は我等に力を与えてくれた 火・水・風・土

 自然の力を使えるようになった我等は奴等に悟られぬよう何代にも渡りその力を進化させた

 そして完成した 先代の怒りと憎悪が込められた奴等に勝てる御業

 今こそ審犯の時 名は突如創られた間違った存在を封印する意味から 

 〝 ウェザン シュヴァルツ 〟という魔法

 我等は裏切り者と共に奴等を端から封印していった

 奴等も対抗してきた さすがに我等は奴等の業には成す術が無く億を超える死者が出た

 しかし兵力はこちらが圧倒 対して奴等は何万年時が過ぎようと

 一定の数から繁殖することは無かった 故にたったの数百人

 しかし 奴等を崇める我等と同じ種族が 奴等に力を授かり襲って来たのだ

 同じ種族同士が争うのを見て 奴等はまたもや笑う 我等の裏切り者は〝賢族〟と呼ばれていた

 そして奴等がやって来てから三十万年後 忌まわしき全ての存在が

 我等の母である大地に封印された 賢族も主を失い 我等から姿を消す

 今日という日を祝い 我等はこの世界をリタリーデウスと名付けた

 意味は〝反逆の神々〟 これが人類が生物の頂点に位置する瞬間であった 〟



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