↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/84

一緒にお茶を飲む

しばらくすると、部屋には紙をめくる音だけが響いていた。


ルシアは目の前の仕事に集中している。


一枚終えるたびに確認し、丁寧に次の書類へ取りかかる。


カイルは自分の仕事を進めながら、ときどきそんなルシアへ目を向けていた。


真剣な表情で仕事をしている。


以前からそうだった。


忙しくなると、周りが見えなくなるくらい仕事に集中する。


カイルはそんなルシアの様子を静かに見守っていた。


やがて、ルシアが最後の書類を確認する。


「……終わりました」


書類をきちんと揃えて、ルシアが顔を上げた。


するとカイルが本を閉じる。


「お疲れさま」


「ありがとうございます」


カイルは立ち上がると、部屋の隅にあるティーセットへ向かった。


「カイル様?」


ルシアが不思議そうに見つめる。


カイルは慣れた手つきでお茶を淹れ、ルシアの前に置いた。


「どうぞ」


「えっ……」


ルシアはカップを見つめる。


「私が淹れます。侍女の仕事なのに……」


「今日はもう十分働いたでしょう?」


「でも、これは私の仕事です」


「うん。でも、今日は僕が淹れたかったから」


カイルはそう言って、自分の分のお茶も用意した。


「一緒に飲もう」


ルシアは少し迷ったあと、カップを両手で包む。


「……ありがとうございます、カイル様」


「うん」


二人でお茶を飲む。


仕事の合間にこうして同じ時間を過ごせることを、カイルは以前より嬉しく感じていた。


そして心の中では、これからもルシアが無理をしてしまわないよう、そばで気づいていようと思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。