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見守る
会議が終わると、カイルは執務室へ戻った。
ルシアもその後ろをついて歩く。
「カイル様、お疲れではありませんか?」
「少しだけかな」
「お茶をお持ちしますね」
「ありがとう」
ルシアが部屋を出ようとすると、カイルがふと声をかけた。
「ルシア」
「はい?」
「今日はもう、仕事は終わり?」
「いえ。まだこのあと、別のお仕事があります」
「そっか」
カイルはそれだけ言った。
ルシアは笑って部屋を出ていく。
しばらくして戻ってくると、カイルは机に向かっていた。
その横でルシアも自分の仕事を始める。
――やっぱり、専属にしてよかった。
カイルは心の中でそう思った。
こうして同じ部屋にいれば、ルシアがどれくらい働いているのかも自然とわかる。
今日も忙しそうだ。
けれど、ルシアはいつものように手を止めない。
カイルは何も言わず、書類から顔を上げた。
ルシアは黙々と仕事を続けている。
「……」
カイルは小さく息を吐いて、また書類へ目を戻した。
今はまだ、何も言わない。
ただ、そばにいる。
それだけでいいと思っていた。




