第8話
第8話
1時間目は数学だったよな。
担当は誰なんだろ?
数学出来る人が多すぎて
むしろ分かんねぇんだよな。
ガラガラ!
「数学担当の大鳥圭介だ。これから、よろしくな。」
大鳥圭介ー!?
やっぱり隣の副担は大鳥圭介かよ!
まぁ、この人校長を4校でやってた
ガチガチの教師だもんな。
松本良順先生とコレラの研究してたし。
レンズ作ったり、蒸気船の模型作ったり
気球とか温度計も作ったんだよな。
数学じゃなくて物理のが良かったんじゃね?
……まさか両方とかか?有り得る。
大鳥「では、教科書を開いて。
先ずは基本の放射線からだ。」
ん?これよく見たら数C!?
待て待て待て!!数Cとか高校2年の後半か
3年レベルじゃね!?
今の今まで気づかなかった!嘘だろ!?
とか言ってたら先生、方程式書いてる!
ノート間に合え!
大鳥「ある点からの距離とある定直線からの距離が等しい点としての軌跡を求める方程式で〜」
説明は上手いんだけど!
やってんのは数C!
もー、これ絶対数学Iとか
数Aとかやって何になる?とか思ってるだろー!
大鳥「では例題1。フランス式歩兵が」
フランス式歩兵がって言った!
なんの授業だよ!?
大鳥「時速4キロで前進し、敵の野砲を避けるための放射線のベクトルを求めよ。」
は!?いや待て待て待て!!
野砲ってカノン砲の事だったよな!?
マッハでまっすぐ飛んでくる弾を
どーやって避けるんだよ!
てか、それならボームル砲とかのが
放射線になるんじゃねぇの!?
後、時速4キロじゃ避けられません!!
ていうか、これ最早
数学じゃなくて軍事学じゃね?
もー!俺なんでダメ出しとかしてんの!?
五代「はい、先生。カノン砲の低伸弾道よりも
臼砲の曲射弾道を
用いた方が良いのではないでしょうか?」
五代がリアルに聞いちゃったよ!!
大鳥「ほう、五代君。
確かにカノン砲の弾道は直線に近い。
だが、2キロという長距離射撃における重力の影響と
空気抵抗の二次関数的な減速を計算に入れるなら、
これも広義の放物線と言える。
実戦の現場では
そのわずかな曲線を予測する能力が必要なのだ」
五代「なるほど、実戦に即した応用数学ですか。
勉強になります。」
まじかよ……。この大砲マニアどもめ!
鍋島直正が作ったカノン砲を計算させてやがった!
この人が大砲マニアになった理由も
鍋島直正になかったか?
キーンコーンカーンコーン
大鳥「終わってしまったか。
では各自、復習しておくように。」
終わったぁぁぁ。
時間割に数学は軍事学って書いとこ。
あ、窓開けよ。おら!全開じゃぁぁぁ!
春の風ってまだ冷たいよなぁ。
さっっむ!
五代「なんで窓あくっど!?」
乃木「うぅ。さぶい。急にどうしたん?窓開けて。」
「保健委員の仕事なんだよ。授業終わったら
5分は開けておくことって。
5分経ったら閉めて良いからさ。
高松先輩からの指示なんだ。
ま、全開は1分くらいで後は
細く開けといたら多分大丈夫。」
閉めようとしてた奴の手が止まり
そっと窓を全開に戻してたのウケる。
高松先輩やっぱり怖いんだな。
もしくはバックにいる誰か。
いや、先輩や先生方の名前出すだけで
超スムーズだ。助かる。
あ、5分経ったな。閉めるか。




