第9話
第9話
キーンコーンカーンコーン
2限目は国語かぁ。
現国と古典どっちかは書かれてなかったんだよな。
ガラガラ!
「おはようございます、皆さん。
国語担当の吉田松陰です。」
吉田松陰!?
吉田「それでは皆さん早速ですがプリントを
お配りしますので先ずは読んで下さい。」
回ってきたプリントを読むと
時事問題が書いてあった。
なるほど。吉田松陰らしいな。
吉田松陰は時事問題を絡めて教えることで
政治への関心を高め
一人一人を丁寧に教えることで才能を伸ばした。
教育の天才だ。
その点に関しては俺はワクワクしている。
だが!言わせてくれ!
インターネットやAIの普及による個人の[志]の低下。
ってなんだよ!?
最早、現社だわ!!担当教科間違ってねぇ!?
ていうか、これ自分の志を書けって事だよな。
めっちゃ枠がデカいもんな。
取り敢えず真面目に考えて答えてみるか。
ブーンと音がするので見てみるとハエが飛んでる。
ん?乃木の様子が変だな。
震えながら一生懸命プリント書いてる?
あ!吉田松陰先生の叔父である玉木文之進に
教えられてるから、ビビってんだ!
玉木文之進は公私混同をもっとも嫌った人で
吉田松陰先生も顔をかいただけで
ぶん殴られたという話がある。
勉強という[公]に顔が痒いという[私]を
優先したと言われてな。
乃木もハエごときに乱されるとは
何事だとぶん殴られてんるんだ。
つまり今の乃木はトラウマで震えて固まってる。
というとこだろーな。
吉田「おぉ、乃木君とても素晴らしい集中力ですね!」
いやいや、乃木怖くてそれでも何とか
書いてるだけだって先生。
多分、字ガッタガタだぞ?
っと、乃木の観察してる場合じゃねぇわ。
俺も書かねぇと。
取り敢えず吉田松陰が喜ぶけど
大興奮しねぇ程度に……は分かんねぇから
俺の思うままに書くか!
AIの普及によって人の暮らしは便利に
なりましたが、それによる課題も増えました。
AIが人間の仕事を無くしてしまうという点です。
人間だからこそできる仕事を
AIがすることにより人間のやる気が失われ
無職になる人が増えるのではないかと考えます。
なので、人間はAIの活用方法を考えていくべき
だと思います。
AIをどこまで利用しAIには絶対に立ち入らせない
領域を線引きし、効率よくかつ円滑にAIを使うか
人間が完全な怠惰にならないように
するべきだと思います。
こんな感じか?
多分、先生の考えるのを止めるなという
課題には答えてる……はず。
スっと五代が手挙げてんだけど
え?これって発表する流れだったか?
五代「おいの志はこれじゃ!
AIは仕事を効率よく進めるには最適や!
人に任せると遅くなる仕事をAIに任せて
人がおらんと進まん仕事に人材を
投入する!これこそがおいのプランや!
コストとコスパの両方をとるんが正確や!」
おいおいおい!!
誰が起業の話をしろと言ったよ!?
吉田「素晴らしい!!」
ええええええええっ!
素晴らしいって!!
まぁ、課題から大きくは外れてねぇけど。
ていうか五代は隙あらば会社立ちあげる気
満々なの何なの?
お前、もう経営学と経済学取って資格取ったら
いいんじゃね?大学行ってなくても
お前なら取れそうだよ。
吉田「さぁ、書けた人から提出して下さい!
次の授業には、これを戻しますので
ディベートしますよ!!」
えぇ〜。これでディベートとか
カオスにしかならんって。
キーンコーンカーンコーン
吉田「では、今日の授業は以上です。」
ふぅ。さっきの大鳥圭介先生もだけど
この学園やっぱぶっ飛んでるな。
国語で現社やるとか……古典とかどーなるんだ。
あ、窓開けよ。
お、ハエ出てった。
乃木「ふぅ……。助かった。」
「乃木、お疲れ。ハエと吉田先生がセットだと
生きた心地しなかったんだろ?
玉木文之進思い出して。」
乃木「なんで!ってそうか。
知ってるんじゃった……。
そうなんよ。玉木先生はぶり怖かった。」
「吉田先生も顔をかいてぶん殴られたらしいぜ?」
乃木「そーなそ?それは知らんかった。」
「あ、俺ちょっと水道行って石鹸見てくるわ。
無かったら昼休みに補充だから
今の内に確認しとこうと思って。」
乃木「それやったら僕も手伝うよ。
2人のが早いじゃろ?」
五代「おいも手伝う。3人のが効率よくできるじゃ。」
「五代。助かるわサンキュー。
メモ取るからルーズリーフ取ってくるわ。
……そういえばお前さぁ
さっきの起業する気、満々で笑ったわ。」
五代「おいは本気やからな!」
「混ざってる、混ざってる。
よし。廊下行こうぜ。」
ルーズリーフを折ってシャーペン持っていざ!
「石鹸ってオートディスペンサーかよ!
え、どーやって詰め替えんの!?
俺、これ使ったことねぇよ?」
乃木「ちょっと待っちょって?見てみる。
田中君、ここの電源を切って開けて
パックを入れ替えるみやすいやつ。」
「みやすい?」
乃木「簡単って意味だよ。」
「へぇ。そうなんだ。勉強になります。
所でそれ半分残ってるね。」
乃木「いえいえ。そうじゃね。次はこっち開けよう。」
五代「こっちも半分ある!」
「五代、サンキュ!次の頼む!」
五代「おぅ!」
ってサラッと流したけど五代も最新機器に
強いんだな……。
え、現代人の俺……負けてる?
いや、コイツらも今は現代人だわ。
そうやって全て確認したら空なのは1つだった。
よし。これで良いな。
1年B組の前は向こうの委員がやるだろ。




