第10話
第10話
俺達は3限目が始まる前に
窓を閉める為にA組へ戻った。
つっても目の前だけどな。
にしてもオートディスペンサーとか導入したの
緒方先生だよなぁ。
提案は高松先輩か?
病原に触るリスクを少しでも減らせる
ならと導入してそうだよなぁ。
フランス留学とかして医療の最先端に
触れてきた人だ。
オートディスペンサーが出た時点で
ガチの企画書出したんだろーなぁ。
んで、新しくなる度に広口大容量の良さとか
今のやつとか、その内ボトルを
そのまま替えるタイプに変わる予感。
生徒に管理を任せてるから
半乾きとか洗わないで石鹸入れられるより
衛生的だしな。
てか今のもそんな理由なんじゃねぇの?
窓を閉め終わり机に戻って3限目の準備をしてると
ガッシャン!ガタガタ!
とか凄い音が隣から響いた。
何事かとクラスの全員が廊下を覗き込んだ。
河井「このオートディスペンサーは
連射で泡出せんのか!」
大鳥「河井先生!壊さないで下さいよ!
それ、高松君と緒方先生が
企画書を提出してまで教頭の井伊先生に
導入させたヤツなんですよ!?」
東郷「河井先生!おいも連射させてみよごたっ!」
おいおいおい!!
どこから突っ込めばいいのか分かんねぇけど
取り敢えず東郷平八郎!お前!
新入生代表挨拶の時の無口さはどこ消えたんだよ!?
連射させてみたいじゃねぇよ!
てか、やっぱり高松先輩が企画書出してたー!!
緒方先生が後ろでニコニコ熱弁したんだろう。
てか、井伊直弼は
その熱弁に負けたのかよ。
まぁ、理路整然と説明されて
納得しちまったら導入せざるを
得なかったんだろうな。
そもそも大隈重信も大村益次郎も
参戦したのだとしたら……
うん、井伊直弼でも
負ける予感はするな。
あ〜、廊下が泡まみれだよ。
これ掃除するの誰なんだよ……美化委員か?
……アイツら掃除できんの?
島津「何を騒いでいる。」
「!!島津殿!!」
「島津様!!」
振り返った東郷平八郎と五代が
土下座してる!?
てことはこの人!
島津 斉彬か!
まだいたのかよ!教頭井伊直弼と
バチバチにやりあったやつPart3!
藩主の器を持ちながら海外大好きの
曽祖父に似てるから
という理由だけで周りが不安がって
藩主を40まで譲って貰えなかった人だ。
反射炉を鹿児島に作らせた人でもある。
その時に西洋人も人、佐賀人も人。
同じ人なのだから絶対できる!
と言い本当に作っちまったんだよ。
そして、江戸のガラス工芸を取り入れようと
試行錯誤した結果が薩摩切子の誕生だ。
島津 斉彬は
最先端の物が大好きだが
お金を稼ぐ事も同時にできる
散財ばかりの曽祖父よりも上手
だったという訳だ。
五代の隣にそっとしゃがんで小声で
「五代、もう少し下がった方が良いぞ。
泡がつきそうになってる。」
五代「センキュ。」
そう言いながら頭を上げることなく
ジリジリと下がったの見て虫みたいで
ウケる。と思ったのは許してくれ。
それより島津斉彬の
手にある化学の教科書が俺は気になります。
島津「そこの土下座しとる2人は立って良いぞ。
ワシはもう藩主でもない。」
五代/東郷「はっ!」
と言いつつ2人ともシャキッと立つ辺りがなぁ
……訓練兵かっての。
島津「それにしても連射とな。
ふむ。これは……
そもそも連射させるなら
基盤から作り直す必要があるの。」
そう言いオートディスペンサーを
元の場所へ戻した。
島津「さて、今日は実験室で
成分ごとの泡の寿命を調べる実験にするかの。」
おいおいおい!それ今、決めたろ!?
大鳥「島津殿!困ります!
授業のクラスの変更は許可が!」
島津「お主も数学じゃなくて
軍事学を教えたと聞いたが?」
うっ。と詰まる大鳥圭介。
あっ、やっぱりアレはアウトだったんだな。
島津「河井、大鳥。廊下はお前達が
責任もって片付けるように。」
河井/大鳥「「はい。」」
おぉ、河井先生と大鳥先生が
シオシオと返事してる!
流石は島津斉彬!




