第5話
第5話
キーンコーンカーンコーン。
福沢「では、今日のホームルームは以上だ。
委員会の決定は昼休みに
廊下の掲示板へ張り出されるからよく見ておけ。
放課後には委員会集会だ。」
……は?待て待て待て!早すぎね?
「あの、先生。委員会集会早すぎません?」
俺が意を決して手を挙げ発言すると
福沢「何を言っている。昼には決定するのだから
早々に集まり仕事を振り分けねば
時間の無駄だろう。」
あー!そうだった!
この人めっちゃ合理主義なんだよ!
福沢「質問が以上ならば失礼する。」
先生もういねぇし。
肩にぽんと手が乗せられ振り向くと
乃木希典がいた。
乃木「お互いせんないとこに
なりそうじゃけど、頑張ろう。」
「おぅ。俺、さっきも言ったけど田中修。
良かったら仲良くしよーぜ!」
乃木「僕、乃木希典。方言はなすけぇ
分からんことあったら聞いて。」
「おー!俺あんま方言とか馴染みねぇし
色々聞くかも!」
乃木「うん、良いよ。」
「とりあえず、せんないって?」
乃木「せんないは面倒臭いとか辛いとかって意味。」
「あ〜、なるほどな!山口弁で面倒臭いとか
せんないって言うんだな!」
乃木「僕、君に山口出身って言ったっけ?」
「あ〜、俺。日本史が好きでさ!
そんで乃木の事も知ってるっていうか。」
乃木「凄い!勉強熱心なんだね!」
「いやいや、学者目指して
家を飛び出した乃木程じゃねぇよ。」
乃木「なんか、昔の自分を知られてるの恥ずかしい。」
俺達の会話を聞いてたのか五代が急に入ってきた。
五代「おいんことも知っちょっか!?」
「お、おぉ。……なんて?」
五代「ドゥーユーノウミー?」
「あぁ!知ってるけど。外交官として
日本を守ろうとした五代友厚だろ?」
五代「!!わい、良かやつじゃな!!」
「いたい、いたい!肩そんな
強く叩かないでくれよ。
俺そんな強くないからさ。」
五代「ソーリー!」
「良いよ。にしても五代は生徒会で良いのかよ?」
五代「オフコース!おいが会計せじだいがすっど?」
「うん、おいが俺ってことと会計は分かった。」
乃木「た、多分ね、俺が会計しないで
誰がするんだって言ってるよ。」
「え?乃木わかんの!?」
乃木「何となくだけどね。」
あ!薩長同盟だ!
乃木は長州藩士だし薩摩弁慣れてんだな。
そんな風に話してた時だ。
スピーカーからピアノのチャッチャーン♪
って軽快な音楽が流れてきて
「行かん祖国の子らよ。栄光はきたり。」
え?急になんの曲?
なにかの合図?説明してくれよ!
「暴虐なる王の〜血塗られし旗が〜」
ん?てか聞いたことあるぞ、この曲……。
なんだっけな?ん〜。
「聞こえるか〜戦場の敵の雄叫びが」
めっちゃ物騒な歌詞だよな……。
そしてこの曲調……。
あー!思い出せそうで思い出せない!
「奴らが来たれば我が妻子を殺さん。」
うお!五代と乃木が周りをめっちゃ警戒してる!
しかも何気に俺を庇う構図なんだけど。
え?女の子ならトキメクんだが?
俺男だからサンキュ位だけど。
「武器を取れ!隊列組み」
ん?まさか!フランス国歌か!!
日本語バージョンで流すなよ!
ここまで聞かなきゃ分からんかったわ!!
「行け!行け!敵の血」
「畝に満たせ」
『ラ・マルセイエーズ』とか誰の選曲だよ!
テロ予告かよ!革命の歌を堂々と流すなよ!
元幕府組への皮肉にしか聞こえないって!
いや、フランスラブの先生達いたな。
我がクラスの副担任の栗本鋤雲やら
生徒会顧問の小栗上野介とかな!
んで、結局これなんの為の曲なんだよ。
ピンポンパンポーン
坂本「お昼の時間ぜよー!
さぁ、この学園を洗濯じゃー!」
このセリフは!坂本龍馬か!!
ってお昼の時間!?
?「坂本先輩!委員会違うでしょ!
勝手に話さないで!
後、お昼の歌を勝手に変えたの誰ですか!?」
坂本「それは俺じゃないぜよー!」
え!まさかお昼の合図は音楽流すのか!?
ぜってー!選曲ミスってるって!
血なまぐさすぎだろ!!
後、坂本龍馬は美化委員だったな、怒られてる。
というか元々流す曲と違ったんだな。
そこは安心したわ。
乃木と五代もホッとしてるわ。
「乃木、五代、ホッとしてるとこ悪いけど
地獄の掲示板見に行こうぜ?」
乃木「あ!……うぅ。行きたくないんじゃけど。」
五代「おいはGOトゥギャザー!」
「なんで英語混ざってんだよ。
分かりやすいけどさ。
まぁ。とにかく行こーぜ。
どこの教室に集まるかとか分からねぇと
動けねぇしさ。」
乃木「それっちゃね。行こっか。」
掲示板の前にはめっちゃ人だかりができてた。
まぁ、そりゃそうか。
皆、確認するよなぁ。
五代「ソーリー!おい達も見ろごた!」
振り返った生徒達が五代だと
囁きつつ道を少し開けてくれた。
「さて、保健委員は……やっぱり保健室だよなぁ。」
乃木「僕は文化祭実行委員……分かっちょったけど。
視聴覚室ってどこにあるんじゃろか?」
五代「おいは生徒会!生徒会室じゃ!」
地図とかねーよなぁ。
この学園は軍出身者も多いからそんなもん
敵に情報与えるだろ!とか言ってそう。
「とりあえず確認できたし
お昼ご飯食ってから探しに行かね?」
乃木「!良いね、それ。」
「2人は購買?弁当?」
五代「おいは購買。」
乃木「僕はお弁当だよ。」
「じゃ、五代行ってこいよ。
俺達教室で待ってるから」
五代「センキュー!」
「教室戻って机寄せようぜ?」
乃木「うん、そうしよう。」
乃木と机を寄せあって
弁当を準備してると割とすぐに五代は戻ってきた。
五代「見てくれ!カツサンドあった!」
おぉ。目がキラキラしてるな……。
五代が座ったし俺も弁当開けよ。
五代「おぉ。田中の弁当はビューティフォー!」
乃木「わぁ。お母さんの手作り?」
「おぅ。玉子焼きとか唐揚げとか俺好きでさ。
って、乃木それだけで足りんの?
おにぎりと梅干しとたくあんだけって。
ストイックに生きた乃木らしいけどさ。」
乃木「僕は足りるよ。それにこの後のこと考えると
あんまり食べたら……。」
「あぁ。分かる。俺も胃が痛くなりそう。」
はぁ。と乃木と二人でため息ついていたが五代は
五代「おいは楽しみじゃ!」
生徒会を裏から操る気満々だけど大久保利通だ。
そんな簡単にはやらせてくれねーって。




