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第4話

第4話


福沢「理解したか?

では、これから委員会希望用紙を配る。

全員、提出するように。

空欄は許されないぞ。」

……嘘だろォォォ!

え?今、委員会入るなよと言っておきながら

普通に委員会決めるぞ。とか鬼かよ!

福沢「文化祭実行委員に入らんかったら

わや言われるんじゃーろな。」

乃木はなんかドヨーンとしてるが

間違いなく文化祭実行委員に

引っ張られるんだろーな。

ていうか、待てよ?

他の委員もあるはずだよな?

配られた用紙を見てみたら

良かった!他の委員会もちゃんとある!

つまり、あの4つは避けられる!

俺は図書委員を第1希望にする!

第2希望どうするかな〜。

陰キャに運動会実行委員とか体育委員は無理。

てか、他にも出来るやつ沢山いるしな。

第2希望は保健委員にしとこう。

五代「なんじゃ、乃木は諦めたんか。

おいは、生徒会にしたじゃ。」

五代は煽っていくスタイルだな。

そういえば五代は大久保に浜寺公園の

松が伐採されそうだと案内して

それを知った大久保は反対する

歌を読んで阻止したんだよな。

かつての仲間と共に!

って結局、過去の因縁断ち切る気ゼロかよ。

ちなみに放送委員は高確率で

美化委員と文化祭実行委員が来るとみた!

ふと、手元が少し暗くなった。

そっと上を見上げると……

福沢先生がプリントを覗き込んでいた。

ヒェッ!って悲鳴でそうだった!

福沢「ふむ。田中は図書委員を選ぶか。」

「え。」

福沢「顧問は鍋島直正(なべしまなおまさ)

委員長は橋本左内(はしもとさない)

副委員長は江藤新平(えとうしんぺい)だ。」

……はぁぁぁぁぁぁ!?

なんでだよ!そろばん大名様は

環境委員とかじゃねぇのかよ!

蘭学を読み漁ったりしてたからか!?

反射炉とかアームストロング砲とか

男のロマンを実現させちゃった人だもんな!

バチバチの理数系のあの人がなんで

図書委員顧問なんだよー!

間違ってるってー!

委員長が橋本左内って!

マジかよぉ!

教頭との因縁Part.2!

教頭の井伊直弼(いいなおすけ)の癪に触って

刑罰が重くなって死罪になったやつ!

これは、藩主を庇わずに藩主に命令されました。

とバカ正直に答えたせいだ。

当時は藩主を庇うのも武士道とされてたからな。

15歳にして啓発本書いて

人生悟り尽くしたようなやつだ。

んで副委員長が江藤新平って!

三権分立を取り入れて近代の司法の基礎を

作り上げたやつが何故!図書委員!

生徒会にいかなかったのは分かる。

大久保利通がいるからな。

大久保利通のせいで死罪になったと言っても

過言ではないんだよな。

福沢先生も江藤新平をよく調べもせず

公正な裁判ですら無かった。

これは刑罰ではなく戦争で

討ち取ったのと変わらない。

これは政府の欠点だと言ったんだよな〜。

そうか!顧問の鍋島直正だ!

脱藩したにも関わらず死罪にならず

無期謹慎で済んだ理由が鍋島直正にある!

鍋島直正は江藤新平を高く評価して

今殺すには惜しいと謹慎処分にさせたんだよ。

福沢「図書委員として新しい風を吹き込んでみるか?」

「あの、先生。

第2希望の保健委員への変更はアリですか……?」

福沢「ふむ、保健委員か。

保健委員顧問は大隈重信。

委員長は大村益次郎。

副委員長は高松凌雲(たかまつりょううん)だ。

そして校医に松本良順と緒方洪庵先生だ。」

顧問が大隈重信!?

いや、偉人達の1番の潤滑油とも言える人だよな。

内閣総理大臣を何回かして通貨を円と決めたり

日本初の鉄道やらなんやらこの人の功績だ。

早稲田大学作ったのもこの人だしな。

女子の教育にも力を入れて

立教大学の支援もしていたし。

この人の凄い所は英語や

他の語学も全く出来ねぇのに

成績は優秀だったことだ。

そもそもオランダ語を

『勘』で読むやついねぇって。

それでナポレオン伝記読むんだからな。

まぁ、そんな大雑把な性格なもんだから

政治家としては上手くいかなかったらしい。

岩倉と伊藤と大隈とで飲む時は山尾がそばに居て

酔った勢いで岩倉と伊藤がケンカした時に

お、いいぞ!やれ!辞表?書け書け!

俺が提出してやるよ!と言うもんだから

それを聞いた山尾が、すっ飛んで来て

まあまあと取りなしたとか。

山尾は下戸で飲めないから

損な役回りさせられてんだよな。

唯一、西郷隆盛とは仲が悪かったらしい。

福沢先生とは食わず嫌いみたいな感じだったのが

話してみると良い奴!で意気投合。

福沢先生が亡くなった後に大隈家から献花を

送ると福沢家は唯一受け取ったらしい。

委員長の大村益次郎は知識だけはあるけど

治療は下手で医者向きじゃないと

弟子にすら言われてたやつじゃん。

ていうか、コイツ軍師だろ?

え?保健委員?間違ってね?

後、福沢先生とは仲悪いよな!

この人は過激派であちこちに敵を

作るタイプで教え子達と食事中に

元長州藩の奴らに襲われ

その時の大怪我が元で敗血症になり

治療もむなしく息を引き取ったんだ。

あ、敗血症はザックリ言うと

ウイルスや細菌が原因で

免疫が暴走して内臓を攻撃される事で

内臓が動かなくなり死に至る病気だ。

んで、副委員長の高松凌雲(たかまつりょううん)だ。

この人は農民から養子に出され

武士になったんだが

養子先が気に入らず脱藩。

江戸に逃げて医者を目指すようになって

オランダ医学を徹底的に学んで

オランダ語をマスターして

その後、英語もマスターしてる。

そして、噂を聞きつけた上が

専属医師として彼を雇った事で

幕府のお抱え医師となった

天才だ。

フランスへ留学して貧しい人への

無料で治療している事にショックを受け

戦争に医師として参戦するも

病院で俺が何をしようと口出しするな。

と言い、敵味方関係なく治療を施し

大ブーイング受けるも

俺の好きにするって言ってあるだろーが。

と相手にしなかったらしい。

ちなみに、これが後の赤十字の活動になる。

だが赤十字は軍によって設立された為に

働くことは拒否している。

泣きつかれて仕方なく治療したことはある。

その後徳川家の土地で開院するも

貧しい人を無料で治療するには

自分1人の限界に気づき『同愛会』を作る。

民間救護団体の前身とも言われてるんだ。

校医が2人いるのが謎なんだが。

松本良順は近藤勇と仲が良くて

新撰組の隊士達を治療してたんだよ。

つまり、松本良順の方は新撰組が

占領してる可能性が高い!

他の人が他のものも同時に学んでいたのを

良しとせず医師になるなら医学だけを!

モットーに突き進んだ人で初代陸軍軍医総監様だ。

教頭の井伊直弼(いいなおすけ)から

教官は帰ってくるようにと

突然言われ教官が帰国しなくて済むように

取り計らった1人だ。

ロシア兵が長崎に寄った時には

遊女の梅毒検査をしたのもこの人。

戊辰戦争後に投獄されるものの釈放されてる。

ケガなら肉食え肉!と言った最初の人でもある。

長野県の温泉の入浴法を決めたのもこの人。

海水浴場作ったり牛乳飲むのを広げたのもこの人。

『正露丸』の旧文字の

『征露丸』に顔写真がロゴになってる

唯一の人でもある。

知った時は松本良順かよ、あの顔!

って叫んだのは良い思い出だ。

分かるかもしれないが熱血系の医者だ。

もう1人の緒方洪庵は松本良順と逆の

温厚な性格だと福沢先生が残している。

ていうか大村益次郎と高松凌雲が

保健委員な理由、絶対この人だからな!

福沢先生は腸チフスになった時に

看病と治癒を手厚くされた事で

更に懐いた経歴がある。

緒方洪庵は医者や蘭学者だけでなく

他の漢学者や豪商とかとも仲が良く

めっちゃ顔が広い人だったんだ。

てか、この人西洋医学だけじゃなくて

漢方にも詳しくて

漢文や古典なんかも勉強したりして

本当に色々幅広く学んでるんだよ。

どんだけマルチに手を伸ばしてんだって

話だよな〜。

歳とってから自分でまず英語を学んでその後に

弟子たちにも学ばせたというくらい

ずっと何でも受け入れる柔軟な思考をする人で

正直、今でも珍しいよな。

歳とると、どーしても昔の考えに

固執しがちだからな。

後は新しい物に追いつけなかったりな。

この人は常に自分をアップデートできる天才だ。

そんな事を考えていたせいだよ!

福沢「……良かろう。

それぐらい悩むのならば緒方先生のいる

保健委員へ入るがいい。

私が訂正して私の推薦もつけてやる。」

そう言ってサラッと赤ペンで

第1希望に保健委員と書き加え

図書委員は二重線で消された。

先生は心なしか満足気に歩いて教壇へ……。

待て待て!先生待って!?

入るとか言ってませんけど!?

てか悩んでたのはどこも委員長とか

濃いすぎだからですけど!?

てか先生から推薦されたら

間違いなく保健委員決定ですね!?

だって、そーゆうメンツじゃん!!

オレ、生きていけるかな……。



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