第18話
第18話
次は音楽か移動だな。
窓閉めてから移動した方がいいな。
乃木「窓こっち閉めといたよ。」
五代「ん、教科書は持っててやったぞ。」
「サンキュー!行こうぜ。」
俺達は音楽室へ移動し
「音楽の先生って誰なんだろな?」
乃木「ん〜僕らの時代は
音楽家は少なかったけぇね。」
「そうだよな、吉沢検校か
杵屋正次郎か伊沢修二辺りだろーな。」
五代「ほんのこて、わい詳しかね。」
乃木「それっちゃね。僕らも見習わんと。」
「いや、お前らのがすげぇことしてるから。」
とか言いながら授業開始を待っていた。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラ
腕に手を置き白杖を持ってんのは間違いなく
吉沢検校だろう
ちなみに吉沢検校は
2人いて、初代が父親。2代目が有名な吉沢検校である。
んで、腕を組んで入ってきたもう1人は……
誰だよ?もー、マジで昔の写真って
歳とってからのが多いから分かんねーって!
吉沢「では授業を始めよう。
わっちは見ての通り盲目 や。
そやから2人体制で授業をするんやて。」
まさかの方言!!
そうか、吉沢検校って愛知県出身だったな。
伊沢「君達に合唱等を教える伊沢修二だ。」
吉沢「今日は私の授業から始める。
私の専攻は器楽である。
君達には箏から始めてもらう。」
そう言われ箏……琴のことだな。
よく見るタイプのやつで
柱と呼ばれる物を弦の間に入れて
爪をつけて弾くやつだな。
伊沢修二が箏の並べ方を指示し
俺らも慎重に運び柱を並べていく。
これ、シールが貼ってあるから
並べられるけどシールなかったら絶対
並べられなかったよな。
伊沢「やはり、シール貼っておいて正解でしたな。」
吉沢「ふん、シールなど貼らんでも分かるだろう。」
伊沢「音楽に触れてこなかった者たちが
分かるはず無いでしょう。」
と先生達がプチ争いしてる。
にしても近代音楽家の伊沢修二と
日本の伝統を重んじる吉沢検校が
思ったよりケンカしないんだな。
そんなことを思っていた時だ。
ガラガラ!!
勝「おぅ、新1年どもやってるかぃ?」
勝海舟校長!!
勝「流石に入学してすぐに突撃すると
井伊のやつがうるせぇからな。」
いやいや。多分いつやっても怒られるって。
ていうか教頭の井伊直弼を
撒いてきたか……目を盗んできたのか。
どっちにしろこの学園のトップだろ?
授業の邪魔しに来てんじゃねぇよ。
自由過ぎじゃね?この校長。知ってたけど。
伊沢「校長。困りますな。今はどう見ても
授業中です。生徒達の気が散りますのでお引取りを。」
勝「まぁ、そう硬いこと言いなさんな。
お、五代と乃木とそこのお前。
さっき職員室を覗いてたろ?」
見てたのかよ!この人!!
てことは動画もバレてんな……。
チッ。とられるとマズイ!!
思わず机の中のスマホをチラッと見た。
勝「心配すんな。取り上げたりしねぇよ。
あれは福沢達がお茶会してのが悪りいからな。」
ホッと胸を撫で下ろしたが
そっちも知ってたんかい!
だったら止めろよ!?分かってて放置とか最低だ!
乃木「知っちょって止めんかったんですね?
校長ともあろう貴方が黙認するとは!
この学園の品位を落とす行為に他なりません!」
勝「まぁ、落ち着けよ。乃木。
不条理なのがこの世の中だろ?」
五代は……既に魂が抜けてんな。
可哀想に……。
ズダダダダダ!!
ガラガラバァンっ!!
井伊「かつ!かい!しゅうー!!
おーまーえーはぁー!!
何しているんだ!仮にも校長だろうが!!
校長室へ今すぐ!いいか!今すぐ戻れ!」
勝「げぇ。来るの早くねぇか?」
おう。教頭の登場だ。今は物凄く頼り甲斐があるな!
近藤「教頭!すまん、少し遅くなったか?」
井伊「近藤!良いところに来た!この!アホ!
つまみ出せ!生徒達の授業の邪魔になっておる!」
勝「は、つまみ出せるもんなら、やってみな!」
井伊「吉沢先生、伊沢先生、申し訳ない。
勝海舟はこちらで引き受ける。
授業を続けて下さい。」
吉沢「俺は目が見えんで状況が
分からんが早う出ていってくれ。」
井伊「えぇ。すぐにお暇しますとも!
近藤!勝海舟を連れてこい!」
近藤「はいよ。」
勝「おい!離せ!音楽よりも俺の現代社会を!」
井伊「やかましぃ!校長が授業などせん!
それよりも、書類仕事しろ!」
わぁ。あの先生達いなくなっただけで
めっちゃ静かになったわ。
乃木「……規律を乱すんは誰であっても
許されんっちゃ。お昼休みは
生徒会室に殴り込みじゃ。」
おわ!こっちは陸軍将校モードだし!!
殺気立ってんなぁ。乃木は規律やら倫理やらを
重んじるタイプだしなぁ。
地雷踏んだな、先生達。手合わせとこ。
自業自得ですよーっと。




