第16話
第16話
五代と俺が教室へ着くと心なしか
空気がドヨーンとしている。
みんな、多分なにかしら
取り上げられたりしたんだな。
乃木「あ、五代おはよう。大丈夫だった?」
五代「It's not okay. My tea was taken.」
「すげぇショックだったらしくて、
ずっと英語なんだよ。」
乃木「あはは。元気だして。」
五代「乃木もAfternoon Tea一緒にしような。」
乃木「え?僕も?良いけど。」
それを聞くと五代はパァっと顔を輝かせて
五代「うんめかお茶用意すっでな! 」
と機嫌が直ったようで何よりである。
ホームルーム終了!
健康カードを集める時間だ。
ふふん、今日は昨日貰った名簿を元に作ったんだ!
健康カード提出表!!丸つけして貰ったら
並べやすいよな!
ちなみに、量産済みなのでこの表と共に
高松先輩へ提出したら並べ直す必要も無い!
「健康カード提出お願いします。
出した人はこの表に丸をつけてください。
丸をつけ忘れたら保健室へ俺と来てもらいます。」
そう言うとみんな素直にカードを
提出して丸をつけてくれた。
いやぁ、先輩達のネームバリューは最恐だ。
その表とカードを提出したら
高松先輩に「なるほど、考えましたね。」と言われ
大村先輩が、「ふむ。これは良いな。」と言っていた。
俺は少し嬉しくなりつつ教室へ戻った。
キーンコーンカーンコーン
お、1限目だ!英文法だったな。
先生は誰なんだろ?
ガラガラ
森山「全員揃っているな。
英文法を担当している森山栄之助だ。
では、授業を始める。」
はぁぁぁぁぁ!?森山栄之助!?
代々オランダ語通訳として活躍してる家の出で
英語も少し話せていたらしいが
アメリカの捕鯨船が日本へワザと漂着した為
そのクルー達の1人であるラナルド・マクドナルド
の取り調べをすることになり
英語を母国語とする彼から本格的に
英語を学んだとされている。
ちなみにマクドナルドと聞いて
あの赤いアフロ頭のピエロに教えて貰ってるのを
想像したのは俺だけじゃないと思う。
まぁ、ラナルド・マクドナルドは
ネイティブ・アメリカン……まぁインディアンだ。
なので顔立ちは日系で同じインディアンの
祖父から自分達のルーツは日本だと言われ
日本へ憧れ密入国した強者だ。
カトリックではなくプロテスタントだったが故に
踏み絵も躊躇いなくしたという。
聖書の持ち込みも許可され丁寧に扱われたことで
親日家になったとされている人物だ。
っと、話が逸れた。
そんなラナルド・マクドナルドに長崎奉行だった
井戸覚弘は
14人に英語を学ばせようと牢へ通わせたらしい。
その中の1人が森山栄之助だ。
彼はラナルド・マクドナルドが驚く程に
覚えが良かったと後に書かれているんだ。
森山「さて、この英文を五代。和訳してみろ。」
五代「はい。……イギリスの紅茶は異文化交流として
とても美味しく飲ませて頂いた。
先生!どいうことですか!おいの!
おいん紅茶、勝手に飲んだと!?」
は?生徒が没収した紅茶勝手に飲んだ上に
英文法の授業で暴露しやがった!?
いやいや!ダメだろ!
没収しても放課後には生徒に返さねぇと!
窃盗罪だぞ!?
森山「何を言う?近藤先生から異国の危険な
嗜好品かもしれないから確認してくれと言われた
立派な『接収』だ。」
いやいや。だとしても、だ。
茶葉少しだけ取って香り確認したら
終わりで良いだろ。
なぜ飲んだ?危険な品物かもしれないなら
口に入れないだろ普通。
つまり、五代が危険な物は持ってこないと
信じた上での暴挙だな。
マジでまだ幕末を生きてんなぁ。
ここの先生たち。




