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番外編③〜宿に着くまで編〜

番外編③〜宿に着くまで編〜


ギリギリ間に合った電車内。

ボックス席が空いてたので

松本先生、高松先輩、桂先輩、高杉先輩が

4人で座り俺と乃木は2人がけの席へ座った。

平日のお昼だからか車内は空いてんな。

高杉「よし、ソフトクリーム食べ終わったし

パン食べるか!」

高松「えぇ。どうぞ。今日は13時06分に新下関へ着き

その後にお多福という宿の無料送迎バスに乗り

チェックインになりますから。」

そうなのだ。今日は川棚温泉という場所の

『お多福』という所で泊まることになっている。

というかこの合宿の間はお多福だ。

「明日の送迎バスも頼んでいますので

安心していいですよ。」

そんなこんなで電車に揺られておよそ1時間。

新下関へ到着だ!

高松「……シャトルバスは予算の関係で却下したと

大久保先輩から連絡がありましたので

このまま幡生へ行き山陰本線へ乗り換え

川棚温泉駅へ向います。」

はぁぁぁ!?いま!?うそだろ!?

てか、絶対最初からそのつもりだったな!?

ていうか、俺調べた時に無料って

書いてあったけど!?

予算の関係ってなに!?

桂「大久保のやつ。初めからその気じゃったな。」

桂先輩がボソッと言うのを聞いて

皆で頷きあった。

高松先輩がコホンと咳払いして

高松「ですので皆さん乗っていてください。

このまま幡生へ向います。」

降りようとしていた高杉先輩は

その一言で固まった。

高杉「降りたらどーなるん?」

高松「1つ遅い電車で川棚温泉まで来て

1人で歩く羽目になるだけです。」

高杉「ゲッ。置いていく気かよ!」

高松「当たり前です。集団行動を乱す行いをする者に

情けなどかけませんよ。」

そんな話をしている間にプシューと扉は閉まった。

高松「良かったですね?置いていかれなくて。」

はは。高松先輩めっちゃ苛立ってんな。

高杉先輩は渋々桂先輩の隣へ戻って座った。

桂先輩に頭叩かれてて、ちょっと笑った。

「朝、高松先輩に言われて

チャージしといて良かったよな。」

乃木「うん。足りるか心配じゃけど。」

乃木と俺はそんな話をしていると着いた。

「はやっ。」

高松「さ、降りますよ。」

高松先輩は荷物を持ってサッサと降りて行った。

松本先生もそれに続いて降りている。

俺が慌てて荷物を下ろそうとしたら

乃木「僕が下ろしちゃるけ、落ち着き。

僕のリュック持っちょいて。」

「サンキュ。おぉ。持つわ。」

乃木に言われ乃木のリュックを持つと

乃木は俺のボストンと自分のボストンを掴み

アッサリと下ろした。

「……それ、重くねぇの?」

乃木「ん?これくらいなら軽い方かな。」

そう話しながら俺達は電車を降りた。

ホームでパンのゴミ袋を捨てている

高杉先輩を見て乃木がボソッと

乃木「高杉先輩がゴミ捨てるとか、いがい。」

思わず頷いてしまった。

そして、13時19分発の電車に乗って

川棚温泉へと向かった。

安岡だっけ?あの辺から海が

めっちゃ見えて綺麗だった。

そこから段々と山道なのか木が多くなって

梅ヶ峠(うめがとう)はザ!田舎の駅!って感じだった。

というか梅ヶ峠(うめがとう)って読めねぇよな!

俺も最初見た時はうめがとうげ?とか思った!

実は本州最西端の駅でマニアには有名な話。

下関駅は有人駅としては本州最西端という

本来なら下関が本州最西端なんだから

最西端の駅も下関だと思いがちなんだよな。

俺は偶々調べて知っただけ。

俺達が降りた川棚温泉駅は綺麗で

ICの読み取り台だけポツンと置いてあったから

そこにピッと当てて皆でぞろぞろ歩いて行くと

中はチラッとしか見てないけど

ホールみたいになってて

外に出ると龍が巻きついている時計台があって

思わず写メった。

高松「今が13時52分。

ここから歩いて27分ですか……。

荷物を預けてチェックインまで

どこか歩きましょう。」

高松先輩がそう言いポスト側の横断歩道を

スタスタと渡り出した。

道が分からないから高松先輩について歩いて行った。

最初はポツポツお店があった。

ファミマで飲み物買って

そこから更に真っ直ぐ歩いて行くと

段々と閑散とした街並みになっていった。

川棚温泉と書かれたデカい柱型の看板が見えて

そっちに向かって横断歩道を渡るから

あそこの奥か?と思ったら

左の方に向かう横断歩道を渡り真っ直ぐ

歩いて行くのでこっちじゃねぇんだ。

と思いつつ歩いて行った。

時々、高杉先輩が桂先輩に掴まれていたから

多分、どこかに行こうとしたんだろうな。

そして、周りより一回りでかい建物が見えた。

龍の石像が入り口にあった。

そして、荷物を預けてチェックインまで

時間を潰す為に歩き出した。

高杉先輩のワガママで瓦シュークリーム食べたり

温泉饅頭食べたり近くのスーパーへ行き

そこのヴァイセンというパン屋で

パン買ったり……

って高杉先輩達パン食べ過ぎじゃね?

他にも色々食べた。

てか食べてしかない。クスの森とかも近いから

そっちに行くかと高松先輩達が言うと

歩く時間聞いて嫌だ!という高杉先輩達で

1悶着あり結局チェックインに

間に合わなくなるからと

買い食いになった。

そしてお多福まで戻りチェックインした。

部屋は和室で広々しており

なんと6人部屋だという。

桂「……男6人でずっと寝泊まり。」

高杉「ヤダ!!むさ苦しい!!」

高松「経費削減の為です。黙って下さい。」

そうか、この人ら女大好きだわ。

俺は別に楽しそうだと思うけどな。

高杉「お、浴衣ある!着替えようぜ!」

高杉先輩が人数分ポイポイっと投げてきた。

松本「高杉!投げるな!」

松本先生に怒られても気にもせずポイポイ脱いで

着替え出した。

高松「浴衣に着替えるのは賛成です。

色々食べましたからね。

締め付けを最低限にできますから。」

そう言って高松先輩もそそくさと着替え出した。

松本「そうだな。食べた後だからな。

ゆったりとした服に着替えるのは良い。」

松本先生は既に着替え終わってんだけど。

え!!早くね!?てかみんなサクサク浴衣に

着替えてるけど俺着方知らねぇ!!

取り敢えずスマホ検索しよう。

そう言って動画で男の浴衣の着方を

見ながら右前?は?ん、こっちか?

とモタモタしてたら乃木が来て

乃木「田中、僕がやっちゃるけ貸して。」

「ごめんな。ありがと。」

乃木「ええんよ、僕らは慣れちょるけど

今は洋服しか着んけ分からんじゃろ。」

「正直、右前とか左前とか言われても分かんね。」

と俺が言うと松本先生がそっと口にした。

松本「そうか。現代人は男は特に

浴衣も着物も着ないな。」

高松「そうですね。洋服のが便利ですし

仕方ないのかもしれませんね。

着物や浴衣は高いですし。」

高松先輩も少ししんみりした様子で

遠くを見るような目で言った。

なんか、少し空気が重い。俺のせいか?

高杉「俺は寝る!」

松本「高杉、今横になるなら少し状態を起こせ。

こっちの座布団使え。」

高杉先輩が空気に耐えられないと言わんばかりに

横になり松本先生が高杉先輩へ座布団を

渡すことで和やかな空気になった。

乃木「田中、気にせんちょき。

少し昔を思い出しただけやけ。」

「乃木、ありがとう大丈夫だ。」

そうして各自好きなようにくつろぎ

夕飯の前にひと風呂入ることになった。

そこで、1悶着あるとは知らずに

呑気に大浴場へと移動した。

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