Q6 勇者は何をしましたか?
今回は短めです。
また、会えた。 か……。
あの約束は正直守れるようなものではないと思っていたんだが、結果はこの通り。俺は勇者と再会した。
またどこかで、とは言ったがあれは精々死後の世界とかのつもりだったが...まさか転生した先でとは思いもしなかった。
…………ここもある意味死後の世界だけどな。
だが、そう考えるとおかしな点が出てくる。
まず、俺が死んだ時期と勇者が死んだ時期には少なからずずれがあるはずだ。俺は勇者に倒されたが、勇者はおそらくその後も生きていたはず。なら、転生する時期にもずれがあってもおかしくない。しかし現実にはほとんどタイムラグもなくほぼ同い年に転生している。
それに、同じ世界に転生しているのも疑問だ。
これは推測だが、元の世界とは別の世界があるということは、ほかにも異世界と呼べるものもあるかもしれない。その中で同じ世界に転生するというのはあまりにも出来すぎている。
また、こんなにも早く出会えたことも、だ。
まるで、何者かが介入してきたようだ。なにより――
「なんで自分の正体がばれていたのか、とか考えてるでしょ」
「っ!?………………なんで分かった」
「私って結構人の考えてること分かるんだよね」
「…………ふん」
「まあ君が疑問に思ってることはおいおい教えてあげるからさ、今はとりあえず魔力検査に集中しよ?」
「むぅ……分かった」
「魔力測定はどうする?私も前世のスキルとかはある程度引き継いでるから、このままだと私たち神童になっちゃうよ?」
「まぁ隠蔽すればいいだろう」
さっきあの魔導局の爺さんが言っていた通り、魔力測定には自分の魔力を使用する。その時に体をめぐる魔力をいじる事によって魔力量やスキルの内容を隠蔽したり、偽装したりできるのだ。
ただ完璧に偽装することは難しく、見るものが見ればすぐにばれてしまう。
が、
「もちろん私の魔力の制御は完璧だよ」
…………なら大丈夫か。伊達に勇者をやっていたようではないようだ。
俺は元々魔力制御は得意中の得意だし、ユニークスキルによる補正もある。問題はない。
そして、俺たちの順番になった。……まぁ、あんまり低い値を出すのも両親の期待を裏切ってしまうということで二人で決めておいた普通よりも高めの魔力量を出した。
「おぉ!これは二人ともなかなか良い結果じゃ!将来有望じゃな」
「ありがとうございます、魔導局長様」
王女が優雅なしぐさでお辞儀をする。
「ホッホッホ、私は何もしておりませんよ、すべて王女様の実力ですじゃ。そして、アダマスクの小僧もな」
…………なんだ、名前知ってるじゃないか。
「今年も優秀な子供たちが揃っていた。この国も安泰だ。さぁ、この後は晩餐会だ、皆でこのめでたい日を祝おうではないか」
ロナウド国王のその声に合わせて広間に次々とおいしそうな料理が運ばれてきた。
晩餐会が、始まった。
「素晴らしいぞライアス!さすがは私の息子だ!」
「いえいえ、そんなことはありませんよ」
「何言ってるの、さすがは私の子ね」
だって本当はまだ隠してるからな……。
そんな風に話していると、誰かがこちらに近づいて話しかけてきた。
「謙遜はいらんぞ、ライアス・レオ・アダマスク」
「国王陛下!?どうなされましたか?」
「近衛騎士団長……いや、今はリオスと呼ぼうか。お前もかしこまった話し方をせんでもいいぞ。今宵は無礼講だ、いつも通りで構わんよ」
「……そうか、分かった。それで、なにかあったのか?ロナウド」
「それがな、私の娘がどうしても話したいことがあるそうだ。そうだろう?ルイン」
「はい、お父様」
――――――――――――嫌な予感がするな……。
「実は―――――――――――」
「そちらのライアス・レオ・アダマスク様を、私の婚約者にしてほしいのです」
―――――――――――――――――――――――――――――――は?




