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Q4 魔王の前世?

 







 前世では、俺は家族というものを知らなかった。


 いや、両親や兄弟などと呼べる存在はいた。


 しかし、そこに家族の絆や愛と呼べるようなものはなかった。





 俺は、その頃の魔族の王―――先代の魔王の数多くいる側室の子供のうちの一人として生まれた。


 俺の母親は俺を生んだ時に死んでしまったため、顔も見たことがない。


 そして、先代の魔王は俺のことを認知しなかった。


 もちろん王宮には俺の後ろ盾になってくれる者はいなかったし、親切に接してくれる者もいなかった。

 それどころかまだ子供だった俺のことを殴ったり蹴ったりとやりたい放題だった。

 王族や貴族はもちろん、使用人さえも手をあげてきた。認知されず王家には存在しないものとして扱われれていたため、日頃の主人達への鬱憤ばらしに使われた。




 しかし、転機が訪れた。



 その日は食事も抜かれ、水も与えられず、その上いつもよりも激しい暴行を加えられていて、正直死を覚悟した。


 いや、覚悟したというのは少々語弊があるかもしれない。


 誰も俺の事を見てくれない。

 誰も俺の事を認めない。

 ……誰も、助けてくれない。


 俺は諦めていた、生きることに。


 同時に、望んでいた。この日々が終わることに。


 そして死こそが、この日々を終わらせる唯一の救いだと思っていた。


 でも、







 ――――――――――――――――――――――俺は、こんな所で終わるのか……?









 ――――――――――――――――――――――いつも惨めに扱われ、挙句の果てに何も出来ずに死んでいくのが、俺の運命だって言うのか……?








 ――――――――――――――――……ふざけるな。








 ――――――――――――――――――――俺の……運命は…………俺………………が……。






◆◆◆





 気が付くと俺は巻き上がる炎の中に立っていて、俺に暴行を加えていたやつらは血を流して死んでいた。

 俺の手の中には、素人目でも相当な業物だと分かる剣が握られていた。


 そして直観的に、これは魔剣で、俺が今創り出したのだと理解した。



 ユニークスキル 【魔剣創造】



 ユニークスキルとは、何千万分の一の確率で発現するといわれる強力なスキルの総称だ。


 そして俺には、そのユニークスキルが3つも発現し備わっていることが分かった。



 ユニークスキル 【魔導王】



 ユニークスキル 【武闘王】



 この二つのスキルによって俺の力は超強化され、まさに最強となった。

 これらの力を使い、俺は復讐をすることにした。



 まず、日ごろのストレスの鬱憤を晴らすためにだけに俺に暴力を振るってきた、使用人や王侯貴族達を殺す、または徹底的に痛めつけた。


 そして、俺のことを無視し続け、俺が泥水をすすっている間にも自分は酒池肉林のごとく豪遊していた魔王を殺した。



 そして、俺の復讐がすべて完了したとき、俺は本当の意味でも魔王になっていた。

 民からも恐れられ、新たについた使用人や貴族達にも、いつか殺されるのかもという恐怖を持たれていた。



 それから百数十年程度がたったときだ。突如、魔界の軍による人間界の侵略が始まったのは。





 復讐の連鎖は終わらないという言葉がある。


 この侵略は俺が殺した貴族の息子が起こしたクーデターのようなものだった。


 そいつは自分では俺に勝てないと悟り、あえて人間界を攻撃してその首謀者を俺と偽り、人間の伝承にある魔族の天敵 【勇者】 に討伐させようとしたのだ。


 もちろんそいつは殺し、その計画に賛同したものも全て殺した。


 その後、俺はその軍の指揮権を握り、名実ともに魔王軍として侵略を開始した。


 理由は特に無かった。ただ、この酷くつまらない世界に少しでも刺激が欲しかった。



 そして侵略を始めて数年後、勇者がこちらに向かってきていた……。





 結果的に、その計画は成功し俺は勇者に殺された。




 そして、俺は別の世界に生まれ変わった。





◆◆◆





「どうかされましたか?ライアス坊っちゃん」


「いや、なんでもないよマリー。…………ところでその坊っちゃんての、やめてくれる?」


「あっすいません、つい」


「もう坊っちゃんって年でもないし……」


「そうですか?」


「そうだよ。それに、なんか恥ずかしい」


「すみません、気をつけますね」


「よろしくね」


「はいっ」




 彼女は俺が生まれた家――アダマスク家に仕える使用人のマリーだ。


 そして……俺の……か、()()、の、一人だ。






 まだ慣れないな。この呼び方は。




 俺の生まれたアダマスク家はパンゲア王国の貴族で、位は伯爵。もとは騎士の家系だったが、戦場で武功を挙げたりして、ついには伯爵にまで登りつめた家だ。


 その頃の名残で、家訓には騎士道の精神が色濃く残っていて、代々近衛騎士団長を務めている。


 ちなみに、今の当主である リオス・レオ・アダマスク で6代目になる。




 ガチャ


「おお、きたかライアス。準備は出来たか?」


 そして、俺の今の父親でもある。


「はい、父上」


「う~ん、その父上ってのは少々かたっ苦しくないか? もっとこう、パパとか」


「流石にパパはちょっと……」


「そうか……。まあいい。ささ、馬車に乗るぞ。これから魔力測定のために王城へ行くのだからな」


「分かりました」


「どんな結果が出るのか楽しみだな」


「あら、あなたライアスよりもうれしそうね」


「当たり前だろう、何と言ったって私の息子のことなのだから」


「ふふふ、そうですね」


 そして、今父上と話している人が俺の母親の リリス・レオ・アダマスクだ。


「ライアスも楽しみだろう?」


「え、えぇ、もちろん。すごく楽しみです!」


 嘘です。すいません。もう知ってます。


 俺の今の魔力量は体感的に通常の5歳児の数倍ぐらいの量だが、決して多いわけじゃない。


 しかし魔力というものは、この最初のころの魔力の量を基本として成長とともに増加していくため、元の量が多ければ多いほど増加量も大きくなり、子供のころはそうでもなくとも大人になるとかなりの差が開いてしまうのだ。

 計算すると、俺は大人になるころには前世ほどではないが相当な量の魔力を持つことになるだろう。



 ちなみに、なぜ5歳からなのかというと、それまでは体の中の魔力が安定しないのだ。


 そのせいで正確な値が出ないので、5歳になってから計測をする。


 また、先天的にスキルを持っている人もいるので、一緒にスキルも測定してくれる。





「よし、では出発するぞ」


「さ、行きましょうか、ライアス」


「楽しみですね!ライアス様!」


「うん」


 こうして俺は王城に向かっていった。










進まねえ(汗)

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