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氷上のフェアリー  作者: 佐々蔵翔人


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舞莉子まりこから伊吹君いぶきくんにあるお願いをした。

伊吹君いぶきくん、時間があってよければだけどタブレットで世界フィギュア選手権の動画配信するみたいだから観てもらえないかな?ジャンプやスピン、代名詞の舞莉子まりこスワンステップと

忖度そんたくなしで言ってね。

終わったらまたお見舞い来るからその時に教えて欲しい。直接言うのはって思うならLINEで教えてね」


伊吹君いぶきくんが頷くのを確認をして病室を後にしようとする舞莉子まりこ。すると結華ゆいかちゃんが舞莉子まりこに声をかけてきた。


舞莉子まりこちゃん、よりにもよってどうして伊吹いぶきにそんな大事な役割を託すの?忖度そんたくって最近テレビで聞くあの忖度そんたくでしょ?もし伊吹いぶき舞莉子まりこちゃんに失礼な言動あったらスグに言ってね。場合によっては容赦しない様にするもんで」


舞莉子まりこが思わず結華ゆいかちゃんに言葉を返した。

「小学生時代は言葉は鋭利で傷ついていたけどね、中学生になって舞莉子まりこのマインドも変えたの。コトリンみたいに明るくポジティブになって悪口言われたくらいでクヨクヨするのは止めたの」


そう言葉を返すものの、マンダラチャートによって考え方を変えたとはたとえいつも共にいる仲間にも言わない。敵に塩を送るではないが、敵を騙すにはまず味方をと考えていた。


しばらくしてコトリンがやって来た。

「今、コトリンがって聞こえたけど何の話?マリリンにも結華ゆいかちゃんにも嫌われる様な事をしたつもりないけど……。もしかしてだけどこのキャラ嫌だった?」


そんな事無いよと伝えつつも嫌だった?って言ってもムリだと思うよ。それにコトリンがこのキャラクターから脱却したらコトリンじゃあなくなるからとそのままいて欲しいと伝えた。


病院を後にして移動日まで直向ひたむきに練習をする舞莉子まりことコトリン、結華ゆいかちゃんの3人。


そして数週間が経ち、日本代表として飛行機と電車を乗り継いで北海道ほっかいどう長万部町おしゃまんべちょうにやって来た日本代表の舞莉子まりことコトリン、結華ゆいかちゃん。


スケートリンクで公開練習を共にする。世界の猛者もさに臆する事なく普段通りと心掛ける舞莉子まりこ。戦うのは相手だけでなく自分とも。


1位の結果を求めながらも気持ち的には最下位でもいいかなというくらいでいる。世界に日本には松阪まつさか舞莉子まりこの名を轟かせるのは忘れてはいなかった。


案の定、最下位だった舞莉子まりこだが結果はあくまでも数字としてしか見ていなかった。今大会で日本に松阪まつさか舞莉子まりこの名前を知ってもらえればそれでいいくらいのメンタル。


結華ゆいかちゃんもコトリンも舞莉子まりこが最下位なのに悔しがらない感じに驚く。自分達よりも下の順位なのに凹まないのはなぜなのか?


当然聞かれたが、最下位でも許されるのは最初だけ。世界にこういう選手もいるのを見せられただけで今回は上出来。そうコトリンと結華ゆいかちゃんに答えた。


世界ジュニアフィギュア選手権が終わって地元松阪まつさかに戻って来てそのまま伊吹君いぶきくんの病室に向かう。


舞莉子まりこを見ると伊吹君いぶきくんを見た。

舞莉子まりこちゃんお疲れ様。今言いたいけど恥ずかしいし、結華ゆいかに何されるか分からないからLINEで伝えるね」


それを聞いて憤慨する結華ゆいかちゃん。姉弟きょうだい仲良くねとコトリンがなだめていた。

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