ファイト
自分と仲間
バッチテスト7級の日を迎えた舞莉子にコトリンや結華ちゃんに伊吹君の4人。シニアクラスへの登竜門と呼ばれるこのバッチテストにいつも以上に緊張する。
フーッと深呼吸をする舞莉子に対して、失敗なんてなんのその。自分には関係ないという様な表情で佇むコトリン。そして小山内姉弟の結華ちゃんと伊吹君の表情は硬くて声をかけるべきかどうか悩む程緊張感が伝わってきた。
ストレッチを4人で行っている時に結華ちゃんと伊吹君の顔がいつも以上に硬いと感じたのか、コトリンが突然顔芸やなぞかけをし始めて結華ちゃんと伊吹君の表情が段々柔らかくなってきた。舞莉子も少し緊張が解けた気がしていた。
コトリンはポジティブモンスターだけでなくて、場を和ませるムードメーカーの役割も出来るのか。だれに対しても懐いて好かれるのはこういうのもあるのかなと俯瞰してみていた。
時間になり、バッチテスト7級が始まった。
まずは男子の伊吹君からで自分達の調整もしつつも横目で演技を眺めていた。伊吹君や他の男の子が演技している様子を見ると過去のバッチテストとは段違いに難しいのは見て取れる。
そうしている間に男子が終わって女子が始まる。
結華ちゃんから始まって次にコトリン、最後に舞莉子の順番になった。公式戦や夏に行われた「氷上のマドンナ」での勝ち抜き戦の時みたいに相手が敵じゃなく、求められているものが出来るかどうかの自分との戦い。
最初でも最後でもそこまで気にしていなかった。これもポジティブになれたのかなと順番を待つ。自分に出来るパフォーマンスをするだけで結果は後から付いてくるとこの時もポジティブに考える。
舞莉子の演技を終えて全選手が集められてこの日、合格したのは舞莉子だけで、喜んでいいのか分からずその場で淡々とありがとうございますとそれ以上でもそれ以下の言動は避けていた。
終わってから、コトリンと結華ちゃんと伊吹君と集まっていつものドーナツ屋に集まって世界ジュニアオリンピックに出場する優愛さんを応援しようと気持ちを切り替えた。世界の高さをまざまざ見せつけられる。
優愛さんは世界にどれくらい通用するのかが気になっていた4人。緊張しているのか合宿で見た時とはかけ離れている演技をしていた。
お顔がかわくていつも優しくて、フィギュアスケーターとしても尊敬している優愛さんであってもジュニアオリンピックという舞台では緊張をされているのかな?それとも調子のピークを持ってくる事が出来なかったのかな?色々と考察をしていた舞莉子。
ジュニアであろうがそうでなかろうが日の丸を背負ってオリンピックに出場する事がいかに難しくていかに重圧のかかるものなのかと感じていた。結果を出すには実力だけでなく、運や強い精神力等という様々な要素が必要たと実感をする。




