お構いなし
限られた中
本を読んでマンダラチャートという言葉に感銘を受けた舞莉子。自分でもタブレット上ではあるもののマンダラチャートを実際に作ってみた。真ん中にはフィギュアスケーターと言えば松阪舞莉子という壮大な目標を掲げた。
とはいえ、病室のベッドの上にいる舞莉子に出来る事は限られている。コトリンの様な超ポジティブシンキングや教養を付ける以外に何か出来る事があればやっていきたい。そう考えていた。
タブレットを確認をすると電波が通じている。ならば動画サイトにもアクセス出来ると考えた。ここは病院、音を出さないかイヤホンかワイヤレスイヤホンを繋げて音を盛れなければ動画を見ても何ら問題ないと考えた舞莉子。
動画サイトで過去の大会での動画を見てどういう感じで演技をしていて、表現力はどうなのかを音を消して見てみる。自分自身でも悪くはないが、何か物足りないと感じてしまう。比較対象は多いに越したことはない。
同世代の伊吹君や結華ちゃん、コトリン。そしてお姉さんでもある優愛さん。そして「氷上のマドンナ代表取締役社長、氷室華織さん、代表取締役副社長、小山内香凛さんの現役時代の動画を見てみる事にした。
あくまでも参考程度で、全員のいい所をミックスをしようとは全く考えてない。他人の真似事をしても意味もなく中途半端になるのは目に見えてる。
見回りの時間に来る看護師さんやご飯を運んで来てくれる管理栄養士さん達に笑われても構わない。何をしているのかと聞かれれば、自分はフィギュアスケーターで動画やイメージトレーニングで表現力を改善しようとしている。そう答えればいいと考えていた。
看護師さんや管理栄養士さんが来て最初はスゴいねストイックだねと言葉をかけてくれる。でも次に出てくる言葉は身体と心は繋がってるからあまり自分を追い込み過ぎない様にと言われてしまう。
基本的にパパとママが来るのは夜の時間。舞莉子がフィギュアスケートを始めてからどうしても道具代や遠征費、月謝代等色々とお金がかかるため共働きでママもパートのシフトを増やしてもらっているのが現状。
それ以外の時間は伊吹君やコトリンに優愛さんが顔を出せる時間にお見舞いに来てくれる。出来れば連絡してくれたらなと感じていたがお見舞いに来てもらう身分でそんな事言えるはずがない。
時間があれば本を読むか表現力を高めるために指先をしてやっていた時だった。肩で息をしながら病室に入ってきたのは結華ちゃんだった。
フルーツの盛り合わせを持ってきてくれて舞莉子に声をかける。
「伊吹からここに入院しているのは聞いてたけど、中々顔を出せなくてゴメンね。元気そうな顔をしててよかった。今のタイミングで来て大丈夫だった?」
結華ちゃんにありがとうと言いつつ持ってきてくれたフルーツの盛り合わせを食べる。久しぶりに果物を食べたと感じた舞莉子。




