世代屈指
見えない重圧
名前が分からないと次会った時にも薩摩川内支店のお姉さんとしてしか認識が出来ないのでお名前を教えて欲しいとお願いする。
それならと改めて自己紹介をしてくれた。
「氷上のマドンナ薩摩川内支店に通っている川内優愛。趣味は時代劇やスポーツ観戦でね元々、舞莉子ちゃんの事はコトリンから聞いていたし、優愛も小さい頃に松阪にいて勝手に親近感湧いちゃって色々アドバイスではないけど、伝えられる事があればと思って。後は、こっちとしてはあまり登場人物が多いとアタマがごっちゃになっちゃうかなって思ってたけどね」
名前を聞けた上で川内優愛さんについてタブレットで調べる舞莉子。
「全日本ノービスBクラス連覇、全日本ノービスAクラス連覇、全日本ジュニア選手権3連覇等々名だたる大会で優勝をしている」
この度は失礼な態度を取ってしまい申し訳ございませんと頭を下げる舞莉子。因みにですがコトリンとはいつから仲がいいのか尋ねた。
「ん……。あれは何年前だったかな?優愛のところにコトリンが来て、フィギュアスケートのスピンやジャンプそしてステップとダメダメだから教えて欲しいと頭を下げに来てくれてそれはコーチやインストラクターさんの役割だから舞莉子ちゃんにも伝えた時と同じで自信を持って演技してポジティブにいた方がいいと伝えたよ。まさかこんなポジティブモンスターになってるとは……」
コトリンのフィギュアスケートに対する姿勢に演技をすればスピンやジャンプにステップとどれを取っても舞莉子より優れていると感じる。特異技がシングルオイラーって言うのは自分を隠すためとして思えないくらい。
もう優愛さんはフィギュアスケーターとして素晴らしいのはこれまでの実績や世代筆頭候補に挙げられてもおかしくないのに驕らず常に謙虚でポジティブにいられる秘訣を聞いてみたい。
よかった教えて欲しいと聞くといいよと答えた。
「舞莉子ちゃんとしては世代を代表する選手って思うかも知れない。それはあくまでも日本だけの話。さっき世界ジュニアオリンピック代表選考には出れなかった話はしたけど、それとは別で世界ジュニア選手権っていうのがあってそれに出た時に世界のレベルは違う。自分は井の中の蛙だとまざまざと実感したよ。自分の世界との差だけでなく、謙虚で常に上を目指して行かないとコトリンや舞莉子ちゃんの様な下の世代に抜かれる。下を向いても成績が上がらない。気持ちだけでもポジティブにアゲてかないとっていう気持ち。他人事みたいな顔してるけどコトリン分かった?」
まだ出会って日の浅い舞莉子にも優愛さんの本音を話してくれて嬉しい気持ちでいた。
すると病室に入ってきたのは伊吹君でお花屋さんで花を買ってきてくれたのと、パパとママが忙しいからと本を託して持ってきてくれたとの話をしてくれた。
病室が喧ましくなりそうな雰囲気を感じていた舞莉子であった。




