何が起きたのか
目に入ってしまう
色々あって全国から集まった「氷上のマドンナ」にいる支店の子達。最終日に突然対抗戦が行われて予選敗退して泣いてしまうノービスクラスの子達。
でも舞莉子としては全国にいる猛者達と非公式ながら戦えたし、コトリンが前に通っていた薩摩川内支店にいるシニアクラスのお姉さんとの出会いやアドバイスには参考になる部分があった。
お盆休みを挟んで再びフィギュアスケートの練習が始まる。練習の段階から自分は誰よりも上手い、誰よりも出来ると自己暗示をかけながらジャンプやスピン、そして代名詞でもある「舞莉子スワンステップ」の演技力、どうやったら華麗に見えるかを意識してやっていた。
練習が終わって家に帰る舞莉子。自分の部屋に戻ってパジャマに着替えようと机を見ると、夏休みに課されているワークや自由研究や生活作文を書くために置かれた原稿用紙が並んでいる。
ふとワークを開くと全くやった形跡がない。流石にこれはやらないとやばいと感じて机に齧りついて宿題をやろうと決めた。
嫌がらせなのか分からないが、こういう時こそやっている時にシャーペンの芯がいつもよりおれる。芯を入れても入れても折れる割には全然進まない。
元々入っていたのが少なかったからなのかシャーペンの芯がなくなってしまい夏休みの宿題をやらずに学校に行こうとも考えたが、あの子はフィギュアスケートは出来るけど夏休みの宿題はやらないんだと言われるのもどうかと思っていた。
全部タブレットで夏休みの宿題を出してくれればいいのにと嘆いても進めない事には終わらない。軽くシャワーをして学校のジャージに着替えて自転車に乗って家から近くにあるコンビニに行こうとしたが、お菓子や何やら買っちゃいそうだから文房具屋に向かって走る。
自転車に乗っている時もヘルメットをして、左右の確認を怠らず横断歩道で自分しかいない時には必ず車を先に行かせる様にしていた。いつどこで怪我をするリスクが潜んでいるか分からない。防げる場所は防ごうとしていた。
気持ちは急いでいても自転車はゆっくり走る。もうすぐ文房具屋だなと思って自転車を漕ぐ。だが、次の瞬間には田んぼの泥濘にいる舞莉子。言うほど端っこを走っていた訳でもないのにどうしてなのか……。
泥濘から脱出して再び自転車に乗ろうと足をかけようとすると足に電気が走った感じの痛みがある。ヤバい、また古傷が悪化したかもと思いつつも後、数100mで文房具屋に着く距離だが歩くのも自転車を漕ぐ事が出来ない。
人生で始めて近いのに遠いと感じた気がする。携帯も持っていなければ車通りの多い場所でもない。泣いても喚いても仕方なく、泥まみれのジャージ姿で座って誰かが通りかかるのを待つしかなかった。
暫くして通りかかった人に事情を説明をして救急車と家族に電話をしてもらって救急車で病院に行ってもらうことになった。




