シビア
怯える
華織さんからノービスBクラスから順に予選通過の発表をされていて、非公式だからとそこまで落ち込まない子から戦いに公式も非公式も関係ないと思わず泣いてしまう子もいた。まだ自分が予選通過なのか、予選敗退なのか分からないが自分はどっちなのかなと考えていた舞莉子。
ノービスAクラスの予選通過者も発表されて、遂にジュニアクラスの順番が回る。男子から発表されて伊吹君の名前が呼ばれずに思わず驚いた舞莉子。あれだけの演技しても予選敗退なのかと思うと自分も危ういと感じた。
ジュニア女子の発表と華織さんが発するといつもは然程感じない胸が高まる。
「小山内結華松阪支店。小鳥遊琴凛シャーロット松阪支店。松阪舞莉子松阪支店。……」
過去にないくらいの緊張で安堵の表情を見せる舞莉子。続いてシニアクラスの発表をされている中、贔屓してはいけないものの自信を持ってやれば大丈夫と教えてくれたお姉さんには予選通過して欲しいと感じていた。
だが、その願いは無情にも叶わず舞莉子に教えてくれたお姉さんは予選敗退にこれは非公式と何度も思うものの勝負という世界は残酷だなと実感をして、勝手にお姉さんの分も頑張ろうと決めた舞莉子。
そしてお昼ご飯の時間になり、スタンドでお弁当を食べていた舞莉子。横に座ってもいい?
そう聞いたのはあのお姉さんだった。ちょっと食べる前に話があると伝えた。
「舞莉子ちゃんは優しい子だからもしかして予選敗退した私の分も背負って頑張らなきゃって思っていたらその気持ちだけで自分のために演技して欲しい。私も過去に怪我で大会に出られなかった子の分もって思って気負い過ぎて身体に力が入りすぎて本来の演技が出来なかったからさ」
いつも同じ支店で練習している訳でもなくて今回、初めて顔を合わせた舞莉子をホントの妹のみたいに接してくれるのか、そこが気になった。
そこに歩いていたコトリンが足を止めて喋った。
「マリリン。どうしてだと思う?それはマリリンが優しくて実直で努力家だからだよ。もっと上に行きたい、だけどどうしたらいいか自分では分からないと思ったから手を差し伸べてくれたとコトリンとしてはそう思うよ。ですよね?センパイ」
自己紹介で薩摩川内支店と言ってはいたが、いざ練習が始まるとどこの支店の誰かを気にしていられる余裕すらない。
序に薩摩川内支店でのコトリンの様子を聞くとお茶を飲みながらお茶を探していたり、自転車で来た事を忘れて歩いて帰ったりした時もあったと聞いた。
思わず舞莉子も聞いた時にイエスかハイの2択しかないって言ったり、フィギュアスケートをする私達は暑さは関係ないって人とは違う発想で人が吸い込まれるみたいに人が寄ってくるって言えばコトリン、掃除機じゃないよとか言うから隣にいて飽きないと答えた。
相変わらずのコトリンワールドだねと喋っていたら昼休憩が残り5分で舞莉子とコトリン、そして薩摩川内支店の先輩の3人は急ぎ気味でお弁当をかき込んだ。




