自分も周りも
どうなるのか
全日本ノービス選手権予選を最下位で終わった舞莉子。全員が「氷上のマドンナ松阪支店」から出場した選手が居なくなってもまだ舞莉子は残っていた。
コトリンや伊吹君、結華ちゃんが声をかけてくれたが返事はなかったのでそのままにして帰ったとの事。
舞莉子が氷を見つめて佇んでいると誰かの手が肩に置かれたのが気がついた。話がある。そう声をかけたのはカオリンだった。
「伊吹と結華から話は聞いたよ。地元松阪、それもこのスケートリンクで全日本ノービス選手権予選が行われているって聞いて誰よりも気合いが入っていたって。故郷に錦を飾ると高らかに語っていて実際は最下位。別に冷やかしに来たわけではないよ。舞莉子ちゃんは予選最下位というどん底を味わったけど、この悔しさを糧にするのか?それともまだ小学生。何にでもなれる可能性はあるからフィギュアスケートを諦めて別の道に進むのか。1回考えてみてもいいかもね。また戻ってくるならいつでもウェルカムだし、サポートするよ」
そのカオリンの言葉が身に染みた。公開練習でも調子がよかったのにどうして本番になったらいつものパフォーマンスを発揮出来ずにいたのか。フィギュアスケートを続けるのならばそこが分からないとまた同じ様になると考えた。
カオリンから遅いから送って行くよ。もう閉めるからと伝えられてやっとスケートリンク場から出て共に出たカオリンの車に乗り込んだ。
その時カオリンが舞莉子に話しかけた。
「さっきはちょっと厳しく言い過ぎちゃってゴメンね。フィギュアスケートに携わっていて舞莉子ちゃんは伊吹や結華、琴凛ちゃんとも実力は遜色ないよ。立場的に贔屓するのはよくないけれど4人の現段階の実力は舞莉子ちゃんが1番」
その言葉を聞いて涙を流す舞莉子。着いたよと車を停め、手を振るカオリン。その姿を見てこれからどうするか考えようと家に入る。
自分の部屋に行って考えていた。
「私、松阪舞莉子からフィギュアスケートを取ったら何が残るだろうか?勉強も運動も郡を抜いている訳でもない。カオリンからはまだ小学生だから何にでもなれる可能性はあるとは言ってくれたもののじゃあこれといって何かになりたいというものはまだない」
パジャマに着替えてリビングに行く舞莉子。自分が悪いとはいえど、イライラしていた。いつもはご飯は人並みに食べるくらいだけどこの日はご飯をおかわりをしてパパとママのおかずをちょうだいとお強請りしてもらった。
再び部屋に戻って何が原因だったのか考える。前日練習も公開練習も調子がよかった。なのに本番は急に足が自分が考えている様に動かなくなった。
明らかに違っていたのは本番で滑走する時には大きな声援が舞莉子と聞こえた。もしかして舞莉子ってプレッシャーに弱いのかな?他に思い当たる節が見当たらない。




