灯台もと暗し
知らないこともある
琢郎さんに悩みを伝えると出来る限りの事をしてくれてホント助かる。それも自分たちの住む松阪市にスケートリンク場が出来ると聞いて未だにピンと来ない。
住所を聞いて家族で向かってみるとそこにはテナント募集と書いてあってここにスケートリンク場が出来るとは到底思えないくらいの大きさにホントなのかと半信半疑でいる。ホントにここに出来るのならば家からも然程遠くもない。
舞莉子を習い事としてフィギュアスケート行う事を決めつつ、ここにスケートリンク場が出来ることを祈ってそれまでの間は名古屋のスケートリンク場に行くことを決めた。
コーチを付けて行うのはこの場所に立ってからにして、それまではフィギュアスケートの基礎となりうる事をやってからスグにコーチをつけて表現力やジャンプ等をやって行こうかなとパパの中でビジョンを頭の中で描いていた。
とはいえ、パパやママ達が実際にフィギュアスケートを習い事としてやった事があるはずもなく身内や近隣に住む人もフィギュアスケートをやっているという話を耳にしたこともない。そうなればと琢郎さんに今のビジョンを伝えた。
琢郎さんから告げられる。
「フィギュアスケートはジャンプするにしても体幹や演技するに当たっても基本となる氷上で線を描くというのはジュニアやシニア、そしてトップスケーターも行っている事。なので方向性は間違っていないし大切な事ですよ。コーチもこちらで手配致しますね」
松阪舞莉子、小学校1年生のバレンタインの日の前日にまずは習い事としてフィギュアスケートを始めることを決めた。
翌日のバレンタインの日、家の呼鈴が鳴る。扉を開けるとそこにいたのは琢郎さんで体験会に行った名古屋市のスケートリンク場に同行してくれるとの事で電車に乗って向かう。
実際に習い事としてフィギュアスケートを始めるにあたって緊張している舞莉子に対して心配しなくても大丈夫だよと終始声をかけてくれていた。
スケートリンク場に着いてパパとママが入学手続きを行っている。教えてもらうのに地元のスケートリンク場が出来たらそっちに移る事を前提にここに来ていいものなのかと考えていた。
その反面、実際に習い事として衣装とスケート靴を履いて氷上を滑る舞莉子を見るとイキイキとしていて初日からスジがいいねと言われている事には舞莉子本人だけでなく、パパもママも嬉しい気持ちでいる。
しばらく練習をしていると1人の女性が氷上に降り立った。雰囲気というかオーラが違うと見てみるとそこにいたのは氷上のプリンセスと呼ばれてオリンピックに出れば金メダル確実とすら言われながらもオリンピックの舞台に立つことはなかった悲劇のスケーターがそこはいた。
琢郎さんの人脈はどうなっているのか、こんななのある方に愛娘の舞莉子が教えてもらえるのかと思うと嬉しい反面身震いをしてるのはパパとママのほうだった。




